荷主のハートに刺さる提案とは

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1. 質問力で勝負

 提案営業と言われて何年も経ちます。皆さんそれぞれ荷主に対して何かしらの提案を行っているものと思います。提案をしないと取引条件はどんどん厳しくなるようです。それは特に価格面で言えるようです。荷主としては物流会社からの提案を期待しているのですが、それが無い場合には価格を攻めることになるのです。本来であれば自社の物流を診断してくれ、その弱点を補強するような提案が欲しいところなのでしょう。しかし期待していた提案が無いとすれば物流会社間は価格でしか差がつかないのです。この傾向は無くならないと思われます。物流商品で差がつかないのであれば、同じものであれば少しでも安く調達したいと考えるのはごく自然なことであるからです。
 
 一方であまり同業他社ができていないのであれば、ここで一念発起し荷主の心に刺さる提案を考えてみてはいかがでしょうか。まずは現在取引のある荷主に提案をしてみましょう。この提案は小さな提案でも良いのですが、そのポイントは次の二つのいずれかを満たすことが重要です。
 
  (1) 荷主の困っていること、不満に思っていることに対する解決策
  (2) 荷主が思いもよらない有意義な提案
 
 このいずれかを満たす提案でないと、的外れな提案となる可能性があります。やはり荷主の心に刺さる提案を心がけるのであれば、まず、荷主にいろいろなことをヒアリングするのが手っ取り早いと思います。そこで荷主にアポイントを取って訪問します。そして、次のような質問を投げかけてみるのです。
 
  ・最近物流で困っていることはありませんか。
  ・今の物流の中で不便を感じていることはありませんか。
  ・弊社が提供している物流業務に、ご不満な点はありませんか。
 
 このような質問を投げかけ、荷主側の反応を待ちます。きっと何かしらの反応があるはずです。それがわかればしめたものです。それに対する対応策をできるだけ早く持って行けばよいのです。クイックレスポンスがキーワードです。
 

2. 荷主の物流現場診断を

 荷主を訪問した時にもう一つすべきことがあります。それは荷主の物流現場を見せてもらうことです。この場合の「見る」は「診る」という標記の方がふさわしいかもしれません。つまり、ただ単に現場の状況を見るのではなく、その現場にどのような問題が潜んでいるのか、その問題を解決するにはどのような方策が考えられるかを考えながら診るのです。要は荷主の物流現場を診断するということになります。
 
 荷主の物流現場の担当者に困りごとを聞きながら実際にその状況を把握します。自分でも荷主の言っていることを納得できるまで状況をきちんと把握することが必要になるのです。そしてまた、荷主と会話を行います。自分が荷主の物流現場を診て感じたことを率直に話し、それに対する荷主の見解を確認します。ここまでやってくれば大体何を提案したらよいのかがわかります。何を解決してあげれば荷主の思いと合致するのかもわかります。これで初めて提案ができたと言えるのです。どうでしょうか。今まで何を提案したらよいかわからなかったという方も、おぼろげながらでもご理解いただけたのではないでしょうか。
 
 物流会社の問題として、提案に至るまでに二つのハードルがあるような気がします。一つ目が荷主との会話です。二つ目が荷主の現場診断です。この二つのハードルを越えない限り提案はできません。しかし多くの会社がこの二つをやろうとしません。それはなぜなのでしょうか。
 
 荷主との話をしたがらない物流会社を多く見かけます。顔を合わせば値下げの話をされると思い込んでいるのでしょうか。そのような態度ではいかにも自信なさそうに見えて、荷主は逆にその物流会社との取引を続けたいとは思わないかもしれません。
 
  SCM
 

3. 工場内物流の受注を

 メーカー荷主を顧客にする場合にはまず工場内物流を受注することを勧めています。これには大方の方が賛同してくださっているのですが、それには理由があるのです。工場の中に入り込んで仕事をすることは一種の特権とでも言えるのではないでしょうか。なぜなら、工場はその会社にとって秘匿情報の塊だからなのです。
 
 いったん工場に入り込むことになれば、その工場で働く正社員と同じ場所で仕事をすることになります。一部のエリアを限った請負作業では秘匿情報から遮断されることもありますが、工場内を縦横無尽に動き回る物流ではそういうわけにはいきません。そこでその会社の将来情報などを入手でき、自社が今後その会社のビジネスを展開するにあたって有利な立場を得られることになるのです。
 
 また、工場内物流は生産活動と一体であると考えられます。つまり、物流が途絶えれば生産に支障が出る可能性があるのです。極めて重要な立場にあると言えるのです。工場内物流を受注しようとしたけれどもうまくいか...

1. 質問力で勝負

 提案営業と言われて何年も経ちます。皆さんそれぞれ荷主に対して何かしらの提案を行っているものと思います。提案をしないと取引条件はどんどん厳しくなるようです。それは特に価格面で言えるようです。荷主としては物流会社からの提案を期待しているのですが、それが無い場合には価格を攻めることになるのです。本来であれば自社の物流を診断してくれ、その弱点を補強するような提案が欲しいところなのでしょう。しかし期待していた提案が無いとすれば物流会社間は価格でしか差がつかないのです。この傾向は無くならないと思われます。物流商品で差がつかないのであれば、同じものであれば少しでも安く調達したいと考えるのはごく自然なことであるからです。
 
 一方であまり同業他社ができていないのであれば、ここで一念発起し荷主の心に刺さる提案を考えてみてはいかがでしょうか。まずは現在取引のある荷主に提案をしてみましょう。この提案は小さな提案でも良いのですが、そのポイントは次の二つのいずれかを満たすことが重要です。
 
  (1) 荷主の困っていること、不満に思っていることに対する解決策
  (2) 荷主が思いもよらない有意義な提案
 
 このいずれかを満たす提案でないと、的外れな提案となる可能性があります。やはり荷主の心に刺さる提案を心がけるのであれば、まず、荷主にいろいろなことをヒアリングするのが手っ取り早いと思います。そこで荷主にアポイントを取って訪問します。そして、次のような質問を投げかけてみるのです。
 
  ・最近物流で困っていることはありませんか。
  ・今の物流の中で不便を感じていることはありませんか。
  ・弊社が提供している物流業務に、ご不満な点はありませんか。
 
 このような質問を投げかけ、荷主側の反応を待ちます。きっと何かしらの反応があるはずです。それがわかればしめたものです。それに対する対応策をできるだけ早く持って行けばよいのです。クイックレスポンスがキーワードです。
 

2. 荷主の物流現場診断を

 荷主を訪問した時にもう一つすべきことがあります。それは荷主の物流現場を見せてもらうことです。この場合の「見る」は「診る」という標記の方がふさわしいかもしれません。つまり、ただ単に現場の状況を見るのではなく、その現場にどのような問題が潜んでいるのか、その問題を解決するにはどのような方策が考えられるかを考えながら診るのです。要は荷主の物流現場を診断するということになります。
 
 荷主の物流現場の担当者に困りごとを聞きながら実際にその状況を把握します。自分でも荷主の言っていることを納得できるまで状況をきちんと把握することが必要になるのです。そしてまた、荷主と会話を行います。自分が荷主の物流現場を診て感じたことを率直に話し、それに対する荷主の見解を確認します。ここまでやってくれば大体何を提案したらよいのかがわかります。何を解決してあげれば荷主の思いと合致するのかもわかります。これで初めて提案ができたと言えるのです。どうでしょうか。今まで何を提案したらよいかわからなかったという方も、おぼろげながらでもご理解いただけたのではないでしょうか。
 
 物流会社の問題として、提案に至るまでに二つのハードルがあるような気がします。一つ目が荷主との会話です。二つ目が荷主の現場診断です。この二つのハードルを越えない限り提案はできません。しかし多くの会社がこの二つをやろうとしません。それはなぜなのでしょうか。
 
 荷主との話をしたがらない物流会社を多く見かけます。顔を合わせば値下げの話をされると思い込んでいるのでしょうか。そのような態度ではいかにも自信なさそうに見えて、荷主は逆にその物流会社との取引を続けたいとは思わないかもしれません。
 
  SCM
 

3. 工場内物流の受注を

 メーカー荷主を顧客にする場合にはまず工場内物流を受注することを勧めています。これには大方の方が賛同してくださっているのですが、それには理由があるのです。工場の中に入り込んで仕事をすることは一種の特権とでも言えるのではないでしょうか。なぜなら、工場はその会社にとって秘匿情報の塊だからなのです。
 
 いったん工場に入り込むことになれば、その工場で働く正社員と同じ場所で仕事をすることになります。一部のエリアを限った請負作業では秘匿情報から遮断されることもありますが、工場内を縦横無尽に動き回る物流ではそういうわけにはいきません。そこでその会社の将来情報などを入手でき、自社が今後その会社のビジネスを展開するにあたって有利な立場を得られることになるのです。
 
 また、工場内物流は生産活動と一体であると考えられます。つまり、物流が途絶えれば生産に支障が出る可能性があるのです。極めて重要な立場にあると言えるのです。工場内物流を受注しようとしたけれどもうまくいかなかった、という話を耳にしました。それは的を外しているからではないかと思います。工場内物流にはその役割と優先順位というものがあります。
 
 第一の役割は「サービス業」としての役割です。生産ラインの生産性を向上させるためにとことんサービスを行うことです。第二の役割は「司令塔」としての役割です。資材や部品を必要数だけタイムリーに供給することで生産統制を行うことです。第三に役割は「自ら効率化する」役割です。いかに少ないコストで効率的な物流を行うかが求められるのです。
 
 この三つの役割を実施する旨を明確に荷主に伝えることで工場内物流を受注することが容易になるのです。まずこの点をしっかりと理解していただきたいと思います。この三つの役割の話は荷主のハートにしっかりと刺さるものと思われます。そして、工場内物流をきっちりと実行できればその後に輸送業務の受注が待っていると考えられます。
 
 どうも荷主にしてみると物流会社からの提案の少なさに物足りなさを感じているようです。ぜひ、荷主との会話から入り、相手のハートに刺さる提言をしていっていただきたいと思います。ライバル会社がやっていない今がチャンスと言えるでしょう。
  

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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