
ポリイミドの基礎解説から分子設計指針と高性能化技術ほか、
最近の耐熱・透明フィルムの開発動向、応用例を紹介
無色透明化、低誘電率化、低CTE化、多脂環構造ポリイミドの性質・合成など
セミナー趣旨
耐熱高分子の代名詞にもなっているポリイミドは、米国とソ連との熾烈な宇宙開発競争の産物であり、1960年代に上市されてから今なお使用され続けている驚くべき素材の一つです。しかし、ポリイミドフィルムの多くが強く着色しているため、光学材料として利用されることはほとんどありませんでした。ポリイミドフィルムの無色透明化が実現すれば、“折りたたみ可能なガラス板”としてオプトエレクトロニクスをはじめその応用範囲は限りなく広がることが期待されます。本セミナーでは、ポリイミドの基礎を平易に解説し、無色透明化、低誘電率化、低CTE化などの分子設計指針と高性能化技術、耐熱・透明フィルムの開発動向や応用例について紹介します。
受講対象・レベル
・製造業務にたずさわって2~3年の若手技術者や新人の方。
必要な予備知識
・特に予備知識は必要ありません。基礎から解説いたします
習得できる知識
1.ポリイミドの高性能化技術が習得できます。
2.無色透明ポリイミドの開発動向がわかります。
セミナープログラム
1. はじめに
1-1. ポリイミドの特長
1-2. 耐熱性高分子の分子設計
1-3. 物理的耐熱性と化学的耐熱性
1-4. 高分子材料の耐熱性評価
2.ポリイミドの基礎
2-1. ポリイミドの歴史
2-2. 耐熱性樹脂 Kapton®
2-3. 市販ポリイミドフィルムの特徴
2-4. ポリイミドフィルムの作製法
3.低誘電率ポリイミドおよび関連材料
3-1. 電磁波の伝播速度と屈折率、誘電率との関係
3-2. 誘電率に影響を与える分極現象
3-3. 固体の分極率(誘電率)の周波数依存性
3-4. 低誘電率材料の分子設計指針
3-5. 多孔質ポリイミドの作製法
3-6. 多孔質ポリイミドの誘電特性
3-7. 含フッ素低誘電率高分子
3-8. 高分子の屈折率-誘電率相関
3-9. フッ素含有率とポリイミドの誘電率
3-10. ポリイミドのフッ素・イミド含有率と誘電率との相関
3-11. 非フッ素低イミド含有率芳香族ポリイミド
3-12. 非晶性環状ポリオレフィン
3-13. ポリイミドの複屈折
4.無色透明ポリイミド
4-1. 芳香族ポリイミド着色の起源
4-2. 各種ポリイミドフィルムのUV-Visスペクトル
4-3. 芳香族系無色透明ポリイミドの先駆例
4-4. 多脂環構造酸二無水物の例と合成基本反応
4-5. 多脂環構造酸二無水物の合成例
4-6. ポリイミドの合成法
4-7. 多脂環構造酸二無水物の構造と反応性
4-8. 脂環式ジアミンを用いたポリイミド合成
4-9. 市販の脂環式ポリイミド用モノマー例
5.多脂環構造ポリイミドの合成
5-1. イミド化温度と分子量・フィルム成形性
5-2. イミド化温度と分子量との相関
5-3. 中間温度領域での解重合とTg近傍の後重合
5-4. 化学イミド化-従来法
5-5. 化学・熱イミド化併用法
5-6. 化学イミド化沈殿法
5-7. 異なる方法・温度で作製したポリイミドの分子量
5-8. 種々の溶媒を使用したポリイミド合成
6.多脂環構造ポリイミドの性質
6-1. 脂環式ポリイミドの溶解性(耐薬品性)
6-2. 多脂環構造の耐熱性
6-3. 多脂環構造ポリイミドの熱的性質
6-4. 低CTE・透明ポリイミド開発の変遷
6-5. 脂環式ポリイミドフィルムの寸法安定性
6-6. 脂環式ポリイミドフィルムの機械的特性
7.脂環式ポリイミドの高性能化
7-1. 脂環式ポリイミドフィルムの光透過性
7-2. イミド化法と光透過性相関
7-3. 異なる溶媒で調製したポリイミドフィルム
7-4. 光透過率の耐熱特性
7-5. ポリイミドフィルムの高温酸化着色抑制
7-6. エンドキャップポリイミドの熱的性質
7-7. 多脂環構造ポリイミドフィルムの耐光性
8. おわりに
8-1. 耐熱・透明フィルムの開発動向
8-2. 耐熱・透明フィルムの応用例
【質疑応答・名刺交換】
セミナー講師
東京工芸大学 名誉教授 工学博士 松本 利彦 氏
【ご専門】
高分子化学(縮合系高分子合成)
セミナー受講料
55,000円(税込、昼食・資料付)
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2025/11/04(火)
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