原価管理と部品表

投稿日

 

1. BOM(部品表)

 BOM(Bill Of Material: 部品表)は製品製造に必要な部品や材料を、その製品に紐づけて情報管理するもので、MRPの時代から使われてきた生産の中核となるもので、今日では受注型、量産型を問わずほとんどの生産管理で使用されています。受注生産型の産業では少し前までは、BOMがないまたは BOMの概念がないという状態でものづくりをしていました。(もしかしたら、今でもそういう会社があるかもしれませんが)

 BOMは資材の所要量計算や発注コントロールといったそもそもの目的の他にも部品の標準化や、原価管理、リードタイム調整などの用途にも用いられるようになってきました。やがて設計者が製品の設計の観点から”設計BOM(E-BOM)” を作成・管理するようになると、製造用の ”製造BOM(M-BOM)” と別の実態として管理するようになってきます。

 これは設計BOMには設計仕様に基づくパーツやアセンブリなどが登録されたものと、製造効率アップなどの観点で実際に調達するものが異なったり、アセンブリ構成の詳細が設計のものとは異なることを意味します。これ自体は生産管理上のメリットをもたらしますが、同時に以下の様な問題も発生することになります。

 ・設計と実際の製品構成物に食い違いがでる
  ・設計変更が製造現場に迅速に伝わらない
  ・特に在庫品の切替えタイミングと連動しない
  ・品目コードなどが一致しなくなる

 これらは、設計業務、生産業務等日々の仕事のあり方に大きく依存するところであり、ERPを導入すれば解決するというような類のことではありません。取引先や顧客含めた 過去の慣習もあり地道な取り組みを要するところでもあります。

 

2. 製造原価と内訳

 物を作る際の製造原価はどんなコストから構成されているのか。詳しいことは専門書などに譲りますが簡単に言うと次のような内訳になっています。

  製造原価

 一品づつ個別に設計・製造するものと、月産数千、数万と量産する場合ではこれらのうちのどの部分が大きくなるのかは異なりますし、また組立て産業とプロセス産業でも内訳は大きく異なります。例えば、半導体の製造では、設備に莫大なコストがかかっており、製造...

 

1. BOM(部品表)

 BOM(Bill Of Material: 部品表)は製品製造に必要な部品や材料を、その製品に紐づけて情報管理するもので、MRPの時代から使われてきた生産の中核となるもので、今日では受注型、量産型を問わずほとんどの生産管理で使用されています。受注生産型の産業では少し前までは、BOMがないまたは BOMの概念がないという状態でものづくりをしていました。(もしかしたら、今でもそういう会社があるかもしれませんが)

 BOMは資材の所要量計算や発注コントロールといったそもそもの目的の他にも部品の標準化や、原価管理、リードタイム調整などの用途にも用いられるようになってきました。やがて設計者が製品の設計の観点から”設計BOM(E-BOM)” を作成・管理するようになると、製造用の ”製造BOM(M-BOM)” と別の実態として管理するようになってきます。

 これは設計BOMには設計仕様に基づくパーツやアセンブリなどが登録されたものと、製造効率アップなどの観点で実際に調達するものが異なったり、アセンブリ構成の詳細が設計のものとは異なることを意味します。これ自体は生産管理上のメリットをもたらしますが、同時に以下の様な問題も発生することになります。

 ・設計と実際の製品構成物に食い違いがでる
  ・設計変更が製造現場に迅速に伝わらない
  ・特に在庫品の切替えタイミングと連動しない
  ・品目コードなどが一致しなくなる

 これらは、設計業務、生産業務等日々の仕事のあり方に大きく依存するところであり、ERPを導入すれば解決するというような類のことではありません。取引先や顧客含めた 過去の慣習もあり地道な取り組みを要するところでもあります。

 

2. 製造原価と内訳

 物を作る際の製造原価はどんなコストから構成されているのか。詳しいことは専門書などに譲りますが簡単に言うと次のような内訳になっています。

  製造原価

 一品づつ個別に設計・製造するものと、月産数千、数万と量産する場合ではこれらのうちのどの部分が大きくなるのかは異なりますし、また組立て産業とプロセス産業でも内訳は大きく異なります。例えば、半導体の製造では、設備に莫大なコストがかかっており、製造作業員の労務費に比し設備の減価償却費が非常に大きくなります。

 製造する製品の特性や設備規模などによって、原価計算方法も異なってきます。また、製造ではなく設計者のコストは間接労務費で計算するのが一般的ですが、間接費をどのように個々の製品にチャージしてゆくのかについては、従来からいろいろな計算方法が知られています。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

石田 茂

ものづくりの基本は人づくりをモットーに、技術者の持つ力を会社の組織力につなげるための仕組みづくりの伴奏支援を行います。

ものづくりの基本は人づくりをモットーに、技術者の持つ力を会社の組織力につなげるための仕組みづくりの伴奏支援を行います。


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
検査の種類とは

  検査は、不良を排除するために欠くことのできないものですが、いくつかの種類に分類できます。   製造プロセスに着目して分類...

  検査は、不良を排除するために欠くことのできないものですが、いくつかの種類に分類できます。   製造プロセスに着目して分類...


中国と日本企業の違いとは 中国工場の品質改善(その56)

【中国工場の品質改善 連載全84回から各章の冒頭ページ 】 【第1章】中国進出での失敗事例 【第2章】中国工場の実状を知る 【第3章】中国工...

【中国工場の品質改善 連載全84回から各章の冒頭ページ 】 【第1章】中国進出での失敗事例 【第2章】中国工場の実状を知る 【第3章】中国工...


中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その47)

 前回のその46に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方 【3.13 顧客工場監査を利用する】  中国工場の改善に活用...

 前回のその46に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方 【3.13 顧客工場監査を利用する】  中国工場の改善に活用...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
ゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その3)

  『7ゼロ生産』実現マニュアル~生産性7つの阻害要因とゼロベース思想~ 第1章7ゼロ生産意識改革PICQMDS(ピックエムディーエス)...

  『7ゼロ生産』実現マニュアル~生産性7つの阻害要因とゼロベース思想~ 第1章7ゼロ生産意識改革PICQMDS(ピックエムディーエス)...


赴任者のために 中国工場管理の基本事例(その7)

1、赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その5)  前回の赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その4)に続いて解説します。 ◆...

1、赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その5)  前回の赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その4)に続いて解説します。 ◆...


梱包前の在庫では先入先出は適用不要? 中国企業の壁(その23)

        ある中国企業の工場を訪問した時のことでした。全体的には、きちんと整備されていた工場でしたが、梱包工程の前に仕掛品が非常に多くあること...

        ある中国企業の工場を訪問した時のことでした。全体的には、きちんと整備されていた工場でしたが、梱包工程の前に仕掛品が非常に多くあること...