新規事業テーマ活動における人的リソースの考え方、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その103)

投稿日


新規事業テーマ活動における人的リソースの考え方、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その103)

【この連載の前回、新規事業×しんどいを乗り越える鉄則:マネージメント層、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その102)へのリンク】

 

◆ 新規事業テーマ活動における人的リソースの考え方 

日々、新規事業テーマの創出の支援をしていると、こんな話があがります。

 

新規事業はもちろん取り組む必要があるけれど、人をかけることができません。

 

当然ながら現在の利益の源である既存事業は最優先で取り組みたい業務であり、否定しません。目標とする事業売上を達成するべく活動に邁進する現場においては、当然ともいえる判断です。しかしながら経営層が同じ考え方では、どのような結果におちいるでしょうか。

 

経営層が直近の利益ばかりを追求する傾向の場合、現場も同じ意識で業務を行うことになりますので、最悪、製品ライフサイクルの終焉とともに事業が縮小してしまう可能性が高ま...


新規事業テーマ活動における人的リソースの考え方、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その103)

【この連載の前回、新規事業×しんどいを乗り越える鉄則:マネージメント層、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その102)へのリンク】

 

◆ 新規事業テーマ活動における人的リソースの考え方 

日々、新規事業テーマの創出の支援をしていると、こんな話があがります。

 

新規事業はもちろん取り組む必要があるけれど、人をかけることができません。

 

当然ながら現在の利益の源である既存事業は最優先で取り組みたい業務であり、否定しません。目標とする事業売上を達成するべく活動に邁進する現場においては、当然ともいえる判断です。しかしながら経営層が同じ考え方では、どのような結果におちいるでしょうか。

 

経営層が直近の利益ばかりを追求する傾向の場合、現場も同じ意識で業務を行うことになりますので、最悪、製品ライフサイクルの終焉とともに事業が縮小してしまう可能性が高まります。ここまで悪くなくとも、新規事業テーマがいつまで経っても立ち上がらなかったり、競合他社の二番煎じに甘んじてしまう可能性が高いでしょう。

 

新規事業テーマがなかなか出ないという課題を抱えている経営層に話を聞いてみると、KPIに新規事業テーマ創出を含めているものの、人的リソースは多くても20%、場合によっては0%(自主性)に頼っていることがあります。次に現場の担当者に話を聞くと、本気で経営層が求めているとは思えない、何かいい事業テーマのアイディアがあれば提案すればよいと解釈していることが多いようです。

 

厳しい言い方になりますが、これでは新規事業テーマが立ち上げる可能性はゼロに近いでしょう。理由を説明するまでもなく、当事者の誰もが本気ではないからです。

 

世の中でPRされる新規事業立ち上げ成功事例の中には「社員の自主性に任せ、経営層は叱咤激励と応援をしたことが効果を生んだ」、「3Mのように30%ルールを適用することで自発的なテーマ創出に成功した」といった話があがりますが、これは新規事業に対する企業風土があり、社内に先行事例があるような経験豊富な企業がほとんどです。

 

これから新規事業テーマにチャレンジするにあたり、企業風土の構築や人材育成が必要であるならば、まずは人的リソースを明示的に投入することが不可欠です。具体的には、新規事業テーマを専任する担当者のアサインです。

 

専任者をアサインする理由は、経営層の本気度(覚悟)とアサインされた現場担当者の責務(使命)がコミットできるからです。これにより、いずれの立場であっても、新規事業に当事者として関わることになります。

 

初期の新規事業テーマのアイディア出しから専任者を配し、管理職をはじめとする経営層は、既存事業以上に担当者とタッグを組み、成功する道を探索することこそが、新規事業をこれから本格的に取り組みたいと考える企業にとって必要な人的リソース方針です。

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
『価値づくり』の研究開発マネジメント (その3)

     前回は、「自社の市場と技術を目いっぱい広げ活動する」というタイトルで、解説しました。今回は、その中で、「市場」につい...

     前回は、「自社の市場と技術を目いっぱい広げ活動する」というタイトルで、解説しました。今回は、その中で、「市場」につい...


発展段階「期」について 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その63)

   今回も、「思い付く」ための「知識・経験を整理するフレームワーク」の解説です。今回は、発展段階(「期」)ついて解説します。 ◆関連解...

   今回も、「思い付く」ための「知識・経験を整理するフレームワーク」の解説です。今回は、発展段階(「期」)ついて解説します。 ◆関連解...


PESTEL分析 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その37)

        前回から市場の知識を得る方法として、マクロ環境分析のPESTEL分析を解説しています。今回も...

        前回から市場の知識を得る方法として、マクロ環境分析のPESTEL分析を解説しています。今回も...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
設計部門とリスク管理(その1)

【設計部門とリスク管理 連載目次】 1. リスク管理とは目標達成までのシナリオ作成 2. コンティンジェンシープランの注意事項 3. リスク管理...

【設計部門とリスク管理 連載目次】 1. リスク管理とは目標達成までのシナリオ作成 2. コンティンジェンシープランの注意事項 3. リスク管理...


擦り合わせ型と組み合わせ型、目指すべき開発体制とは(その2)

【目指すべき開発体制 連載目次】 目指すべき開発体制とは(その1)擦り合わせ型と組み合わせ型 目指すべき開発体制とは(その2)日本企業文化を引きず...

【目指すべき開発体制 連載目次】 目指すべき開発体制とは(その1)擦り合わせ型と組み合わせ型 目指すべき開発体制とは(その2)日本企業文化を引きず...


グループシンクとチームダイナミクスの境界線

1. イノベーション戦略    私は、ものづくり企業のR&Dにおける技術力・価値創造力を向上するための取り組みを「イノベーション戦略...

1. イノベーション戦略    私は、ものづくり企業のR&Dにおける技術力・価値創造力を向上するための取り組みを「イノベーション戦略...