【初心者のための】具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析

~安全性予測、OOTのイレギュラー対応事例・規格外のリスク予測~

 安定性モニタリングで製品回収の多い下記の対策について統計的な視点で説明します。統計的視点とは、統計・確率だけでなく、3ゲン(現場、現物、現実)・5ゲン(原理、原則)が重要です。事例からその視点を紹介します。

1)溶出試験
2)含量
3)類縁、不純物
  統計・確率の視点
4)経時変化のばらつきの理解
5)確率の求め方(95%信頼区間)
  安定性試験の結果から製造時に規格外となるリスクがどの程度となるか、潜在リスクをどのように見積もるか
6)回帰式による有効期間切れ時の予測

またOOS/OOTの理解も重要になりますので事例を交えて説明します。

日時

【Live配信】 2023年5月23日(火) 10:30~16:30
【アーカイブ受講】 2023年6月1日(木) まで受付(視聴期間:6/1~6/14)
※Live(Zoom)配信受講者には、特典(無料)として「アーカイブ配信」の閲覧権が付与されます。

セミナー趣旨

安定性モニタリングはPIC/S GMPの6つのギャップの一つとして実施が通知で定められ、各社が実施しています。また富山県のある製造所では安定性モニタリング未実施により製品回収になりました。
 今多くの会社が安定性モニタリングで規格不適合により製品回収が増えています。問題は規格不適合の結果が出て回収していることです。安定性は直ぐに規格不適合が起きるのではなく、規格下限(含量や溶出)、規格上限(類縁や不純物)に近づいているのです。前もって推測できます。その推測に統計・確率の知識が必要です。規格不適合を予測し、対応を今行っていると、規格不適合になり製品回収になった時には、今流通している製品並びに物流在庫品は製品回収のリスクがありません。欠品回避ができるのです。欠品になることと製品回収では雲泥の差があります。なんといっても患者様に継続して服用していただけます。また営業サイドからは一度他社の製品回収になると再度納入することはハードルが高くなります。このセミナーにご参加され、それができれば参加費以上のメリットがあります。
 実際に起きている多くの安定性モニタリングの製品回収事例からも問題点を学ぶことにより、どこに注意が必要かも知ります。
 安定性モニタリングで製品回収の多い下記の対策について統計的な視点で説明します。統計的視点とは、統計・確率だけでなく、3ゲン(現場、現物、現実)・5ゲン(原理、原則)が重要です。事例からその視点を紹介します。

1)溶出試験
2)含量
3)類縁、不純物
統計・確率の視点
1)経時変化のばらつきの理解
2)確率の求め方(95%信頼区間)
安定性試験の結果から製造時に規格外となるリスクがどの程度となるか、潜在リスクをどのように見積もるか
3)回帰式による有効期間切れ時の予測
 またOOS/OOTの理解も重要になりますので事例を交えて説明します。
 事前にご質問いただければセミナー中に回答します。

<主催者より>
規格不適合の製品回収は事前のリスク評価で防ぐことができます。OOS、OOT、OOEの理解不足や判断不備、特に出荷データの統計的・確率の視点の欠如が指摘され、データを読みとる力が求められています。本セミナーでは、製品回収事例から学び、統計確率の視点でデータを眺める、そのノウハウが伝授されます。この機会をご活用ください。

セミナープログラム

1.    改正GMP省令の安定性モニタリング
1)    溶出試験不適合による製品回収
2)    福井県/富山県製造所の第三者委員会からの学び
    ・OOSの取り扱い
    ・安定性モニタリングの取り扱い
3)    安定性モニタリングの実施
4)    25℃×60%と申請時の室温成り行きの長期安定性で齟齬が生じた場合
5)    製品品質照査の定期と臨時の確認の意味

2.    安定性モニタリングによる製品回収事例
1)    含量の低下による規格逸脱による製品回収
2)    溶出試験不適合による製品回収事例
3)    類縁/不純物
4)    製品回収事例から見えて来るもの
5)    欠品を来さない場合
6)    欠品を来す場合

3.知っておきたい統計の知識
1)バラツキの概念と分析バラツキの要因
  データを見るとは規格適合だけでなく、そのデータの発生確率を知ること
2)95%信頼区間(バラツキによる規格不適合を考える)
3)相関係数と回帰式(含量低下を考える)
4)F検定&t検定
5)分散分析

4.OOS発生時のラボエラー調査
1)標準品変更時のOOS
2)ラボエラーに気付かず製品回収
3)PMDAによる試験不備による製品回収
4)日医工のOOSの判断不備への当局の指摘
5)規格限界値付近のデータの意味とその対応
6)欧米のOOSガイドライン

5.溶出試験以外の安定性モニタリングでの製品回収
1)含量
  (1)原薬の新製法による物性変化(結晶形)による安定性での低下
  (2)原薬の粒子径(ビタミンA)のバラツキと経年での安定性のバランス
2)類縁/不純物
  (1)研究開発時点でのデータ処理の問題
  (2)原薬の出発物質変更による経年での不溶性異物
  (3)生薬の類縁物質の原薬と経年での管理
3)その他

6.ラボエラーによる製品回収/欠品対応事例 
1)凍結乾燥製剤の製品回収 (2005年) の事例
2)標準品変更に伴う欠品リスクによる当局対応

7.原薬の製造方法変更による物性変化の安定性への影響
1)1/10スケールの確認
2)フルスケールでの問題
3)対応

8.原薬の粒子径(ビタミンA)のバラツキと経年での安定性のバランス
1)経年対策で粒子径を大きく
2)経年で規格不適合

9.割り増し仕込み(過量仕込み)について
1)ICH Q8
2)2013年GMP事例集
3)実際の事例
4)福井県の製造所の割り増し仕込み事例を考える

10. 類縁/不純物
1)研究開発時点でのデータ処理の問題
2)原薬の出発物質変更による経年での不溶性異物
3)生薬の類縁物質の原薬と経年での管理

11.製造時/安定性モニタリング時の溶出試験とOOSの関係
1)    溶出試験でOOSが出た場合の対応
2)    製品回収のリスク

12.海外製造所品の溶出試験齟齬対応
1)    海外製造所と受け入れ試験結果の不一致
2)    話し合いの結果
3)    取り決め事項への反映

13.海外販売品導入時の品質評価(溶出試験)
1)    導入時の品質の確認
2)    溶出試験の課題とその対応

14.国内販売品の販売移管時の品質評価(溶出試験)
1)    移管時の品質の確認
2)    溶出試験の課題とその対応

15.溶出試験で製品回収を起こさないために
1)    製品品質照査結果からリスクのある製品の抽出(確率/統計の視点から)
2)    改善対応
  ・処方変更
  ・製造方法変更
  ・包装変更
3)    溶出試験の堅牢性(影響を受けやすい製品のリストアップ)
  ・原薬の粒子径管理
  ・経年で低下する場合
  ・OOT管理

16.技術移管時の溶出試験の確認と溶出試験に影響を及ぼす因子
1)    4液性の溶出挙動確認
2)    原料
3)    製造方法
4)    包装(ピンホール)

17.QCで防ぎたい品質トラブル
1)溶出試験の統計確率のリスクの考え方
2)主薬の結晶形の影響
3)主薬の物性の溶出試験への影響
4)類縁物質が注射剤の不溶性異物に影響

□ 質疑応答 □


参考資料(時間に余裕がある場合)
1.分析バリデーションとサンプリングの関係
 1)“原則品質部門がサンプリングする“の意味(GMP逐条解説&事例集から)
 2)QCは評価する部門、分析バリデーションはツールの検証
 3)サンプリングとは、製造方法、均質性、ロット構成を把握して行う
 4)承認書や日局にn数が規定されていない理由
 5)サンプリング試料の粉砕や縮分時の注意点

2.OOS/OOTについて
1) OOS/OOTの考え方
2) OOS/OOTの仕組みと違い
3) OOTの導入について(工程能力指数CpとCpkの活用)
4)OOTを3σに設定して何度もOOTが出ている事例対応
5)錠剤硬度のOOTの事例対応
6)海外製造所のOOS調査不備による欠品リスクの事例
7)海外のOOSのガイダンス(EU&FDA)
  FDAガイダンス(2022年5月改訂版の翻訳)紹介
  
3.ラボエラー調査
1) ラボエラーチエックシート活用
2) 試験器具、溶液の試験終了時まで保管
3) 明確なラボエラーが断定できない時
4) 安定性試験で含量が低下事例を考える 
 ・ラボエラー有無
 ・過去の安定栄試験のデータ参照
 ・標準品と検体の面積値検証
 ・データ処理の確認
5)安定性モニタリングで溶出試験がOOS/OOTの対応事例
6)強熱残分試験のOOSの対応事例

4.製造工程の調査
 1) 該当ロットの逸脱確認
 2) 最近のロットの試験結果の確認
 3) 最近のインプロデータの確認
  
5.再試験/再サンプリングの問題点
 1) 再試験のための調査
 2) 試験者数と試験数
 3) 再試験の判定
 4) サンプリング時の問題有無
 5) 再サンプリングのための調査
 6) 再サンプリングの根拠
 7) OOSを考慮して最初にどの程度サンプリングするのか
 8)最初のデータを棄却するためにどうするか

6.OOSが棄却できなかった時の対応 
1)原因究明
2)是正対応 (CAPA)

7.OOSで頭を悩ました事例 
1)事例1:A顆粒
2)事例2:Bカプセルの溶出試験
3)事例3:品質再評価
4)事例4:Cバルク (原薬)

8.人が創る品質&Quality Culture

セミナー講師

(株)ミノファーゲン製薬 顧問
脇坂 盛雄氏 

エーザイ株式会社入社後、品質企画部 統括部長、品質薬事部 統括部長、品質保証責任者など30数年に渡り従事し、2013年9月に退職、現在に至る。

【主なご業務/専門】
医薬品の品質管理/品質保証

セミナー受講料

※お申込みと同時にS&T会員登録をさせていただきます(E-mail案内登録とは異なります)。

55,000円( E-mail案内登録価格52,250円 )
E-Mail案内登録なら、2名同時申込みで1名分無料
2名で 55,000円 (2名ともE-mail案内登録必須/1名あたり定価半額27,500円)

【1名分無料適用条件】
※2名様ともE-mail案内登録が必須です。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※3名様以上のお申込みの場合、1名あたり定価半額で追加受講できます。
※請求書(PDFデータ)は、代表者にE-mailで送信いたします。
※請求書および領収証は1名様ごとに発行可能です。
 (申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。)
※他の割引は併用できません。

※テレワーク応援キャンペーン(1名受講)【Live配信/WEBセミナー受講限定】
1名申込みの場合:39,600円 ( E-Mail案内登録価格 37,620円 )
※1名様でLive配信/WEBセミナーを受講する場合、上記特別価格になります。
※他の割引は併用できません。

受講について

Zoom配信の受講方法・接続確認

  • 本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信となります。PCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 申込み受理の連絡メールに、視聴用URLに関する連絡事項を記載しております。
  • 事前に「Zoom」のインストール(または、ブラウザから参加)可能か、接続可能か等をご確認ください。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー中、講師へのご質問が可能です。
  • 以下のテストミーティングより接続とマイク/スピーカーの出力・入力を事前にご確認いただいたうえで、お申込みください。
    ≫ テストミーティングはこちら

アーカイブ配信の受講方法・視聴環境確認

  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 会場での録画終了後から営業日で10日以内を目安に視聴開始のご案内をお知らせします。
  • S&T会員マイページ(無料)にログインいただき、ご視聴ください。
  • 視聴期間は営業日で10日間です。ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナーに関する質問に限り、後日に講師にメールで質問可能です。
    (テキストに講師の連絡先が掲載されている場合のみ)
  • 動画視聴・インターネット環境をご確認ください
    以下の視聴環境および視聴テストを事前にご確認いただいたうえで、お申込みください。
    セキュリティの設定や、動作環境によってはご視聴いただけない場合がございます。
    ≫ 視聴環境  ≫ 視聴テスト【ストリーミング(HLS)を確認】

配布資料

  • PDFテキスト(印刷可)

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込 または、当日現金でのお支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

医薬品技術   医薬品・医療機器・化粧品等品質管理基準(G*P(GMPなど)、QMS)   SQC一般

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込 または、当日現金でのお支払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

医薬品技術   医薬品・医療機器・化粧品等品質管理基準(G*P(GMPなど)、QMS)   SQC一般

関連記事

もっと見る