現場での立ち会議:物流は3現主義で(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流は3現主義で現場での立ち会議

 物流上の問題点の例として物流品質不良が挙げられます。物流過程で起きた問題点は3現主義で解決していきましょう。誤品を出荷してしまった、誤数を出荷してしまったという話をよく耳にします。物流品質不良の対策書には作業者が標準作業を守っていなかった、監督者が作業観察を行っていなかったという文字が毎回のように並びます。

 また対策として「社内教育の実施」とか「作業観察の徹底」などが書かれています。しかしこれで果たして同じ過ちを防ぐことができるでしょうか。ここの対策は問題が生じた時と同じ状況を作ってそこで現実的な対策を具体化しましょう。

 たとえば職場の照度が不足しているということが現場に行けばわかります。それがわかればそれに応じた対策を打つ。部品同士が重なりやすくそれに気づきづらいのであれば実際に作業台の上に碁盤の目を作ってその中に一枚ずつ並べていく、といったアイデアも現場で検討すればこそ生まれてくるものです。

 つまり品質問題については現場で再現しながら対策を考えていくことがベストなのです。これこそが3現主義の典型例です。

 

 3現主義は品質問題対応に限りません。安全対策でも同様です。倉庫内で頭をぶつけやすい突起が出ていたらその下を進入禁止にする、倒れやすい状態で積み上げられている荷があればその場で段積数を減らすなどのアイデアが出てきます。

 通路にはみ出し置きがあればそれをその場で直させる、ものを指定場所以外に置いていたらその場で指定場所に移動させる、このような「しつけ」は現場で現物を目の前にして実施していくべきです。

 物流現場ではほとんどの行為について3現主義での取り組みが望ましいと思われます。もし今から実施しようとしている会議が現場で行った方が望ましければ迷わず現場に出かけて行...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流は3現主義で現場での立ち会議

 物流上の問題点の例として物流品質不良が挙げられます。物流過程で起きた問題点は3現主義で解決していきましょう。誤品を出荷してしまった、誤数を出荷してしまったという話をよく耳にします。物流品質不良の対策書には作業者が標準作業を守っていなかった、監督者が作業観察を行っていなかったという文字が毎回のように並びます。

 また対策として「社内教育の実施」とか「作業観察の徹底」などが書かれています。しかしこれで果たして同じ過ちを防ぐことができるでしょうか。ここの対策は問題が生じた時と同じ状況を作ってそこで現実的な対策を具体化しましょう。

 たとえば職場の照度が不足しているということが現場に行けばわかります。それがわかればそれに応じた対策を打つ。部品同士が重なりやすくそれに気づきづらいのであれば実際に作業台の上に碁盤の目を作ってその中に一枚ずつ並べていく、といったアイデアも現場で検討すればこそ生まれてくるものです。

 つまり品質問題については現場で再現しながら対策を考えていくことがベストなのです。これこそが3現主義の典型例です。

 

 3現主義は品質問題対応に限りません。安全対策でも同様です。倉庫内で頭をぶつけやすい突起が出ていたらその下を進入禁止にする、倒れやすい状態で積み上げられている荷があればその場で段積数を減らすなどのアイデアが出てきます。

 通路にはみ出し置きがあればそれをその場で直させる、ものを指定場所以外に置いていたらその場で指定場所に移動させる、このような「しつけ」は現場で現物を目の前にして実施していくべきです。

 物流現場ではほとんどの行為について3現主義での取り組みが望ましいと思われます。もし今から実施しようとしている会議が現場で行った方が望ましければ迷わず現場に出かけて行くことをお勧めします。

 何か社内で問題が発生したらその解決策を検討する場所を現場に設けてもよいかもしれません。それは会議室ではなく、ホワイトボードだけを設置した場所です。椅子もいりません。立ったままで検討会を実施するのです。立ったままの会議は意外と生産性が良いものです。座って実施する会議より時間が短くなる傾向にあります。

 

 次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その9)

第9回 道具6「現地スタッフ教育マニュアル」 前回のその8に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.現地スタッフの実...

第9回 道具6「現地スタッフ教育マニュアル」 前回のその8に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.現地スタッフの実...


精度確保のキー『ブルウィップの克服』 SCM最前線 (その9)

   前回のその8に続いて解説します。   3. ブルウィップ克服の方向性    それでは、ブルウィップを克服する...

   前回のその8に続いて解説します。   3. ブルウィップ克服の方向性    それでは、ブルウィップを克服する...


SCM:サプライチェーンマネジメントの最前線 【連載記事紹介】 

  ◆ SCM:サプライチェーンマネジメントとは サプライチェーンマネジメントのレベルアップは、一朝一夕ではできません。長い時間が掛かり...

  ◆ SCM:サプライチェーンマネジメントとは サプライチェーンマネジメントのレベルアップは、一朝一夕ではできません。長い時間が掛かり...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流品質向上にこだわるとは

1. 物流品質の5カテゴリー  物流品質不良が減らずに困っているという会社は多いのではないでしょうか。ものづくりでは品質向上のためにさまざまな活動を...

1. 物流品質の5カテゴリー  物流品質不良が減らずに困っているという会社は多いのではないでしょうか。ものづくりでは品質向上のためにさまざまな活動を...


物流アウトソースにあたっての留意点 (その1)

1. 物流アウトソースのメリットとデメリット  皆さんの会社では何かしらの物流業務のアウトソース(外注化)を行っているのではないでしょうか。この物流...

1. 物流アウトソースのメリットとデメリット  皆さんの会社では何かしらの物流業務のアウトソース(外注化)を行っているのではないでしょうか。この物流...


契約書記述事項とは:物流契約の考え方(その2)

  ◆ 契約書に記すべき業務  契約を曖昧(あいまい)にしていると、実業務が始まった後にトラブルが発生しがちです。しかし、そのトラブルの...

  ◆ 契約書に記すべき業務  契約を曖昧(あいまい)にしていると、実業務が始まった後にトラブルが発生しがちです。しかし、そのトラブルの...