マスカスタマイゼーションとは

マスカスタマイゼーション

 

第3次産業革命と第4次産業革命とは何が違うのでしょうか?それはインターネットを活用した連携があるかないかです。第3次までは自社内の生産効率をITの力によってどう高めていくか、というところが重点であり、トヨタ生産方式をはじめ日本も世界の中で大きくリードすることができていました。

第4次ではインターネットの力を使って、工場と工場が繋がり、工場と消費者が繋がる、という現象が起きています。消費者ニーズが工場に伝わり、それに応じた生産を工場間が自動で連携して進める。それによりカスタムメイドをマスカスタマイゼーションできるようになるのです。

これにより市場のルールが変わりました。大量生産できる会社よりも、消費者ニーズを的確に掴み、それに合わせたカスタムメイドの製品をスピーディに生産し販売できる会社が勝者となります。今回は、このような背景でマスカスタマイゼーションの概要を解説します。

◆関連解説『生産工学とは』

 

1.マスカスタマイゼーションとは

マスカスタマイゼーションは、マスプロダクションとカスタマイゼーション(個別設計・生産)を組み合わせたものです。低コストで短納期な大量生産と、顧客ニーズを満たす個別設計・生産の両方の性質をあわせ持ち、CS(顧客満足)が高く、売れやすい製品を、タイミング・量・コストを最適化した状態で生産できる効果が期待できます。

コンピュータを利用した製造システムで特注品を製造し、低コストの大量生産プロセスと柔軟なパーソナライゼーションを組み合わせたシステムです。マスカスタマイゼーションは、製造業とサービス業におけるビジネス競争です。コストを増大させず、カスタマイズを可能にして、個別にカスタマイズされた製品やサービスを大量生産します。これによって戦略的優位と経済的価値をもたらします。

 

2.マスカスタマイゼーションには何がいるのか

 

マスカスタマイゼーションの実現には、設計と製造の両面において、技術と設備を備えなければなりません。ここでは、各面について解説します。

【設計面】

設計技術は、ニーズをデータ化し、製品設計へ反映するために必要な最初の入り口です。代表例としては、ジェネレーティブデザイン技術があります。これは、例えばファッションなら顧客が好みの色や形、デザインをウェブブラウザ上などで入力するなど、顧客自身が製品の設計を可能にする技術で、完成デザインデータは、工場へ送信することで生産に利用され、顧客に限りなく近い形での製造を実現する技術です。

【製造面】

製造技術は、フロントエンド側から送られてきた顧客データをもとに、実際に製造するための技術や設備です。ここではデジタルファブリケーション技術があります。3Dプリンタなどのデジタル工作機械で、顧客ニーズのデータから素材の切り出し・加工・成形を行います。オーダー状況に応じて生産ラインを柔軟に変更できる設備も重要です。産業用ロボットや無人搬送車、製造機械同士がデータの送受信を行うIoTによる無線通信などもこの要件に含まれます。スマートファクトリーの実現で、マスカスタマイゼーションはさらに高度化されます。

 

3.マスカスタマイゼーションのメリット

マスカスタマイゼーションの実現で、受注生産のメリットと大量生産のメリットの双方を享受できます。そのメリットは次のようになります。

・生産リードタイム短縮

仕様変更ごとにいちいち設計を行う必要がありません。1つの設計で大量製品するため、結果的にリードタイムが短縮されます。

・生産コスト削減

自動化、システム化によって大量生産し、1製品あたりの生産コストを削減。これは、大量生産による最大のメリットです。

・大量仕入れで原価圧縮

資材の大量購入でボリュームディスカウントなどが受けられ、製品原価が圧縮されます。

【事例】

多くのファンを持つ大手オートバイメーカーのマスカスタマイゼーションのメリット享受の事例です。

カスタム化需要が大きいこの専門メーカは、2011年、自分だけのバイクを作ろうというWebサイトを開設、マスカスタマイゼーションを開始しました。この背景にあるのが、2009年から始まっていた製造工場のスマートファクトリー化です。IoTを駆使して各種のセンサーを工場全体に張り巡らせて生産状況のモニタリングを可能にしました。生産管理システムで受注...

マスカスタマイゼーション

 

第3次産業革命と第4次産業革命とは何が違うのでしょうか?それはインターネットを活用した連携があるかないかです。第3次までは自社内の生産効率をITの力によってどう高めていくか、というところが重点であり、トヨタ生産方式をはじめ日本も世界の中で大きくリードすることができていました。

第4次ではインターネットの力を使って、工場と工場が繋がり、工場と消費者が繋がる、という現象が起きています。消費者ニーズが工場に伝わり、それに応じた生産を工場間が自動で連携して進める。それによりカスタムメイドをマスカスタマイゼーションできるようになるのです。

これにより市場のルールが変わりました。大量生産できる会社よりも、消費者ニーズを的確に掴み、それに合わせたカスタムメイドの製品をスピーディに生産し販売できる会社が勝者となります。今回は、このような背景でマスカスタマイゼーションの概要を解説します。

◆関連解説『生産工学とは』

 

1.マスカスタマイゼーションとは

マスカスタマイゼーションは、マスプロダクションとカスタマイゼーション(個別設計・生産)を組み合わせたものです。低コストで短納期な大量生産と、顧客ニーズを満たす個別設計・生産の両方の性質をあわせ持ち、CS(顧客満足)が高く、売れやすい製品を、タイミング・量・コストを最適化した状態で生産できる効果が期待できます。

コンピュータを利用した製造システムで特注品を製造し、低コストの大量生産プロセスと柔軟なパーソナライゼーションを組み合わせたシステムです。マスカスタマイゼーションは、製造業とサービス業におけるビジネス競争です。コストを増大させず、カスタマイズを可能にして、個別にカスタマイズされた製品やサービスを大量生産します。これによって戦略的優位と経済的価値をもたらします。

 

2.マスカスタマイゼーションには何がいるのか

 

マスカスタマイゼーションの実現には、設計と製造の両面において、技術と設備を備えなければなりません。ここでは、各面について解説します。

【設計面】

設計技術は、ニーズをデータ化し、製品設計へ反映するために必要な最初の入り口です。代表例としては、ジェネレーティブデザイン技術があります。これは、例えばファッションなら顧客が好みの色や形、デザインをウェブブラウザ上などで入力するなど、顧客自身が製品の設計を可能にする技術で、完成デザインデータは、工場へ送信することで生産に利用され、顧客に限りなく近い形での製造を実現する技術です。

【製造面】

製造技術は、フロントエンド側から送られてきた顧客データをもとに、実際に製造するための技術や設備です。ここではデジタルファブリケーション技術があります。3Dプリンタなどのデジタル工作機械で、顧客ニーズのデータから素材の切り出し・加工・成形を行います。オーダー状況に応じて生産ラインを柔軟に変更できる設備も重要です。産業用ロボットや無人搬送車、製造機械同士がデータの送受信を行うIoTによる無線通信などもこの要件に含まれます。スマートファクトリーの実現で、マスカスタマイゼーションはさらに高度化されます。

 

3.マスカスタマイゼーションのメリット

マスカスタマイゼーションの実現で、受注生産のメリットと大量生産のメリットの双方を享受できます。そのメリットは次のようになります。

・生産リードタイム短縮

仕様変更ごとにいちいち設計を行う必要がありません。1つの設計で大量製品するため、結果的にリードタイムが短縮されます。

・生産コスト削減

自動化、システム化によって大量生産し、1製品あたりの生産コストを削減。これは、大量生産による最大のメリットです。

・大量仕入れで原価圧縮

資材の大量購入でボリュームディスカウントなどが受けられ、製品原価が圧縮されます。

【事例】

多くのファンを持つ大手オートバイメーカーのマスカスタマイゼーションのメリット享受の事例です。

カスタム化需要が大きいこの専門メーカは、2011年、自分だけのバイクを作ろうというWebサイトを開設、マスカスタマイゼーションを開始しました。この背景にあるのが、2009年から始まっていた製造工場のスマートファクトリー化です。IoTを駆使して各種のセンサーを工場全体に張り巡らせて生産状況のモニタリングを可能にしました。生産管理システムで受注・顧客仕様など1台のバイクを組み立てるのに必要な情報をつなげることで部品の在庫確認や製造の実行までの過程を効率化しました。これで、納品リードタイムの短縮につなげ、マスカスタマイゼーションのメリットを享受したのです。

 

4.マスカスタマイゼーションのこれから

グローバル受注の拡大のためには、マスカスタマイゼーションは重要なコンセプトです。同時に、このプロセスによる人手や手間についても対策を講じる必要があります。要求から製品仕様を確定するITツールの導入、部門を横断した体制を確立して完成度の高いマスカスタマイゼーション改革を実現する必要があります。

このようにマスカスタマイゼーション実現は簡単なことではありません。キーソリューションは、顧客要望を効率よく製品仕様へと落とし込める仕様の検討とIT利用です。また、納品までのプロセス全体を効率化するためには、営業、開発、設計のシームレスな連携などのプロセス改革も求められます。

 

 

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この記事の著者

嶋村 良太

商品企画・デザインとエンジニアリングの両方の視点を統合し、顧客満足度の高い商品開発を実現していきます。

商品企画・デザインとエンジニアリングの両方の視点を統合し、顧客満足度の高い商品開発を実現していきます。


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