設計のマネジメント 101事例による具体的取組み法

セミナー趣旨

マネジメントとは、①・論理、②・損得勘定、③・信頼感情、三者のせめぎ合いである。論理だけで人は動かない。損得勘定だけでも人は動かない。また信頼感情のみでも人は動かない。三者のバランスがきちんと確保された時に、初めて人は動き出す。これを無視してマネジメントは、成り立たない。開発・設計業務は、論理中心の世界である。つい論理優先で人を説得し、動かそうと気持ちが焦る。ここに大きな落とし穴が存在する。管理者には、注意が欠かせない。

設計業務を分析すると、何処の企業でも大勢の設計者が類似内容を繰り返し新規着手している。これは、無駄だから標準化して繰り返しの新規着手を減らそう。この論理だけで設計者が、標準化へ取り組む様になるか? 残念ながら、ならない。誰一人動く者はいない。その理由は、何か?

人は、他人の利益の為に自分が損する(=犠牲になる)事を嫌う。標準化すれば業務効率が上がり、ムダも減る。これは、他ならぬ設計者自身が十分に承知している。今まで先人達が手を着けていないのに、自分から犠牲になる必要が有るのか? 必要ならば、皆でやれば良いではないか? 別に困っている訳ではない。この気持ちが設計者間に有る限り、標準化は進まない。

人は、日頃から信頼感情を持てない人の言う事を信用しない。論理が正しい、損得の有無だけでは、感情を突き動かす事が出来ない。従って上司と部下の間に信頼感が醸成されない状態では、感情的に反発し決して動かない。日頃から反感を持つ上司に対して決して動かない。表面上は従う振りをしながら、サボタージュする形で実質は従わない。「忙しかったから、良く理解できなかったから、遣り方が分からなかったから、いや忘れました」などの言い訳が用意される。

上司が部下を期待通りに動く事を望む場合には、相手を説得出来る論理は必要である。しかし同時に部下の利益(損得勘定)に配慮する。また信頼感情(反感鬱積)に配慮する。これを日頃忘れない。上司は部下を期待通りに動かせなければ、望む成果は期待出来ない。部下が仕事をしようとする動機(論理・損得勘定・信頼感情)に配慮する。先ず日頃の仕事で、判断に間違いが無い信頼できる模範を積み上げ示す必要がある。その方法とは、何が必要か?

御社では、下記へ列挙した事項等が発生・繰返されてはいませんか ?

  1. 標準開発方法・標準設計方法が確立されず、担当者それぞれが、自己流で取組み、クレーム・トラブル発生を繰り返す「ムリ」をしていませんか ?
  2. 習熟と能力向上教育を系統的に行わず、担当者が代ると対応できず、納期遅れを発生させる所要期間の「ムラ」を生じさせていませんか ?
  3. 着手時にその都度担当者が注意すれば防げる間違いを、後から設計審査や検図で見付ける「ムダ」を繰返していませんか ?
  4. 開発・設計で良いこと、必要なこと、やるべきこと、増やし度いこと、悪いこと、不要なこと、止めるべきこと、減らし度いこと等を、幹部・管理者が、きちんと「整理」法を指導しないため、担当者が判断に迷って、チームやグループの業務効率低下を生じさせていませんか ?
  5. 年間担当者1人当りの処理テーマ件数、1テーマ当りの所要時間、担当者毎の業務習熟度、担当者が毎回発生させているクレーム・トラブルの実態、間違いの原因と防止法等を、幹部・管理者が、日頃きちんと「整頓」法を指導しないため、担当者へ管理が行き届かず、チームやグループの業務効率の低下を生じさせていませんか?
  6. 機能4値(目標値・限界値・保証値・外部規格値)と製造4値(製造目標値・製造許容値・設計許容値・製造限界値)の設定法、間違いとクレームの関連、基本仕様のまとめ法、試験データの解析・判定・評価法、標準設計方法としての手順の設定法等を、幹部・管理者が、日頃きちんと「清潔」法を指導しないため、担当者に後戻り業務を多発させ、チームやグループの業務効率低下を生じさせていませんか?
  7. 間違い防止の事前・途中の注意法、間違い発生時の対応法、クレーム発生時の再現法、図書差し替えの低減法、クレーム・トラブル結果の資料へ反映法等を、幹部・管理者が、日頃きちんと「清掃」法を指導しないため、担当者に「ムリ・ムラ・ムダ」を繰り替えさせ、チームやグループの業務効率低下を生じさせていませんか?
  8. 製品欠陥事故発生に伴う企業信用低下、出図間違いに伴う製造の損害、出図納期遅れに伴う他部署の負担増加、図書間違いに伴う先輩・上司点検負担の増加等を、幹部・管理者が、日頃きちんと「躾」法を指導しないため、チームやグループへ業務効率低下を生じさせていませんか?

前述開発・設計業務の効率低下に継がるムリ・ムラ・ムダ・整理・整頓・清潔・清掃・躾不備発生の理由は、「技術部門部・課長幹部管理者に必要なマネジメントの役割・実務と要点を十分理解していない」ことが主要な原因です。

管理者に必要なマネジメントの原則とは、市場で競争力のある商品・製品を企画・開発・設計できる仕組み、品質を向上する仕組み、納期を短縮する仕組み、コストを安くする仕組み、効率と生産性を高める仕組みを企業と時代の要求に合わせて構築し、運用し、より改良を継続することが、求められる主な役割です。

今回のセミナーでは、講師のコンサルタントとしての指導体験から、売れる商品企画・開発・設計の仕組み、品質向上の仕組み、納期短縮の仕組み、コスト低減の仕組み、業務効率・生産性向上の仕組み構築法をマネジメントの視点から具体的に分かり易く解説・紹介致します。

セミナーでの研修ポイント

  1. 設計部課長に必要なマネジメントの原則とポイント
  2. 商品企画・開発設計を効率良く進める仕組み構築法の原則と運用のポイント
  3. 品質を効率良く向上する設計の仕組み構築法の原則と運用のポイント
  4. 納期を効率良く短縮する設計を進める仕組み構築法の原則と運用のポイント
  5. コストを効率良く安く設計する仕組み構築法の原則と運用のポイント
  6. 業務効率・生産性を高める設計の仕組み構築法の原則と運用のポイント
  7. 短期戦力化を効率良く進める教育の仕組み構築法の原則と運用のポイント
  8. 業務評価の仕組み構築法の原則と運用のポイント

セミナープログラム

1・部課長幹部に必要なマネジメントの原則とポイント
1−(1)マネジメントとは、時代要求に合った必要な開発・設計の仕組みを創ること
1−(2)創った仕組みを成果がでる様きちんと運用すること
1−(3)仕組みを継続して更により改良すること

2・競争力のある商品企画・開発・設計を進める仕組み構築法
2−(1)商品企画を効率良く立案する仕組みとステップ
2−(2)開発を効率良く進める仕組みとステップ
2−(3)設計を効率良く進める仕組みとステップ

3・品質を向上する設計の仕組み構築法
3−(1)基本仕様を効率良くまとめる仕組みとステップ
3−(2)途中点検(設計審査・検図)を効率良く進める仕組みとステップ
3−(3)後戻り業務をなくす仕組みとステップ

4・納期をより短縮する設計を進める仕組み構築法
4−(1)見積りと大日程表を効率良くまとめる仕組みとステップ
4−(2)日程遅れを防止する日程表作成の仕組みとステップ
4−(3)遅延回復対策を効率良く行なう仕組みとステップ

5・コストをより安く設計する仕組み構築法
5−(1)商品コストを安く設計する仕組みとステップ
5−(2)開発・設計所要コストを安くする仕組みとステップ
5−(3)市販規格品を効率的に活用する仕組みとステップ

6・業務効率・生産性を高める設計の仕組み構築法
6−(1)標準化を時間節約へ役立てる仕組みとステップ
6−(2)外注補助者・協力者を効果的に活用する仕組みとステップ
6−(3)機械(コンピュータ)を有効に活用する仕組みとステップ

7・短期戦力化を進める教育の仕組み構築法
7−(1)経験がないテーマへ着手する開発法修得の仕組みとステップ
7−(2)蓄積ノウハウを短期習熟する仕組みとステップ
7−(3)上司・先輩指導負担を軽減する仕組みとステップ

8・業務評価の仕組み構築法の原則と運用のポイント
8−(1)業務評価の仕組みとステップ
8−(2)部下自己啓発目標管理の仕組みとステップ
8−(3)後継者育成の仕組みとステップ

〇質疑応答およびコンサルテーション

セミナー講師

伊豫部将三 氏
伊豫部技術士事務所 所長
技術士(機械部門)
設計力向上委員会代表

富士重工(株)生産技術部門へ17年間勤務後,1974年(昭和49年)伊豫部技術士事務所を開設,工場生産合理化・IE改善業務,技術開発・製品設計部門・生産技術部門改善等のコンサルタントとして活躍中。海外企業の指導経験も豊富。(社)日本技術士会・機械部長,理事を歴任。

主な著書に「組立・ハンドリング自動化実例図集」,「品質機能展開(QFD)表事例集」(新技術開発センター刊),「設計の経験則101」,「設計者の心得と実務101」,「設計のマネジメント101」,「設計の基本仕様51」,「設計の故障解析51」,「設計の凡ミス退治101」,「設計のムダ退治101」など多数。

セミナー受講料

25,000円(消費税込)※テキスト代を含みます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:00

受講料

25,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

技術マネジメント総合   人的資源マネジメント総合   経済性工学

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技術マネジメント総合   人的資源マネジメント総合   経済性工学

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