SCMとS&OP

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1. 物流とS&OP

 S&OP(Sales and operation)とは、今までのSCMの概念に加え、販売や経営の要素を加えたものです。市場の変化や客先のオーダー変更を速やかに把握し、それを経営の意思判断材料として織り込んでいくことが求められます。会社は中期経営計画や年度計画を作成していますが、自社を取り巻く環境が変化すれば、既存の計画も変更しなければなりません。
 
 その時にポイントとなるのが会社収益計画の状況も見ながら、当初の目標を達成できるように会社を導いていくことにあるのではないでしょうか。従来は計画の変更は「量のマネジメント」が中心でしたが、「金額のマネジメント」がより重要度を増しています。
 
 企業は年度計画を策定した後に実際に生産を行う場合には当初計画を変更します。需要予測が実際に販売する段階となるとそれが外れていることに気づきます。当然のことながら当初計画を修正することになります。計画変更を繰り返すことで市場の要望に極力近づけていくことになるのです。これをやらない会社も結構あるのです。一度決めた計画を死守した結果、需要が外れた場合は売りのがしを発生させたり、不要在庫を発生させたりするのです。第一歩としての「量のマネジメント」の例を示します。
 
 (1) 中期経営計画:3ヶ年の生産計画
 (2) 年度計画:1年度の生産計画(月別内訳)
 (3) 6ヶ月計画:上期・下期の月別生産計画
 (4) 3ヶ月計画:向こう3ヶ月の生産計画(当月確定、次月・次々月は内示)
 (5) 月次計画:月間生産計画(日別内示)
 (6) 週次計画:週別生産計画
 (7) デイリー計画:日々の確定生産計画
 

2. S&OP:市場情報の把握

SCM
 S&OPの狙いの一つに市場情報を的確に把握し、それを自社の生産等の計画に反映していくことがあります。市場の変化のスピードは速まってきています。経営のスピードもそれと同様に速めなければなりません。物流業も例外ではありません。市場の動向、顧客の動向を常にウオッチしながら効率的な経営をしていくことが求められるのです。
 
 あるメーカーでは7種類の生産計画を持っています。これを自社だけではなく、協力会社にも情報提供することでサプライチェーン全体の効率を上げようとしているのです。物流会社も積極的にこの情報を活用しなければなりません。また、もしこの中でもらえていない情報があれば、それは自ら取りに行くべきでしょう。たとえば中期経営計画(3か年の生産計画)では今後の物流インフラの整備にあたっての貴重な情報として活用することが可能です。いつトラックを増車しなければならないのか、倉庫スペースの拡張はいつまでにやっておくべきなのか、物流人材の育成タイミングはいつなのか、こういった検討アイテムの参考となるのが中期経営計画上の生産台数情報なのです。
 
 会社によっては物流検討のために中期経営計画上の生産台数に基づいた「物流量」を算出しているところもあります。物流側にしてみれば物流量がわかるのがベストですから、こういった情報があるかどうかもしっかりと聞いておきましょう。中期経営計画ではイベント情報も入手しましょう。たとえばいつ頃新工場が立ち上がるのか、どのような新製品がいつ頃立ち上がるのかなどの情報は物流に大きなインパクトを与えます。
 
 単なる「量の情報」にとどまらず、「イベント情報」をできるだけ正確に聞き出すことが重要になってくるのです。国産の資材ではなく輸入資材を多く使うようになるといった情報も重要です。もし輸入の扱いができないのであれば仕事が先細りする可能性があるからです。以上のような情報はただ待っているだけでは入手できません。積極的に顧客のところに出かけて行って収集する必要があるのです
 

3. S&OP:顧客情報の活用

 顧客から予測情報をもらうことは先々の仕事の段取りを考えていくためには大切なことです。ただ日々の確定情報だけで仕事をしているのであれば、それは考え直す必要がありそうです。多くの物流センターの現場で話を伺うと、当日の午前に出荷情報をもらい、夕方までに出荷準備を行うというパターンが見えてきます。どちらかというと、そのオーダーに振り回されて仕事をしているという感があります。
 
 しかし、顧客は単なる行き当たりばったりのオーダーをしているだけではありません。その月の販売計画や、場合によっては次月、次々月の予定も持っている可能性があるのです。こういった情報は取りに行かないともらえない可能性があります。今までは待ちの姿勢でいたのであれば、今後は積極的に情報を取りに行く姿勢が必要です。このような先の情報を内示情報と呼びます。内示であって確定ではありませ...

1. 物流とS&OP

 S&OP(Sales and operation)とは、今までのSCMの概念に加え、販売や経営の要素を加えたものです。市場の変化や客先のオーダー変更を速やかに把握し、それを経営の意思判断材料として織り込んでいくことが求められます。会社は中期経営計画や年度計画を作成していますが、自社を取り巻く環境が変化すれば、既存の計画も変更しなければなりません。
 
 その時にポイントとなるのが会社収益計画の状況も見ながら、当初の目標を達成できるように会社を導いていくことにあるのではないでしょうか。従来は計画の変更は「量のマネジメント」が中心でしたが、「金額のマネジメント」がより重要度を増しています。
 
 企業は年度計画を策定した後に実際に生産を行う場合には当初計画を変更します。需要予測が実際に販売する段階となるとそれが外れていることに気づきます。当然のことながら当初計画を修正することになります。計画変更を繰り返すことで市場の要望に極力近づけていくことになるのです。これをやらない会社も結構あるのです。一度決めた計画を死守した結果、需要が外れた場合は売りのがしを発生させたり、不要在庫を発生させたりするのです。第一歩としての「量のマネジメント」の例を示します。
 
 (1) 中期経営計画:3ヶ年の生産計画
 (2) 年度計画:1年度の生産計画(月別内訳)
 (3) 6ヶ月計画:上期・下期の月別生産計画
 (4) 3ヶ月計画:向こう3ヶ月の生産計画(当月確定、次月・次々月は内示)
 (5) 月次計画:月間生産計画(日別内示)
 (6) 週次計画:週別生産計画
 (7) デイリー計画:日々の確定生産計画
 

2. S&OP:市場情報の把握

SCM
 S&OPの狙いの一つに市場情報を的確に把握し、それを自社の生産等の計画に反映していくことがあります。市場の変化のスピードは速まってきています。経営のスピードもそれと同様に速めなければなりません。物流業も例外ではありません。市場の動向、顧客の動向を常にウオッチしながら効率的な経営をしていくことが求められるのです。
 
 あるメーカーでは7種類の生産計画を持っています。これを自社だけではなく、協力会社にも情報提供することでサプライチェーン全体の効率を上げようとしているのです。物流会社も積極的にこの情報を活用しなければなりません。また、もしこの中でもらえていない情報があれば、それは自ら取りに行くべきでしょう。たとえば中期経営計画(3か年の生産計画)では今後の物流インフラの整備にあたっての貴重な情報として活用することが可能です。いつトラックを増車しなければならないのか、倉庫スペースの拡張はいつまでにやっておくべきなのか、物流人材の育成タイミングはいつなのか、こういった検討アイテムの参考となるのが中期経営計画上の生産台数情報なのです。
 
 会社によっては物流検討のために中期経営計画上の生産台数に基づいた「物流量」を算出しているところもあります。物流側にしてみれば物流量がわかるのがベストですから、こういった情報があるかどうかもしっかりと聞いておきましょう。中期経営計画ではイベント情報も入手しましょう。たとえばいつ頃新工場が立ち上がるのか、どのような新製品がいつ頃立ち上がるのかなどの情報は物流に大きなインパクトを与えます。
 
 単なる「量の情報」にとどまらず、「イベント情報」をできるだけ正確に聞き出すことが重要になってくるのです。国産の資材ではなく輸入資材を多く使うようになるといった情報も重要です。もし輸入の扱いができないのであれば仕事が先細りする可能性があるからです。以上のような情報はただ待っているだけでは入手できません。積極的に顧客のところに出かけて行って収集する必要があるのです
 

3. S&OP:顧客情報の活用

 顧客から予測情報をもらうことは先々の仕事の段取りを考えていくためには大切なことです。ただ日々の確定情報だけで仕事をしているのであれば、それは考え直す必要がありそうです。多くの物流センターの現場で話を伺うと、当日の午前に出荷情報をもらい、夕方までに出荷準備を行うというパターンが見えてきます。どちらかというと、そのオーダーに振り回されて仕事をしているという感があります。
 
 しかし、顧客は単なる行き当たりばったりのオーダーをしているだけではありません。その月の販売計画や、場合によっては次月、次々月の予定も持っている可能性があるのです。こういった情報は取りに行かないともらえない可能性があります。今までは待ちの姿勢でいたのであれば、今後は積極的に情報を取りに行く姿勢が必要です。このような先の情報を内示情報と呼びます。内示であって確定ではありませんが、先を見越して仕事をするためには貴重な情報なのです。
 
 物流業務の効率化のカギは「平準化」です。日によって波動が大きいと仕事の効率に支障が出ます。この波動はやむを得ないものという考え方が物流現場には多いようですが、その考え方は正しいとは言えません。顧客の内示情報を極力入手し、仕事の前倒しなどによって平準化を図ることが必要なのです。仮に内示情報を入手できなくても「過去の実績」があります。このデータを基に将来を予測することも一つの方法です。
 
 S&OPでは経営の意思決定を速く、正しく行っていくことも目的の一つです。この意思決定のためには「量の概念」を「金額の概念」に置き換えていかなければならないのです。先に挙げた7つの情報で自社の売り上げがどのように変化するのか、収益へのインパクトはどうなるのか、それを狙っていた水準に保つためにはどうすべきなのかについて考えていかなければなりません。
 
 まずは情報を取ること、次に量の変化を金額に換算して経営で論議をすること、そして対策を打っていくこと、このステップが物流でのS&OPです。
 

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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