「今が最低だと思え」という教え 固定観念を捨てて取り組む重要性(その2)

投稿日

 SCM

 今回は、物流を物流という単なる点ではなく、サプライチェーンという線で見ていくことについてです。

 その1に続いて、例を挙げてみます。その物流部長さんの物流会社の活用方法は4PLを活用したいという発想でした。もちろん彼は4PLという言葉すら知りません。しかし、会社の物流マネジメント機能を外注化し、そこに実物流オペレーション会社もマネジメントさせようという考え方だったのです。

 本来の効率的な物流を実施しようとすれば、こういった外部の知恵を借りて行っていくという考え方に行きつくことも十分理解できます。

 素直に考えればこのような発想になると思います。しかし大半の会社でそこまで発想が及ばず、とりあえず輸送改善だとか、物流支払費削減だとか言った、ミクロの領域にとらわれがちだと思います。

 つまり、ここでも今までの蓄積である固定観念が悪さをしていると考えられるのです。

 改善を行っていく際に「今が最低だと思え」という教えがあります。この背景には改善は永遠であり、現状に満足するな、という思いが込められているのです。

 以前にも書かせていただきましたが、人は今いる位置がベストであり、そこから離れることに抵抗感を抱くものです。その組織に入ってしばらくたつと慣れが出てきます。しかし世の中は常に変化していますから、自分たちがじっとしている間に周りが変化して...

 SCM

 今回は、物流を物流という単なる点ではなく、サプライチェーンという線で見ていくことについてです。

 その1に続いて、例を挙げてみます。その物流部長さんの物流会社の活用方法は4PLを活用したいという発想でした。もちろん彼は4PLという言葉すら知りません。しかし、会社の物流マネジメント機能を外注化し、そこに実物流オペレーション会社もマネジメントさせようという考え方だったのです。

 本来の効率的な物流を実施しようとすれば、こういった外部の知恵を借りて行っていくという考え方に行きつくことも十分理解できます。

 素直に考えればこのような発想になると思います。しかし大半の会社でそこまで発想が及ばず、とりあえず輸送改善だとか、物流支払費削減だとか言った、ミクロの領域にとらわれがちだと思います。

 つまり、ここでも今までの蓄積である固定観念が悪さをしていると考えられるのです。

 改善を行っていく際に「今が最低だと思え」という教えがあります。この背景には改善は永遠であり、現状に満足するな、という思いが込められているのです。

 以前にも書かせていただきましたが、人は今いる位置がベストであり、そこから離れることに抵抗感を抱くものです。その組織に入ってしばらくたつと慣れが出てきます。しかし世の中は常に変化していますから、自分たちがじっとしている間に周りが変化してしまうのです。

 私たちはこの慣れの世界からは距離を置く必要があります。例の物流部長さんはその会社のよい所は是認しながらも物流については改革していこうという姿勢があり、非常に好感が持てました。

 会社もそういった別の視点にも謙虚に耳を傾け、常に進化をしていくことが求められるのです。次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
物流管理編 物流改善ネタ出し講座 (その11)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


物流品質について考えよう 物流品質の向上 (その1)

1.工場における物流品質とは  工場の生産運営を物流が支えていることを考えれば、物流品質は常に高いレベルにあることが求められるのは当然と言えるでしょ...

1.工場における物流品質とは  工場の生産運営を物流が支えていることを考えれば、物流品質は常に高いレベルにあることが求められるのは当然と言えるでしょ...


サプライチェーンマネジメントと企業収益との関連性

 サプライチェーンマネジメントにおける大きな課題は、オペレーションの連携です。必要なものを・必要な時に・必要な量だけ・必要なところへ供給するのがジャストイ...

 サプライチェーンマネジメントにおける大きな課題は、オペレーションの連携です。必要なものを・必要な時に・必要な量だけ・必要なところへ供給するのがジャストイ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
過剰荷姿とは:荷姿改善の重要性(その1)

  ◆品質を考慮した荷姿 すべての物流機能を果たすために荷姿は必要で、それは保管のため、運搬のため、輸送のためということになります。しか...

  ◆品質を考慮した荷姿 すべての物流機能を果たすために荷姿は必要で、それは保管のため、運搬のため、輸送のためということになります。しか...


メーカー物流の勘所 (その2)

 前回のその1に続いて解説します。   3. 容器モジュールの統一  サプライヤーごとに容器モジュールが異なることがありますので、これを統一しな...

 前回のその1に続いて解説します。   3. 容器モジュールの統一  サプライヤーごとに容器モジュールが異なることがありますので、これを統一しな...


コンプライアンス意識を持とう:ルールの確立と徹底した教育

  ◆ 社員教育を実施する  ルールはそれがあってはじめて、遵守するという行動につながります。  皆さんの会社では社内ルールはきちんと...

  ◆ 社員教育を実施する  ルールはそれがあってはじめて、遵守するという行動につながります。  皆さんの会社では社内ルールはきちんと...