改善力を高めるには:物流スタッフの効果的育成法(その2)

投稿日

改善力

 

◆ 改善スキルの習得

 物流スタッフに欲しいスキルの一つとして「改善力」があります。「改善は永遠」という言葉もありますが、継続的に取り組むことで会社はますます良くなっていくものです。それを支えるために物流スタッフ自らが改善スキルを身につけなければなりません。これは必須です。今回は、この改善力を高めるための方策について考えていきましょう。

 物流スタッフはやや視野が狭い気がします。運輸の仕事に携わっているとまさに「トラックを動かす」ことだけに目が行きがちです。もちろんその領域でも改善すべき点は多々あります。一方でもう少し視野を広げれば改善できる対象が広がっていきます。

 たとえば在庫の置き方を改善することで積み込み時の荷出し業務を効率化することが可能になります。荷揃えを事前に実施しておくことで積み込み時間が短縮され、トラックの回転率を向上させることができます。

 ポイントは今の仕事の前後まで視野を広げてみることです。そこに必ず改善のヒントが隠れていると言えるでしょう。

 

 もう一つ気にかけるべきことが「理想の姿」を思い描くことです。今の状態が当たり前だという考えになってしまうとなかなか改善アイデアが出てきにくくなります。もしまっさらの状態で新たに仕事をデザインするとしたらどのような形にするのか、理想的な姿を思い描くことは重要です。

 「理想の姿」と「現実」とのギャップが改善ということになります。このギャップを詰めていくことが物流スタッフの役割だということになります。改善力を高めるためにはいろいろなスキルを身につけなければならないことは事実ですが、その前に「行動力」の方が欲しいところです。

 これは何を言っているのかというと「すぐできる改善」は何も特別な知識は必要ではない、ということです。要はやれることは...

改善力

 

◆ 改善スキルの習得

 物流スタッフに欲しいスキルの一つとして「改善力」があります。「改善は永遠」という言葉もありますが、継続的に取り組むことで会社はますます良くなっていくものです。それを支えるために物流スタッフ自らが改善スキルを身につけなければなりません。これは必須です。今回は、この改善力を高めるための方策について考えていきましょう。

 物流スタッフはやや視野が狭い気がします。運輸の仕事に携わっているとまさに「トラックを動かす」ことだけに目が行きがちです。もちろんその領域でも改善すべき点は多々あります。一方でもう少し視野を広げれば改善できる対象が広がっていきます。

 たとえば在庫の置き方を改善することで積み込み時の荷出し業務を効率化することが可能になります。荷揃えを事前に実施しておくことで積み込み時間が短縮され、トラックの回転率を向上させることができます。

 ポイントは今の仕事の前後まで視野を広げてみることです。そこに必ず改善のヒントが隠れていると言えるでしょう。

 

 もう一つ気にかけるべきことが「理想の姿」を思い描くことです。今の状態が当たり前だという考えになってしまうとなかなか改善アイデアが出てきにくくなります。もしまっさらの状態で新たに仕事をデザインするとしたらどのような形にするのか、理想的な姿を思い描くことは重要です。

 「理想の姿」と「現実」とのギャップが改善ということになります。このギャップを詰めていくことが物流スタッフの役割だということになります。改善力を高めるためにはいろいろなスキルを身につけなければならないことは事実ですが、その前に「行動力」の方が欲しいところです。

 これは何を言っているのかというと「すぐできる改善」は何も特別な知識は必要ではない、ということです。要はやれることはやれ、ということです。そうは言っても「改善スキル」として身につけなければならないことはありますので、それも同時に取り組んでいきましょう。

 では最初に改善すべきムダの見つけ方について習得していきましょう。一つの方法は先ほど記した「理想とのギャップ」を明確にすることです。つまりギャップがムダだと捉えることができるのです。

 

 次回に続きます。 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーン構築における計測と配置の重要性

1.連続したモニタリング   車の運転やスポーツをしている時は、常にリアルタイムかつ連続して状況判断・計画・実行が行われています。生産・販売の...

1.連続したモニタリング   車の運転やスポーツをしている時は、常にリアルタイムかつ連続して状況判断・計画・実行が行われています。生産・販売の...


SCM構築の必要性・目的を明確にすることの重要性 SCM最前線 (その3)

1. SCM構築の必要性・目的を明確化する重要性を取り上げる意味     読者の皆様にとって、「SCM構築の必要性・目的を明確化の...

1. SCM構築の必要性・目的を明確化する重要性を取り上げる意味     読者の皆様にとって、「SCM構築の必要性・目的を明確化の...


サプライチェーン視点による産業構造の変革

 インターネットなどの情報技術の普及により、具体的な産業構造の変革として、脱工業化社会や情報化社会などの言い古された言葉が頻出するようになってき...

 インターネットなどの情報技術の普及により、具体的な産業構造の変革として、脱工業化社会や情報化社会などの言い古された言葉が頻出するようになってき...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
自分たちのことだけしか考えない物流

1. 物流はサービス業  物流というとどのような産業に分類されると思いますか。運送業、倉庫業、それとももっと別の産業でしょうか。筆者はズバリ、『物流...

1. 物流はサービス業  物流というとどのような産業に分類されると思いますか。運送業、倉庫業、それとももっと別の産業でしょうか。筆者はズバリ、『物流...


荷姿効率をKPIで評価する エンジニアリングとしての物流(その6)

 製品形状に対する改善要請は、常日頃「製品荷姿」を目にしている人が発信すべきだと思います。その立場にいる人とは、出荷担当者であり物流会社の担当者であるわけ...

 製品形状に対する改善要請は、常日頃「製品荷姿」を目にしている人が発信すべきだと思います。その立場にいる人とは、出荷担当者であり物流会社の担当者であるわけ...


無理の視点でも見てみる 物流品質管理(その3)

  ◆ 無理のない物流作業をデザインせよ  物流監督者が本来業務を行わないために物流品質不良を発生させてしまうことは何としても避けなけれ...

  ◆ 無理のない物流作業をデザインせよ  物流監督者が本来業務を行わないために物流品質不良を発生させてしまうことは何としても避けなけれ...