ボリュームを集める 物流コスト改善に効く共同物流(その2)

更新日

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 社内物流情報の共有化

 同一地域向けにA部署からトラック0.5台分、B部署から同じくトラック0.5台分の出荷量があり、それぞれ1台ずつトラックを配車しているなんて話はざらにあります。社内の複数部署で物流を実施しているのであれば、せめて物流情報だけは共有化しておきましょう。「いつどこ向けにどれくらいの物量を出荷する」といった日々の物流情報を共有化することで物流コスト改善につながる可能性があるからです。

 できればトラックの配車は一カ所でやることをお勧めします。仮にその部署を社内配車センターと呼ぶとしましょう。各部署は出荷の2~3日前に配車センターに出荷荷量を提示します。配車センターの担当者は行先と到着時刻を考慮して配車組みを行うのです。

 リードタイム的に問題が無いのであれば、到着日時を調整することもありでしょう。この配車センターにトラック配車権限を与え、各部署の個別配車を禁止します。ここまでやればかなりの配車ロスが低減されると思います。トラック積載率を向上させることで物流コスト低減につながるのです。

 以上のようにまずは社内共同物流を実施することでボリュームを確保し、低コスト物流を実現することができるようになります。

 では、次のステップをどのように考えていったら良いでしょうか。もう一度言いますが、物流コストを下げるには「ボリュームを集める」ことが有効なのです。もうお気づきとは思いますが、他社との共同物流でボリュームを拡大することが次にやるべきことなのです。

 仮にその他社がライバル会社であっても同様です。製品では競争しても、物流では協調する、これを考えていくことが企業経営上極めて合理的だと考えられます。工...

サプライチェーンマネジメント

◆ 社内物流情報の共有化

 同一地域向けにA部署からトラック0.5台分、B部署から同じくトラック0.5台分の出荷量があり、それぞれ1台ずつトラックを配車しているなんて話はざらにあります。社内の複数部署で物流を実施しているのであれば、せめて物流情報だけは共有化しておきましょう。「いつどこ向けにどれくらいの物量を出荷する」といった日々の物流情報を共有化することで物流コスト改善につながる可能性があるからです。

 できればトラックの配車は一カ所でやることをお勧めします。仮にその部署を社内配車センターと呼ぶとしましょう。各部署は出荷の2~3日前に配車センターに出荷荷量を提示します。配車センターの担当者は行先と到着時刻を考慮して配車組みを行うのです。

 リードタイム的に問題が無いのであれば、到着日時を調整することもありでしょう。この配車センターにトラック配車権限を与え、各部署の個別配車を禁止します。ここまでやればかなりの配車ロスが低減されると思います。トラック積載率を向上させることで物流コスト低減につながるのです。

 以上のようにまずは社内共同物流を実施することでボリュームを確保し、低コスト物流を実現することができるようになります。

 では、次のステップをどのように考えていったら良いでしょうか。もう一度言いますが、物流コストを下げるには「ボリュームを集める」ことが有効なのです。もうお気づきとは思いますが、他社との共同物流でボリュームを拡大することが次にやるべきことなのです。

 仮にその他社がライバル会社であっても同様です。製品では競争しても、物流では協調する、これを考えていくことが企業経営上極めて合理的だと考えられます。工業団地の中に同じ得意先に向けて荷を出荷している会社がある場合がありますが、この場合は尚更です。

 しかし、この世の中で本当にうまく実行できている共同物流は少ないということも事実です。こんなに旨みのある共同物流をなぜ実施できないのでしょうか。実はいくつかの理由があるのです。これをクリアしないと物流コスト改善につながる共同物流が成功しないわけです。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


関連する他の活用事例

もっと見る
見える化でタイムマネジメント 本当の見える化で効率向上(その3)

◆ 物流業務の計画と実績の掲示は必須  仕事が多ければ必死に体を動かし、少なければゆったりとしたスピードで仕事をこなす。いかがでしょうか。多くの物流...

◆ 物流業務の計画と実績の掲示は必須  仕事が多ければ必死に体を動かし、少なければゆったりとしたスピードで仕事をこなす。いかがでしょうか。多くの物流...


求められているマネジメント機能 物流における作業・工程改善(その1)

◆ 物流5機能プラスワンと工程改善  今回のテーマですが、物流の業務において作業改善として何を取り組んだらよいのか、物流における工程改善とは何なのか...

◆ 物流5機能プラスワンと工程改善  今回のテーマですが、物流の業務において作業改善として何を取り組んだらよいのか、物流における工程改善とは何なのか...


出荷場の環境整備 出荷物流を改善しよう(その3)

        多くの会社が物流に目を向けてこなかったせいで出荷場の環境整備が遅れています。メーカーであれば生産優先ですから、生産工程の環境整備はば...

        多くの会社が物流に目を向けてこなかったせいで出荷場の環境整備が遅れています。メーカーであれば生産優先ですから、生産工程の環境整備はば...