1. QC工程表(QC工程図)とは
QC工程表(QC工程図)とは、ある製品が生産工程を通して出荷されるまでの各段階で、保証されるべき特性ごとに検査、確認の方法、基準を記載した図のことを言います。 これによってすべての必要項目が、どこでどのように品質保証がされているかを一覧することが可能になります。
本来は製品を設計した時に決まっているべきではありますが、作り始めてから分かったり、より良い検査方法が見つかったりします。 その都度、QC工程図を改訂して現状に合わせておく事が重要です。QC工程表に情報を記入する時はJIS規格で定義された記号を使います。
◆ 作業標準書との違い
QC工程表は品質管理の観点から品質を確保するための図表であり、作業標準書は作業の手順や方法を示す文書という違いがあります。整理するとその違いは次の通りです。
① QC工程表(QC工程図)
QC工程表は、品質管理の観点から製品やプロセスの品質を確認するための図表です。
製品やプロセスの各工程における品質管理のポイントや検査項目、検査方法などが示されています。
QC工程表は、品質管理の視点から品質を確保するための手順や方法を示すものです。
② 作業標準書
作業標準書は、作業手順や方法、作業者の責任範囲などが記載された文書です。
作業標準書は、作業の効率性や品質を確保するための手順や方法を示すものです。
作業標準書は、作業者が作業を適切に行うためのガイドラインとして使用されます。
2. QC工程表を作成する理由
QC工程表を作成する理由を次に整理します。
(1)全体の品質管理プロセスを効率的に管理
QC工程表を作成することで、製品やサービスの品質向上に向けた目標設定や品質管理の方針を明確にし、全体の品質管理プロセスを効率的に管理することができる。
(2)各工程での品質管理の進捗や問題点を可視化
製品やサービスの品質管理を効果的に行うために、QC工程表を作成することで各工程での品質管理の進捗や問題点を可視化し、改善点を特定することができる。
3. QC工程表に記載する項目
QC工程表に記載される一般的な項目は、次のようになります。
- ①検査項目:製品や部品に対して行われる検査の内容を記載します。
- ②検査方法:各検査項目に対して使用される具体的な検査方法や手法を示します。
- ③検査基準:合格や不合格を判断するための基準や基準値を定義します。
- ④検査担当者:各検査項目を担当する人や部署を指定します。
- ⑤検査頻度:検査が行われる頻度やタイミングを示します。
- ⑥検査結果:各検査項目の結果を記録し、合格か不合格かを示します。
- ⑦対処方法:不合格と判定された場合の対処方法や修正手順を記載します。
- ⑧検査日時:各検査が行われた日時を記録します。
これらの項目をQC工程表に記載することで、製品や部品の品質管理を効果的に行うことができます。
4. QC工程表の作成手順
QC工程表の作成手順は、次のようになります。
- ①QC工程表の目的や範囲を明確に定義する。
- ②QC工程表に含める品質管理のプロセスや手順を洗い出す。
- ③各プロセスや手順における品質基準や検査項目を明確に記載する。
- ④QC工程表のフォーマットを決定し、必要な情報を整理して配置する。
- ⑤関係者やチームメンバーと共有し、フィードバックを受け取り修正を加える。
- ⑥最終的なQC工程表を作成し、適切な管理体制を整える。
【工程記号】
『 工程記号 』は下図のように、JIS規格の中でも決められており、この記号を使用することで、お客様にQC工程表(QC工程図)を提出した場合、フローチャートとして内容が理解されます。
図4.工程記号
QC工程表(QC工程図)の作成と活用方法を、ものづくりドットコム 登録専門家の門眞 博行氏が詳しく紹介している貴重な解説記事です。
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