通信販売と物流 物流業界の地位向上(その2)

更新日

投稿日

SCM

 

◆ 物流サービス水準の評価

 通信販売について大抵のお客さんは満足していると思います。そのカギを握るのが物流であることは言うまでもありません。

 顧客からの注文を受けるとそのオーダーを倉庫に伝え「品出し(ピッキング)」を行います。ピッキングされた商品は、ふさわしい荷姿に包装され出荷場へと運ばれます。それを方面別のトラックに積み込みます。積み込みの際は荷降ろし順序を頭に入れながら実施していきます。これはドライバーが効率よく荷降ろしができるようにするためです。後はドライバーが各顧客を訪問し、商品を手渡していくということになります。

 いかがでしょうか。今お示しした内容はすべて「物流業務」です。つまり通信販売は物流業務の塊(かたまり)なのです。

 これについてお客さんが満足しているということは「物流」に満足していることに他ならないのです。あとは通信販売のサービスが「物流」だということを顧客に認識してもらうことがポイントになると思います。顧客も注文すれば、何となく物が届くと考えているかもしれません。なぜなら通信販売の業務プロセスが物流業務だということを顧客は知らないからです。

 何も先ほど挙げたようなプロセスを細かく説明する必要はありませんが、正確な物流をもって商品をお届けしているという程度の認識を、顧客に持ってもらえるようPRすることは必要だと思います。これは誰が実施するかというと、物流を提供している側です。このケースでは通販事業者ということになります。

 物流の地位向上のためにはより「質の高い物流業務」を行っていかなければならないことは言うまでもありません。そこでまず、物流品質の実態について振り返ってみる必要がありそうです。先ほどの例では高品質であることは誰もが認めるところでしょうから、こういったケースは問題ありませ...

SCM

 

◆ 物流サービス水準の評価

 通信販売について大抵のお客さんは満足していると思います。そのカギを握るのが物流であることは言うまでもありません。

 顧客からの注文を受けるとそのオーダーを倉庫に伝え「品出し(ピッキング)」を行います。ピッキングされた商品は、ふさわしい荷姿に包装され出荷場へと運ばれます。それを方面別のトラックに積み込みます。積み込みの際は荷降ろし順序を頭に入れながら実施していきます。これはドライバーが効率よく荷降ろしができるようにするためです。後はドライバーが各顧客を訪問し、商品を手渡していくということになります。

 いかがでしょうか。今お示しした内容はすべて「物流業務」です。つまり通信販売は物流業務の塊(かたまり)なのです。

 これについてお客さんが満足しているということは「物流」に満足していることに他ならないのです。あとは通信販売のサービスが「物流」だということを顧客に認識してもらうことがポイントになると思います。顧客も注文すれば、何となく物が届くと考えているかもしれません。なぜなら通信販売の業務プロセスが物流業務だということを顧客は知らないからです。

 何も先ほど挙げたようなプロセスを細かく説明する必要はありませんが、正確な物流をもって商品をお届けしているという程度の認識を、顧客に持ってもらえるようPRすることは必要だと思います。これは誰が実施するかというと、物流を提供している側です。このケースでは通販事業者ということになります。

 物流の地位向上のためにはより「質の高い物流業務」を行っていかなければならないことは言うまでもありません。そこでまず、物流品質の実態について振り返ってみる必要がありそうです。先ほどの例では高品質であることは誰もが認めるところでしょうから、こういったケースは問題ありません。それ以外について自社が提供している物流サービスの水準がどうなのか、一度自己採点してみる必要がありそうです。

 私たちは物流に携わっている側ですからどうしても自分たちを認めてほしい、もっと評価してほしいと考えがちです。でもそれに値する仕事ができているかどうかは冷静に考えてみる必要がありそうです。

 

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
フールプルーフを導入しよう 物流品質の向上 (その6)

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...


流れの速さでみる在庫時間とリードタイム

1.生産・出荷スピードと資材・製品在庫  ある電子機械メーカーでは、多品種の生産を機械部品加工、電子部品組み付け、組立て検査と別工場で行っています。検査...

1.生産・出荷スピードと資材・製品在庫  ある電子機械メーカーでは、多品種の生産を機械部品加工、電子部品組み付け、組立て検査と別工場で行っています。検査...


精度確保のキー『ブルウィップの克服』 SCM最前線 (その9)

   前回のその8に続いて解説します。   3. ブルウィップ克服の方向性    それでは、ブルウィップを克服する...

   前回のその8に続いて解説します。   3. ブルウィップ克服の方向性    それでは、ブルウィップを克服する...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流工程設計の基本

1. 物流工程設計の必要性  物流は最初が肝心です。オペレーションが始まる前にどこまで詳細な設計を行ったか、それ次第でオペレーションが始まった後の効...

1. 物流工程設計の必要性  物流は最初が肝心です。オペレーションが始まる前にどこまで詳細な設計を行ったか、それ次第でオペレーションが始まった後の効...


提案に至るまでのハードル 荷主のハートに刺さる提案とは (その2)

  ◆ 荷主との会話と現場診断  荷主を訪問した時に荷主の物流現場を見せてもらいましょう。この場合の「見る」は「診る」という標記の方がふ...

  ◆ 荷主との会話と現場診断  荷主を訪問した時に荷主の物流現場を見せてもらいましょう。この場合の「見る」は「診る」という標記の方がふ...


物流作業の標準化 物流現場改善の成功のポイント(その2)

        物流現場の改善ノウハウ習得の前に必ず取り組んでいただきたいことがあります。それが「物流作業の標準化」です。残念ながらほとんどの物流現...

        物流現場の改善ノウハウ習得の前に必ず取り組んでいただきたいことがあります。それが「物流作業の標準化」です。残念ながらほとんどの物流現...