相手の理解度を下げないやさしい伝え方とは

更新日

投稿日

人的資源マネジメント

 

【この連載の前回:あなたの「 やる気スイッチ 」はソコにある!へのリンク】

 

ある方から、「WEB研修に参加する機会が増えたのですが、どうしても理解度が低くなったような気がして・・・・・」というお悩みを頂きました。

 

さらに詳細に研修内容を聞いてみると、画面とイヤホンを通じて講師がずっと話しっぱなしだった、というのです。あなたも、相手から一方的に話されていると、頭が混乱して「理解しにくいな~」と感じたことがありませんか?「 ガミガミ 」言われ続けると、理解度が低くなるのです。今回は、チョットした気づかいでできる、相手の理解度を下げないやさしい伝え方のおはなしです。

 

1.「 ガミガミ 」からの脱却! 伝える・教える時のカンタンな気づかい。

私たちが文書を読む場合、文字を視覚的に捉えながら脳内でそれを『音』に変えています。これを「脳内言語」といいます。

 

あなたも文書を目で追いかけながら、頭の中で「ブツブツ・ブツブツ」と文字の視覚情報を言葉に変えて文書を理解していると思います。言い換えると頭の中で『音声』を再現している状態を続け、その『音声』を聴きながら、あなたは文書を理解しているのです。このとき、脳は多くのエネルギーを使って処理します。

 

もしも、脳内言語を使って文書を理解している時、周囲から何だかんだと声をかけられたとしましょう。すると、あなたの脳は、脳内言語で文書を理解するために必要なエネルギーの一部を「 何だかんだ 」を聴くために配分しなければならなくなります。

 

この時起きる意識が、集中力の散漫です。

 

使えるエネルギーを100%文書の理解に使えると、読解への集中力が高まりますが、エネルギーの配分は、ほかのコトに割り当てられるようになると集中力が下がるのです。脳内で利用できるエネルギーは、一定です。これを配分しながら、私たちはモノゴトを理解したり、行動ををしています。

 

もしもあなたが、人に何かを教えたりするとき、相手が集中して理解できるよう「ガミガミ」のような、余計なエネルギーを使わせないようにすることも大切です。

 

2.時には本人にじっくり考える時間を与えるコトも、大切なのです。

実験では、特に複雑難解な文書を読むときには、講師が読んで学習者に聞かせるより、学習者自身に、一人で読ませた方が理解度が上がるという結果もあるそうです。これは、脳内言語を形成するエネルギーを「聞く」という行動に配分をすることで、読解の集中力が下がるからです。

 

これは、仕事で部下や後輩に注意を促す時にも同じことが言えます。

 

何か注意されるとき「 ガミガミ 」と言われ続けることによって、話を聞くことにエネルギーが集中的に配分され、気付きを得たり反省をする思考にエ...

人的資源マネジメント

 

【この連載の前回:あなたの「 やる気スイッチ 」はソコにある!へのリンク】

 

ある方から、「WEB研修に参加する機会が増えたのですが、どうしても理解度が低くなったような気がして・・・・・」というお悩みを頂きました。

 

さらに詳細に研修内容を聞いてみると、画面とイヤホンを通じて講師がずっと話しっぱなしだった、というのです。あなたも、相手から一方的に話されていると、頭が混乱して「理解しにくいな~」と感じたことがありませんか?「 ガミガミ 」言われ続けると、理解度が低くなるのです。今回は、チョットした気づかいでできる、相手の理解度を下げないやさしい伝え方のおはなしです。

 

1.「 ガミガミ 」からの脱却! 伝える・教える時のカンタンな気づかい。

私たちが文書を読む場合、文字を視覚的に捉えながら脳内でそれを『音』に変えています。これを「脳内言語」といいます。

 

あなたも文書を目で追いかけながら、頭の中で「ブツブツ・ブツブツ」と文字の視覚情報を言葉に変えて文書を理解していると思います。言い換えると頭の中で『音声』を再現している状態を続け、その『音声』を聴きながら、あなたは文書を理解しているのです。このとき、脳は多くのエネルギーを使って処理します。

 

もしも、脳内言語を使って文書を理解している時、周囲から何だかんだと声をかけられたとしましょう。すると、あなたの脳は、脳内言語で文書を理解するために必要なエネルギーの一部を「 何だかんだ 」を聴くために配分しなければならなくなります。

 

この時起きる意識が、集中力の散漫です。

 

使えるエネルギーを100%文書の理解に使えると、読解への集中力が高まりますが、エネルギーの配分は、ほかのコトに割り当てられるようになると集中力が下がるのです。脳内で利用できるエネルギーは、一定です。これを配分しながら、私たちはモノゴトを理解したり、行動ををしています。

 

もしもあなたが、人に何かを教えたりするとき、相手が集中して理解できるよう「ガミガミ」のような、余計なエネルギーを使わせないようにすることも大切です。

 

2.時には本人にじっくり考える時間を与えるコトも、大切なのです。

実験では、特に複雑難解な文書を読むときには、講師が読んで学習者に聞かせるより、学習者自身に、一人で読ませた方が理解度が上がるという結果もあるそうです。これは、脳内言語を形成するエネルギーを「聞く」という行動に配分をすることで、読解の集中力が下がるからです。

 

これは、仕事で部下や後輩に注意を促す時にも同じことが言えます。

 

何か注意されるとき「 ガミガミ 」と言われ続けることによって、話を聞くことにエネルギーが集中的に配分され、気付きを得たり反省をする思考にエネルギーが配分されなくなり「話半分」の状態になってしまう可能性もあるのです。

 

【相手の理解度を下げないやさしい伝え方】

  • 脳内言語を阻害しないよう伝える。
  • エネルギー配分を「理解」に集中させる。
  • 落ち着いてスッキリした状態で理解を促す。
  • 情報は、整理しながら相手に考える時間を与えながら伝える。

 

トレーニングをするときも、お説教をするときにも、本人に考える時間を与えることが大切です。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

坂田 和則

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
 「行動できない理由」を学ぶ、人はなぜ行動を後回しにするのか?

  【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム...

  【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム...


問題解決を停滞させるメンタルモデルの違いとは

  ◆ メンタルモデルの違いに気付くことが、問題解決の第一歩 問題解決には問題分析も大切なのですが、その問題の構造を捉え「問題定義」を統...

  ◆ メンタルモデルの違いに気付くことが、問題解決の第一歩 問題解決には問題分析も大切なのですが、その問題の構造を捉え「問題定義」を統...


ジョブスキル教育 教育研修の進め方(その2)

【教育研修の進め方 連載目次】 1.  教育制度を見直す必要 2.  ジョブスキル教育 3.  階層別教育 4....

【教育研修の進め方 連載目次】 1.  教育制度を見直す必要 2.  ジョブスキル教育 3.  階層別教育 4....


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
‐能力開発のシステム創り 製品・技術開発力強化策の事例(その47)

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その46に続いて解説します。      (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確...

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その46に続いて解説します。      (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確...


コンプライアンス意識を持とう:職場のマネジメント

  ◆ 物流監督者の心掛け  今回は、物流監督者が職場をマネジメントする際に取るべき態度や行動についてお話します。なぜなら、その態度や行...

  ◆ 物流監督者の心掛け  今回は、物流監督者が職場をマネジメントする際に取るべき態度や行動についてお話します。なぜなら、その態度や行...


人財教育・人材育成、対極の考察

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関するオ...

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関するオ...