荷主と物流会社の緊密な連携 荷主としての心得(その1)

更新日

投稿日

SCM

 

 物流はサプライチェーンの一部であることは今まで何度も申し上げてきたことです。私たちはこのサプライチェーン全体を効率化しなければならないという職務を負っているわけです。

 サプライチェーンは全体がよどみなく、清々と流れるようにすることが求められますので、どこかでボトルネックが発生するとたちまち効率が低下してしまいます。

 物流業務をアウトソースする立場を荷主と呼びます。ちょっと古臭い表現ですが、物流業界ではこの言葉が一般的となっていますので、荷主という表現で今回は解説を続けます。

 

◆ 物流発注内示を渡そう

  物流を効率的に実行していくためには、実際にそれを行う物流会社だけでなく、物流を発注する荷主も気を付けなければならないことが沢山あります。荷主と物流会社の緊密な連携が取れて初めて効率的物流が実現するのです。

 サプライチェーンの最大の狙いはリードタイム短縮だといえるのではないでしょうか。そのために、サプライチェーンの構成要員がそれぞれリードタイム短縮活動を推進する必要があります。この中に物流リードタイムというものも含まれています。物流リードタイムとは発注してからものが相手先に届くまでの時間を指します。

 この時間が短ければ短いほど「良い」とされます。荷主は発注すればすぐにトラックが到着し、荷物をさっと積み込んで相手先に運んでほしいと考えます。確かにこのような姿が理想であると考えられます。

 しかし、この仕事を請け負う物流会社はトラックを確保して配車する必要があります。なぜならば、請け負った荷物を全て自社保有のトラックで運ぶとは限らないからです。もし荷...

SCM

 

 物流はサプライチェーンの一部であることは今まで何度も申し上げてきたことです。私たちはこのサプライチェーン全体を効率化しなければならないという職務を負っているわけです。

 サプライチェーンは全体がよどみなく、清々と流れるようにすることが求められますので、どこかでボトルネックが発生するとたちまち効率が低下してしまいます。

 物流業務をアウトソースする立場を荷主と呼びます。ちょっと古臭い表現ですが、物流業界ではこの言葉が一般的となっていますので、荷主という表現で今回は解説を続けます。

 

◆ 物流発注内示を渡そう

  物流を効率的に実行していくためには、実際にそれを行う物流会社だけでなく、物流を発注する荷主も気を付けなければならないことが沢山あります。荷主と物流会社の緊密な連携が取れて初めて効率的物流が実現するのです。

 サプライチェーンの最大の狙いはリードタイム短縮だといえるのではないでしょうか。そのために、サプライチェーンの構成要員がそれぞれリードタイム短縮活動を推進する必要があります。この中に物流リードタイムというものも含まれています。物流リードタイムとは発注してからものが相手先に届くまでの時間を指します。

 この時間が短ければ短いほど「良い」とされます。荷主は発注すればすぐにトラックが到着し、荷物をさっと積み込んで相手先に運んでほしいと考えます。確かにこのような姿が理想であると考えられます。

 しかし、この仕事を請け負う物流会社はトラックを確保して配車する必要があります。なぜならば、請け負った荷物を全て自社保有のトラックで運ぶとは限らないからです。もし荷主が定期的にトラック輸送を発注しているのであれば、先々どれくらいの荷物があるのかを物流会社に「内示」として渡しておけば物流会社の配車繰りにも貢献します。

 今日発注して今日中の配車はなかなか厳しいものがあるのです。確定でなくてもよいので、荷主として内示情報を物流会社に渡すことについて、心掛けておく必要がありそうです。

 次回に続きます

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントの最終目標とは

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...


クロスドッキングとは

1. クロスドッキングの趣旨    物流センターにはDC(もしくはSC)、TC(もしくはDP)という呼び名があります。DCやSCは在庫がある...

1. クロスドッキングの趣旨    物流センターにはDC(もしくはSC)、TC(もしくはDP)という呼び名があります。DCやSCは在庫がある...


SCM効率を評価するKPIの新提案 SCM最前線 (その14)

 前回のその13に続いて解説します。   1. SCMの改善・改革    前回までの連載では、現在SCMには効率を適切に評価す...

 前回のその13に続いて解説します。   1. SCMの改善・改革    前回までの連載では、現在SCMには効率を適切に評価す...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
3現主義に基づいた活動とは、物流は3現主義で

  1. 物流現場に出かけよう 物流現場の問題は物流現場で改善していくことは当たり前のことだと思います。物流現場で発生している問題を事務...

  1. 物流現場に出かけよう 物流現場の問題は物流現場で改善していくことは当たり前のことだと思います。物流現場で発生している問題を事務...


サプライチェーンとしての物流設計 真の物流事業者(その1)

        日本では古くからトラックなどを使って運送を行う事業者を運送事業者、倉庫で保管業務を行う事業者を倉庫事業者と呼んできました。モノの流れ...

        日本では古くからトラックなどを使って運送を行う事業者を運送事業者、倉庫で保管業務を行う事業者を倉庫事業者と呼んできました。モノの流れ...


日々の収支確認:物流収支を知る(その2)

  ◆物流現場の日々収支 物流事業者であれば、売上高は輸送の売り上げ、倉庫での作業費としての売り上げなどが考えられます。これらは現場として、日々の...

  ◆物流現場の日々収支 物流事業者であれば、売上高は輸送の売り上げ、倉庫での作業費としての売り上げなどが考えられます。これらは現場として、日々の...