物流設計のできる事業者 真の物流事業者(その2)

投稿日

 
  物流
 

1. 今後求められる「物流事業者」とは

 物流の専門家でもないメーカーに物流設計ができるのは、彼らは「物流の当事者」だからです。それを実行しなければサプライチェーンが成立しないからなのです。そこで、社内では生産技術や生産管理の担当者に「物流を検討せよ」という指示が出ます。担当者は試行錯誤しながら、知恵を絞っていろいろな物流パターンを考えます。
 
 一般的に「物流事業者」といわれる会社では、物流企画というより、物流の実行が仕事だという意識があります。この考え方の正否はともかく、倉庫にモノを保管する、トラックを使ってモノを運ぶということが仕事であるという考え方です。
 
 荷主会社から「こうしてくれ」といわれたことに対応することが彼らの考え方であるわけです。この考え方に対して、物流事業者は「受け身」の仕事の仕方では今後生き残っていくことは難しいと言います。
 
 しかしながら一つに当事者でないこと、二つ目に社内に人財がいないことを挙げ、半ばあきらめてしまっている感があります。いずれにしましても、今後求められる「物流事業者」とは、効率的なサプライチェーン全体や、その一部としての物流を設計できる会社であることは間違いありません。
 

2. 物流の基礎知識より、重要な要素とは

 自社で自社のサプライチェーンや物流設計を行える会社は良いのですが、それができない会社はお金を払ってでも誰かに依頼して実行しなければなりません。ではそれをどこに頼んだらよいのでしょうか。メーカーが社内で蓄積した知識を基に、物流設計請負を行っていくことが考えられます。
 
 一般的な物流事業者でしょうか。彼らがメーカーの中で経験のある人財を引き抜いて実行するという手もありそうです。意識の高い物流事業者はさかんに人財育成を行っています。まさに物流設計業務ができる人財を育てているのです。このあたり...
 
  物流
 

1. 今後求められる「物流事業者」とは

 物流の専門家でもないメーカーに物流設計ができるのは、彼らは「物流の当事者」だからです。それを実行しなければサプライチェーンが成立しないからなのです。そこで、社内では生産技術や生産管理の担当者に「物流を検討せよ」という指示が出ます。担当者は試行錯誤しながら、知恵を絞っていろいろな物流パターンを考えます。
 
 一般的に「物流事業者」といわれる会社では、物流企画というより、物流の実行が仕事だという意識があります。この考え方の正否はともかく、倉庫にモノを保管する、トラックを使ってモノを運ぶということが仕事であるという考え方です。
 
 荷主会社から「こうしてくれ」といわれたことに対応することが彼らの考え方であるわけです。この考え方に対して、物流事業者は「受け身」の仕事の仕方では今後生き残っていくことは難しいと言います。
 
 しかしながら一つに当事者でないこと、二つ目に社内に人財がいないことを挙げ、半ばあきらめてしまっている感があります。いずれにしましても、今後求められる「物流事業者」とは、効率的なサプライチェーン全体や、その一部としての物流を設計できる会社であることは間違いありません。
 

2. 物流の基礎知識より、重要な要素とは

 自社で自社のサプライチェーンや物流設計を行える会社は良いのですが、それができない会社はお金を払ってでも誰かに依頼して実行しなければなりません。ではそれをどこに頼んだらよいのでしょうか。メーカーが社内で蓄積した知識を基に、物流設計請負を行っていくことが考えられます。
 
 一般的な物流事業者でしょうか。彼らがメーカーの中で経験のある人財を引き抜いて実行するという手もありそうです。意識の高い物流事業者はさかんに人財育成を行っています。まさに物流設計業務ができる人財を育てているのです。このあたりからニーズに応えられる事業者が出てくることを望みたいものです。
 
 メーカーが物流的な知識がないままに物流設計を行っているということについて考えてみましょう。彼らは物流 5機能とは何なのか、という知識すらありません。でも物流で最も重要な企画業務ができているわけです。ということは、今の物流の基礎知識というより、もっと重要な要素があるものと考えられます。それは何なのでしょうか。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
部品メーカーのサプライチェーンにおける機会と脅威

 部品メーカーにとって大きな機会と脅威が共存する時代となったのは、経営環境が今のように過渡期で大きく変わりつつあるからです。グローバル市場とインターネット...

 部品メーカーにとって大きな機会と脅威が共存する時代となったのは、経営環境が今のように過渡期で大きく変わりつつあるからです。グローバル市場とインターネット...


格差が拡がるSCM   SCM最前線(その1)

 サプライチェーンマネジメントのレベルアップは、一朝一夕ではできません。長い時間が掛かります。資金を大量に投入しても、なかなかこの時間を買うことはできませ...

 サプライチェーンマネジメントのレベルアップは、一朝一夕ではできません。長い時間が掛かります。資金を大量に投入しても、なかなかこの時間を買うことはできませ...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その7)

第7回 道具5「物流評価シート」(上) 前回のその6に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.物流評価の目的を理解し...

第7回 道具5「物流評価シート」(上) 前回のその6に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.物流評価の目的を理解し...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流品質を保つための表示 物流環境を整えよう(その3)

       1. 環境整備、物流品質向上  物流環境に重要なものとして「表示」があります。各ロケーションの表示には製品番号や在庫の最大値・最...

       1. 環境整備、物流品質向上  物流環境に重要なものとして「表示」があります。各ロケーションの表示には製品番号や在庫の最大値・最...


在庫マネジャーの育成とは

1. サプライチェーンにおける在庫管理    物流コスト改善アイテムの筆頭に挙げられる在庫改善。どこの会社でも例外なく在庫管理に注力しているようです...

1. サプライチェーンにおける在庫管理    物流コスト改善アイテムの筆頭に挙げられる在庫改善。どこの会社でも例外なく在庫管理に注力しているようです...


効率的なサプライチェーンの実現 パッケージングエンジニアリング(その3)

  ◆ 荷姿は物流技術 ~ パッケージングエンジニアリングは最重要業務  顧客の荷物を日々取り扱っている物流事業者は、顧客のパッケージン...

  ◆ 荷姿は物流技術 ~ パッケージングエンジニアリングは最重要業務  顧客の荷物を日々取り扱っている物流事業者は、顧客のパッケージン...