機能安全(その1)機能安全とは何か

 

1. 機能安全とは何か

 
 機能安全(Functional Safety)とは「監視装置や防護装置などの付加機能による リスク低減策」であり、安全を確保する為の考え方の1つです。
 
 人間、財産、環境などに危害を及ぼすリスクを、機能や装置の働きにより、許容可能な程度に迄、低減するというアプローチを指します。 日本の産業界では実はあまりなじみのないコトバだったのですが、最近欧米特に欧州市場での自動車、鉄道などの事業展開を際に、この考え方に沿ったものづくりをすることを要請されるようになって注目を集めるようになりました。
 

2. 機能安全規格制定の経緯と思想的特徴

 
 機能安全規格は古くは18世紀、19世紀のヨーロッパにその源流を見出すことができます。当時のヨーロッパは産業革命の活況を呈しており、蒸気機関が作られるようになりました。ところが、各国、各地域でそれぞれ作られるうちに事故も多く発生しました。欧州大陸を横断する鉄道において、その規格、基準、品質などがバラバラだと安定した運用も難しくなります。そこで鉄道の蒸気機関に関する品質や安全性の統一基準を定めようという機運が出てきました。
 

1. 機能安全とは何か

 
 機能安全(Functional Safety)とは「監視装置や防護装置などの付加機能による リスク低減策」であり、安全を確保する為の考え方の1つです。
 
 人間、財産、環境などに危害を及ぼすリスクを、機能や装置の働きにより、許容可能な程度に迄、低減するというアプローチを指します。 日本の産業界では実はあまりなじみのないコトバだったのですが、最近欧米特に欧州市場での自動車、鉄道などの事業展開を際に、この考え方に沿ったものづくりをすることを要請されるようになって注目を集めるようになりました。
 

2. 機能安全規格制定の経緯と思想的特徴

 
 機能安全規格は古くは18世紀、19世紀のヨーロッパにその源流を見出すことができます。当時のヨーロッパは産業革命の活況を呈しており、蒸気機関が作られるようになりました。ところが、各国、各地域でそれぞれ作られるうちに事故も多く発生しました。欧州大陸を横断する鉄道において、その規格、基準、品質などがバラバラだと安定した運用も難しくなります。そこで鉄道の蒸気機関に関する品質や安全性の統一基準を定めようという機運が出てきました。
 
 こうした下地がある中で、1974年に英国フリックスボローの化学工場で大きな爆発事故が発生しました。その後イタリアのセベソの農薬工場で爆発事故がおき、猛毒のダイオキシンが飛散する事態が発生しました。また1980年代になると、インドのボパール工場で大惨事がおき、イギリス北海油田で事故が起きます。これらの反省と教訓から今日のIEC61508が制定されることになったわけです。
 
 機能安全ではリスクアセスメントを行って、危険源を特定しその低減を図るという手順を踏みます。ここで重要なのが、低減するということでリスクをゼロにすることはできない という考え方に立っていることです。
 
 

3. 機能安全規格の体系

 
 機能安全には国際規格があり以下の様な体系となっています。IEC61508が大元の規格になりますが 、これを受けて、各産業・製品領域ごとにより具体的にその内容を定めています。
 
 近年自動車業界ではISO26262への対応が急速に進められており、自動車メーカおよびここに部品やコンポーネントを提供する1次サプライヤー(Tier1と呼ばれる)、メーカは新たなビジネスチャンスを念頭にISO26262の認証取得を行っています。もちろんこの背景には、世界的に取り組みが行われている自動運転の実用化があることはいうまでもありません。
 
 自動車業界以外では、機械の機能安全や医療、鉄道、原子力やプロセス制御用の電気・電子制御システムの規格があります。
 
安全工学
 図1.機械安全の国際規格 ISO/IEC規格
 
 次回に続きます。
 

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この記事の著者

石田 茂

ものづくりの基本は人づくりをモットーに、技術者の持つ力を会社の組織力につなげるための仕組みづくりの伴奏支援を行います。

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