ロット在庫の考え方:在庫意識を高く持つ(その2)

更新日

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ロット在庫の考え方

在庫は「なんとなく」増えてしまうこともあり注意が必要です。その要因の一つが場所です。場所が広すぎるからものが置けてしまう、その関係で在庫が増えてしまうということがあります。

 

材料余りということもあります。100個入りの材料パッケージで80個分の生産指示がかかったとします。このようなケースで20固材料を余らせるよりも切りのよいところで100個生産をしてしまおうということも考えられます。

 

人の工数が余っているときも同様です。手待ちにするくらいだったらその時間を使って指示がかかっていない分まで生産してしまおうということが発生するのです。材料購入であればまとめて引き取ってもらえれば安くするとサプライヤーから提案され、それに乗じて購入してしまうこともあるでしょう。

 

上記に挙げた例はすべて「つくりすぎのムダ」に相当します。どうせいずれ使うのだからという意識でつくりすぎてしまうのかもしれませんが、この考え方は正しくありません。

 

容器が大きすぎることも在庫を増やす要因となります。容器を目の前にすればその中を一杯にしたいと思うことはわからないではありません。しかし本来であれば入数が先に決まりそれに適した大きさの容器を選定することが筋です。先ほどの事例はこの逆をやってしまっているから余分なものまで容器に入れるということが発生してしまうのです。

 

ロット在庫というものがあります。この代表的なものに生産ロットの大きさで決まるロット在庫と輸送ロットの大きさで決まるロット在庫があります。前者は段取りを含めた生産効率を考慮して決まることが多いでしょう。後者は輸送トラックやコンテナのサイズで決まることが多いと思われます。

 

輸送ロットの代表的なものとして40フィートコンテナが挙げられます。海外との間を運ぶため、コンテナ内充填率を高めたいと考えるのはよくあることです。つまり40フィートコンテナが一つのロットサイズだということになります。

...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ロット在庫の考え方

在庫は「なんとなく」増えてしまうこともあり注意が必要です。その要因の一つが場所です。場所が広すぎるからものが置けてしまう、その関係で在庫が増えてしまうということがあります。

 

材料余りということもあります。100個入りの材料パッケージで80個分の生産指示がかかったとします。このようなケースで20固材料を余らせるよりも切りのよいところで100個生産をしてしまおうということも考えられます。

 

人の工数が余っているときも同様です。手待ちにするくらいだったらその時間を使って指示がかかっていない分まで生産してしまおうということが発生するのです。材料購入であればまとめて引き取ってもらえれば安くするとサプライヤーから提案され、それに乗じて購入してしまうこともあるでしょう。

 

上記に挙げた例はすべて「つくりすぎのムダ」に相当します。どうせいずれ使うのだからという意識でつくりすぎてしまうのかもしれませんが、この考え方は正しくありません。

 

容器が大きすぎることも在庫を増やす要因となります。容器を目の前にすればその中を一杯にしたいと思うことはわからないではありません。しかし本来であれば入数が先に決まりそれに適した大きさの容器を選定することが筋です。先ほどの事例はこの逆をやってしまっているから余分なものまで容器に入れるということが発生してしまうのです。

 

ロット在庫というものがあります。この代表的なものに生産ロットの大きさで決まるロット在庫と輸送ロットの大きさで決まるロット在庫があります。前者は段取りを含めた生産効率を考慮して決まることが多いでしょう。後者は輸送トラックやコンテナのサイズで決まることが多いと思われます。

 

輸送ロットの代表的なものとして40フィートコンテナが挙げられます。海外との間を運ぶため、コンテナ内充填率を高めたいと考えるのはよくあることです。つまり40フィートコンテナが一つのロットサイズだということになります。

 

輸送回数を小刻みに行えば輸送ロット在庫は減ることになります。まとめて運べば輸送ロット在庫は大きくなります。ロット在庫は生産であれ輸送であれコストとのトレードオフになる場合があります。しかしコストを上げずに小ロット化する改善に取り組んでいる会社も多々ありますのでそういった会社を見習うことも重要です。

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCM効率を評価するKPIの新提案 SCM最前線 (その15)

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その13)

1.例えば単価10万円の商品で考えて見ましょう    前回のその12に続いて解説します。商品単価が安い商品なら品切れも欠品も、消費者にとって...

1.例えば単価10万円の商品で考えて見ましょう    前回のその12に続いて解説します。商品単価が安い商品なら品切れも欠品も、消費者にとって...


人財育成編 物流改善ネタ出し講座 (その12)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流現場の労務管理

1. 物流管理監督者の実態  皆さんの会社の現場では長時間労働の問題は発生していませんでしょうか。長時間労働は労働者に身体的・精神的負担を与え、労働...

1. 物流管理監督者の実態  皆さんの会社の現場では長時間労働の問題は発生していませんでしょうか。長時間労働は労働者に身体的・精神的負担を与え、労働...


当たり前の物流サービス 高値で売れる物流サービス(その1)

        日本の社会は、労働人口が減少しつつあります。このような環境下ではサービスを提供する側にとって試練の時代となります。    つまり...

        日本の社会は、労働人口が減少しつつあります。このような環境下ではサービスを提供する側にとって試練の時代となります。    つまり...


運送約款の変更を利用せよ 物流会社の交渉術(その1)

        最近人材不足の波が産業全体を飲み込もうとしています。特に人気のない業種はこの時期大変です。物流業はその典型といえるかもしれません。 ...

        最近人材不足の波が産業全体を飲み込もうとしています。特に人気のない業種はこの時期大変です。物流業はその典型といえるかもしれません。 ...