予想物量の提示:物流顧客のニーズを知る(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 予想物量の提示

 物流顧客は単純に点から点の間を運んで欲しいだけなのか、何かしらの管理をして欲しいと思っているのか常に情報を入手するように努めなければなりません。物流事業者の立場であるならば見積に必要な情報はこれとこれである、といった話を顧客にきっちりとするべきです。それが無いと見積もれないあるいは見積もれたとしても後で見積もり値が変更になる可能性があることを顧客に文書で伝えておくとよいでしょう。

 輸送委託の場合顧客は少なくとも1年~3年の発注物量を物流事業者に提示する必要があります。大口の発注の場合には物流事業者が投資をしなければならないこともあります。

 そこで望ましいのは3年発注としその間の予想物量を提示することでしょう。発注側は何とかして3年間の予想値をつくることが求められます。これはあくまで予想値ですから状況が変化すれば変わってきうる値です。もしその変動が極めて大きい場合には再度見積もることになります。

 物流事業者はこの3年間の間に顧客にどのような変化があるのかもニーズと一緒に聞き出しましょう。もしかしたら新しい工場を立ち上げるかもしれません。場合によっては現存する工場のどこかを閉鎖するかもしれません。そうなると物流事業者に発注される仕事量も変化してきます。

 

 顧客のニーズを知ることは仕事を受注する時だけではないことは言うまでもありません。受注後も普段の付き合いの中から新しいニーズを聴き出すことが必要です。

 方面別の物量が変化し、トラック積載率があるルートでは低下して困っているかもしれません。顧客の困っている情報をキャッチしてタイムリーに対応できればその会社の評価は必然と向上します。

 このような生の情報を入手することが得意な人とそうでない人がいます。では得意な人はどのような活動を行って...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 予想物量の提示

 物流顧客は単純に点から点の間を運んで欲しいだけなのか、何かしらの管理をして欲しいと思っているのか常に情報を入手するように努めなければなりません。物流事業者の立場であるならば見積に必要な情報はこれとこれである、といった話を顧客にきっちりとするべきです。それが無いと見積もれないあるいは見積もれたとしても後で見積もり値が変更になる可能性があることを顧客に文書で伝えておくとよいでしょう。

 輸送委託の場合顧客は少なくとも1年~3年の発注物量を物流事業者に提示する必要があります。大口の発注の場合には物流事業者が投資をしなければならないこともあります。

 そこで望ましいのは3年発注としその間の予想物量を提示することでしょう。発注側は何とかして3年間の予想値をつくることが求められます。これはあくまで予想値ですから状況が変化すれば変わってきうる値です。もしその変動が極めて大きい場合には再度見積もることになります。

 物流事業者はこの3年間の間に顧客にどのような変化があるのかもニーズと一緒に聞き出しましょう。もしかしたら新しい工場を立ち上げるかもしれません。場合によっては現存する工場のどこかを閉鎖するかもしれません。そうなると物流事業者に発注される仕事量も変化してきます。

 

 顧客のニーズを知ることは仕事を受注する時だけではないことは言うまでもありません。受注後も普段の付き合いの中から新しいニーズを聴き出すことが必要です。

 方面別の物量が変化し、トラック積載率があるルートでは低下して困っているかもしれません。顧客の困っている情報をキャッチしてタイムリーに対応できればその会社の評価は必然と向上します。

 このような生の情報を入手することが得意な人とそうでない人がいます。では得意な人はどのような活動を行っているのでしょうか。物流事業者の中でも顧客情報に長けている人の特徴があります。それは顧客の物流現場に入り込み、親しい人を作っているということです。

 大方の物流事業者の担当者は顧客の事務所の担当者と話をすることになると思います。事務所の担当者が直接発注の担当者であることが多いためこのような形になるわけです。

 

次回に続きます。  

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
輸送編 物流改善ネタ出し講座 (その10)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


最先端のSCMテーマ、S&OP SCM最前線 (その5)

1. S&OPとは    今日の最先端SCMテーマといえば、一番に上げられるのは、S&OP(Sales & Oper...

1. S&OPとは    今日の最先端SCMテーマといえば、一番に上げられるのは、S&OP(Sales & Oper...


サプライチェーンマネジメントのプッシュとプル

 サプライチェーンマネジメントのプッシュ型とは、需要をあらかじめ見込んでいつ・どれだけ・誰に・売れるかの実需が発生する前に製品・仕掛り在庫を用意して、実際...

 サプライチェーンマネジメントのプッシュ型とは、需要をあらかじめ見込んでいつ・どれだけ・誰に・売れるかの実需が発生する前に製品・仕掛り在庫を用意して、実際...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流子会社のレーゾンデートル メーカーと物流子会社(その3)

  ◆ 親会社の役割  メーカーと物流子会社について、荷主が物流会社マネジメントをどこまでできているかが課題になりますが、特に物流子会社...

  ◆ 親会社の役割  メーカーと物流子会社について、荷主が物流会社マネジメントをどこまでできているかが課題になりますが、特に物流子会社...


目標復旧時間の設定と中核事業の特定 物流BCPについて考える(その13)

            【物流BCPについて考える 連載目次】 1. ...

            【物流BCPについて考える 連載目次】 1. ...


日本物流は通用しない:海外物流での勘所(その2)

  ◆日本物流は通用しない 日本だけの知識では海外で仕事をすることはできません。前回お話したような「おかしな現象」を引き起こしてしまって...

  ◆日本物流は通用しない 日本だけの知識では海外で仕事をすることはできません。前回お話したような「おかしな現象」を引き起こしてしまって...