商品力の強化と商品開発の方向性 (その4)

 前回の新商品開発の手順とポイントに続いて、今回は、商品開発の方向性・着眼点を解説します。
 

1. 地球環境と環境調和型商品

LCA
 現在も日々刻々と地球環境は、悪化の傾向にあります。 温暖化による天候の変化、海面上昇による浸水被害、大気汚染、酸性雨水質汚染、土壌汚染、 オゾン層破壊による紫外線被害、そして放射能による汚染、戦争による破壊等で生態系は激変 し、地球環境には、動植物の生存ひいては人類の生存に影響を与えている課題が多くあり ます。 自然豊かな地球とどのように付き合っていくかは、人類に課せられた命題として、取り組んで いかなければなりません。
 
 地球環境への責任を負う人類として、せめて、これから開発する商品は地球にやさしい商品で なければならないのです。 即ち、地球環境への負荷を低減した環境調和型の商品開発を行っていかなくてはなりません。 また、循環型の経済、消費活動にライフスタイルを切り替えて、持続可能な生活様式が求め られています。 こうした環境にやさしい商品に対する消費者の関心は次第に高まってきており、消費活動の 選択肢となってきているので、今後の商品開発の一つの方向を示しています。
 

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2. エコ対応規格:ISO14000とLCA

2.1 ISO14000(環境 ISO)

 ISO14000規格ファミリーが定める「環境マネジメントシステム」のことで、企業の活動、 製品、サービスによって生じる環境への影響を持続的に改善するためのシステムを構築し、 改善していくことを目的としています。 近年、企業の社会的責任を評価する際の基準にも利用されることもあり、環境改善をすること で企業評価が高まるというメリットもあります。
 

2.2 LCA

 ライフサイクルアセスメント LCA (Life Cycle Assessment)とは、製品やサービスの環境影響を評価する手法で、製造、輸送、販売、使用、廃棄、再利用まで各段階での環境負荷を 明らかにしていくものです。 次にその手法の枠組を示します。①目的、評価範囲の設定 システム境界と機能単位、評価する環境負荷を決め、評価の目的を明らかにする。 ②インベントリ分析 エネルギーや材料などがどれだけ投入され、また排気ガスや廃棄物がどれだけ放出されたか を分析する。 ③影響評価 環境負荷(二酸化炭素などの温室効果ガス、他)を、環境影響に換算する。 ③解釈(説明:Interpretation LCA の用語) 上記、①②③の各段階で、LCA 実行者とステークホルダーが話し合い、解釈が行われる。 製品・サービスの環境負荷への理解が深まり、より適切な意思決定が目指されるニーズとシーズの棚卸を行います。
 

3. 商品開発

3.1 コンセプト<環境調和型商品の開発>

 開発コンセプトは、「軽量・小型・省エネ」ですが、開発過程では、上述の LCA の手法に 基づく評価を行い、使用資材等は、環境負荷の少ない工程で製造された資材をグリーン調達(注1)で行うことが望ましいのです。
 
(注1)国や地方自治体、企業などが、製品の原材料・部品や資材、サービスなどを購買先から調達 する際に、環境負荷の小さいものを優先的に選ぶ取り組みのことを言います。 平成12年に「グリーン購入法」が制定されて国等の行政が率先してグリーン調達を推進 していくことになっています。
 

3.2 開発のポイント

 ①環境適合設計 DfE:ISO 14062 に基づく設計(注2) ②組立・分解性設計:組立、分解性の考慮 ③軽量化・小型化・省エネ設計:使用原料、使用エネルギーの低減 ④エネルギー削減:生産工程でのエネルギー削減 ⑤メンテナンス:メンテナンス性 ⑥長寿命化:長寿命化による使用エネルギーとのバランス
 
 (注2)環境適合設計は“Design for Environment”の翻訳で DfE とも言います。ISO 14062(JIS Q 0007)の目的は、製品の機能性を維持・改善しつつ、製品の環境影響を低減するための設計のガイドラインとすることにあります。ISO14001環境マネジメントシステムの一環として運用します。また、新製品開発 プロセスあるいは新製品開発システムにおいての重要なガイドラインとなりますので、 ISO9001品質マネジメントシステムと関連づけることも推奨しています。
 

3.3 新商品評価レポート

 「新商品開発評価レポート」による財務的評価とバランスさせて、持続可能な企業活動を選択します。
  
  次回は顧客満足を得る商品企画を解説します。
 

この記事の著者

石川  昌平

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