荷主が支払うべき対価 荷主としての心得(その2)

投稿日

SCM

 

◆ トラックを待たせることで発生するコスト

 今回は、トラックを待たせることはコストとなり、荷主が支払うべき対価であるという事例を解説致します。

 皆さんはどこかに出掛ける時、タクシーを呼ぶことがあると思います。何時に来てほしいとタクシー会社に予約を入れれば、指定時刻のちょっと前に家の前までタクシーが来てくれます。予約したタクシーが予定時刻になっても来ないということはまずありません。ですから私たちは安心してタクシーを予約することができるのです。また旅行に行く際、鉄道や飛行機を利用しますが、これもダイヤが決まっていますので、その時刻に合わせて乗りに行けばよいのです。

 では会社がトラックを配車した時の状況はいかがでしょうか。指定時刻に来てもらい、荷を積んで出発するという流れになっているでしょうか・・・。

 よくこの話を荷主会社の人とすると「いや~なかなか時刻通りの出発ができていないんですよ」、「生産工程からなかなかものが出てこないので、トラックに待ってもらっているんですよ」という声が聞こえてくるのです。

 これに対して「ではトラックの待機料はいくら払っているのですか」と質問すると、ほとんどの会社が待機料は支払っていないという回答が返ってきます。鉄道や飛行機は私たちを待ってくれたりしません。タクシーだって待たせることは稀(まれ)でしょう。しかし「トラックだけ待たせる」といった状況が常態化しています。これはなぜでしょうか…。

 

 世の中「買う立場」と「売る立場」では当然「強さの違い」があります。もちろん買う立場の方が強くて当然であり、全く対等の立場ということではないと思います。しかし、ものを買う場合にはそれ相応の「単価」があります。トラック輸送についてもコストの大きな部分を人件費が占めていますので「...

SCM

 

◆ トラックを待たせることで発生するコスト

 今回は、トラックを待たせることはコストとなり、荷主が支払うべき対価であるという事例を解説致します。

 皆さんはどこかに出掛ける時、タクシーを呼ぶことがあると思います。何時に来てほしいとタクシー会社に予約を入れれば、指定時刻のちょっと前に家の前までタクシーが来てくれます。予約したタクシーが予定時刻になっても来ないということはまずありません。ですから私たちは安心してタクシーを予約することができるのです。また旅行に行く際、鉄道や飛行機を利用しますが、これもダイヤが決まっていますので、その時刻に合わせて乗りに行けばよいのです。

 では会社がトラックを配車した時の状況はいかがでしょうか。指定時刻に来てもらい、荷を積んで出発するという流れになっているでしょうか・・・。

 よくこの話を荷主会社の人とすると「いや~なかなか時刻通りの出発ができていないんですよ」、「生産工程からなかなかものが出てこないので、トラックに待ってもらっているんですよ」という声が聞こえてくるのです。

 これに対して「ではトラックの待機料はいくら払っているのですか」と質問すると、ほとんどの会社が待機料は支払っていないという回答が返ってきます。鉄道や飛行機は私たちを待ってくれたりしません。タクシーだって待たせることは稀(まれ)でしょう。しかし「トラックだけ待たせる」といった状況が常態化しています。これはなぜでしょうか…。

 

 世の中「買う立場」と「売る立場」では当然「強さの違い」があります。もちろん買う立場の方が強くて当然であり、全く対等の立場ということではないと思います。しかし、ものを買う場合にはそれ相応の「単価」があります。トラック輸送についてもコストの大きな部分を人件費が占めていますので「待ち時間」はそのまま人件費に跳ね返り、全体のコストを上げることにつながるのです。

 この点について荷主は十分に心得ておかなければなりません。そして物流会社も待機料については、きちんと対価を荷主に提示すべきなのです。トラックを待たせることで発生するコストは、荷主が支払うべき対価であるという認識をもっと広めていくべきではないかと思います。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
収益を決定するサプライチェーンの関係性

1.サプライチェーンの同期化と能力  個々の業務スピードが高くても、そのスピード自体がバラバラだと在庫が溜まるため、機会損失が発生します。そういった機会...

1.サプライチェーンの同期化と能力  個々の業務スピードが高くても、そのスピード自体がバラバラだと在庫が溜まるため、機会損失が発生します。そういった機会...


サプライチェーンマネジメントにおけるベンチマーキング

 ベンチマーキングは、米国において1980年代に日本の製造業を研究するプロセスのなかでモデル化された手法です。  日本の多くの会社は自社と同じ成功事例に...

 ベンチマーキングは、米国において1980年代に日本の製造業を研究するプロセスのなかでモデル化された手法です。  日本の多くの会社は自社と同じ成功事例に...


調達物流 儲ける輸送改善 (その5)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流のイメージ:物流に関心を寄せる(その2)

    ◆官との連携で目指すべきものとは 物流に対する関心度を高め、物流をよりよくしていくことは私たち物流に携わる者が動かな...

    ◆官との連携で目指すべきものとは 物流に対する関心度を高め、物流をよりよくしていくことは私たち物流に携わる者が動かな...


物流会社の育成 荷主としての心得 (その3)

   物流業務をアウトソースする立場を荷主と呼びます。ちょっと古臭い表現ですが、物流業界ではこの言葉が一般的となっていますので、荷主という...

   物流業務をアウトソースする立場を荷主と呼びます。ちょっと古臭い表現ですが、物流業界ではこの言葉が一般的となっていますので、荷主という...


情報発信で物流改善を進めよう 物流側からの情報発信の重要性(その5)

 物流は往々にして何らかの行動の結果として生まれる現象ととらえることができます。前回の事例のように各部門が部分最適を求めて勝手に動くとその傾向が強まります...

 物流は往々にして何らかの行動の結果として生まれる現象ととらえることができます。前回の事例のように各部門が部分最適を求めて勝手に動くとその傾向が強まります...