
静電気安全の基礎とリスクアセスメント【デモ機を用いた実演付】
静電気ハザードの傾向、静電気RAを確実に実施するための手順、現場での実施例の順に、受講者がゆくゆくはこの静電気RA手法を活用できるようにわかりやすく解説します。
セミナー趣旨
今日では、「安全」を保証するためにも科学的根拠に基づいてリスクを分析してから、適切な安全対策を実施するというリスクアセスメント(以下RA)の必要性がますます増加しています。こんなことから、我が国でもRA実施が労働安全衛生規則により義務となっています。静電気の基礎が欠如しているとRAの的確な実施が難しいので、そのような事業場の安全管理者を支援するために国際規格のISO/IEC Guide 51 の流れに沿った科学的・系統的・網羅的な静電気リスク分析手法を開発しています。本セミナーでは、静電気着火RAに必要な基礎も示して実施を支援するためのリスク分析手法を詳細に解説します。
開発手法では、30個のチェック項目に沿ってそれに答えていけば、RAができるようにもしています。本手法を活用してもらうために、静電気安全の基礎、静電気対策、測定方法、事故事例の統計分析、物質物性データ等も含めて、的確に実施するためのガイドを包括的にまとめて提供しています。ガイドには、このチェック項目に沿ったRAシートも含まれています。今回は、RA実施に不可欠な静電気安全の基礎、50年間の静電気事故から得られた静電気ハザードの傾向、静電気RAを確実に実施するための手順、現場での実施例の順に、受講者がゆくゆくはこの静電気RA手法を活用できるようにわかりやすく解説します。
※なお、面実施に伴い、実演デモンストレーションを実施します。
受講対象・レベル
可燃性物質を取り扱う企業、業者や現場の安全管理者
必要な予備知識
ダウンロード
ガイド
https://www.researchgate.net/publication/320612230_Risk_assessment_of_electrostatic_ignitions
付録1 リスクアセスメントシート
https://www.researchgate.net/publication/355057629_ESRAsheetxlsx
付録2 リスクアセスメントシート例ー粉体の液体への投入
https://www.researchgate.net/publication/355077094_powderAdditionToLiquidxlsx
習得できる知識
・静電気が原因とされる火災・爆発など事故を未然に防止するための知識が得られると期待される。
・静電気安全の基礎、静電気リスクアセスメントの方法、静電気対策
セミナープログラム
1.静電気安全の基礎―リスクアセスメントのために
静電気着火リスクを評価すること(静電気リスクアセスメント)を実施するために必要な静電気安全の基礎を解説します
1.1 リスクアセスメント
1.2 静電気現象の基礎(対面では、デモンストレーションも含む)
・帯電(電荷分離、電荷緩和)
・静電誘導
・静電気放電
・静電気着火
1.3 静電気災害リスク低減策ー静電気対策
・静電気対策
・静電気対策技術
・着火防止対策技術
・測定と安全管理
・静電気対策の5つの原則
1.4 静電気リスクアセスメント
・静電気着火リスクアセスメント
・ガイド
・静電気着火ハザードの同定
・静電気着火リスク分析の手順
2.静電気事故に学ぶ---50年間の事故からの教訓
得られた事故統計から静電気ハザードの起源(原因)と傾向を学びます
2.1 背景・目的
・静電気リスクアセスメントの現状
・リスクアセスメントへの応用→ハザード同定
2.2 事故のトレンド
・可燃性雰囲気
・帯電
・放電タイプ
・工程・作業
2.3 得られた新しい知識
・新知識のリスクアセスメントへの応用
3.静電気リスクアセスメント
開発した静電気リスクアセスメント手法を解説します
3.1 ガイド
3.2 静電気着火リスク分析手法
・工程・作業のレビュー
・可燃性雰囲気形成ハザードの同定
・帯電ハザード同定
・静電誘導ハザード同定
・静電気放電ハザードの同定
・静電気着火リスク見積・評価
3.3 リスク低減策―静電気対策
4.静電気リスクアセスメント実施例
静電気リスクアセスメント手法に沿って作業の静電気ハザードの同定し,静電気リスクを評価した例を紹介します
4.1 液体への粉体投入
5.静電気安全管理
5.1 安全とは
5.2 安全管理
・基準の準備
・安全点検
・測定管理
・安全教育・訓練
・安全は皆でつくる
*途中、お昼休みや小休憩を挟みます。
■講演中のキーワード
静電気、リスクアセスメント、帯電静電誘導、電気放電、着火、火災・爆発、静電気対策、事故再発防止、安全管理
セミナー講師
東京電機大学 電気電子工学科 客員教授 大澤 敦 氏
■経歴・受賞歴など
大澤敦博士(工学)は、労働安全衛生総合研究所の統括研究員等を経て、現在、東京電機大学客員教授、
静電気イノベーションズ代表でもあり、長年にわたり静電気安全の研究に従事し、そのエキスパートして活躍している。
我が国の静電気安全対策のバイブルでもある静電気安全指針2007の執筆や静電気安全に関する
国際規格IEC TC 31/101のエキスパートメンバーとして、それらの制定にも貢献している。
豪州科学アカデミー科学技術賞によりCSIRO Industrial Physics 客員研究員として留学。
静電気学会功績賞、静電気リスクアセスメント手法の開発で静電気学会技術賞等も受賞、
静電気学会誌編集委員長、静電気学会理事(現任)、
静電気学会障災害研究員会委員長、静電気学会副会長(現任)、静電気学会リスクアセスメント研究委員会委員長(現任)、
国際誌Safety ScienceのEditorial Board Memberおよび
Journal of ElectrostaticsのEditorial Board Member, Associate Editor(現任)等を歴任し、
現在も引き続き静電気の分野で活発に貢献している。法的義務になっているリスクアセスメントを静電気においても実施するための
支援技術として開発した手法のさらなる普及にも努めている。
255 publications (74 peer-reviewed), 138 presentations (29 invited), 2 patents, 6 awards,
45 company lectures/seminars -08/22/2025.
セミナー受講料
1名50,600円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき39,600円
*学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 感染拡大防止対策にご協力下さい。
- セミナー会場での現金支払いを休止しております。
- 新型コロナウイルスの感染防止の一環として当面の間、昼食の提供サービスは中止させて頂きます。
- 配布資料は、当日セミナー会場でのお渡しとなります。
- 希望者は講師との名刺交換が可能です。
- 録音・録画行為は固くお断り致します。
- 講義中の携帯電話の使用はご遠慮下さい。
- 講義中のパソコン使用は、講義の支障や他の方の迷惑となる場合がありますので、極力お控え下さい。
場合により、使用をお断りすることがございますので、予めご了承下さい。(*PC実習講座を除きます。)
受講料
50,600円(税込)/人