クリーン化:二重袖のクリーンスーツ

1. クリーンスーツ

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 クリーンルームの中でのゴミの最大の発生源、汚染源は人です。人から発生するゴミをクリーンルーム内に撒き散らさないことを目的として、防塵衣(クリーンスーツ)は、クリーンルームに入る時に着用します。クリーンルームの4原則は、持ち込まない、発生させない、堆積させない、排除する、ですが、このうちの、発生させない、の項に防塵衣着用の目的は該当します。
 

2. 二重袖のクリーンスーツ

 この防塵衣は色々な種類がありますが、クリーンルームの清浄度や作業内容など使用条件によって使い分けます。二重袖の防塵衣は、清浄度が高いクリーンルーム、或いは手作業が多く、袖口が製品に近いため製品品質に影響を与える可能性がある場合などを考慮して採用されています。
 
 このように二重袖は袖付近からの発塵を特に考慮していますが、その目的に合った着用方法をしないと、袖を二重にするというお金をかけても、品質は向上しない場合があります。
 

3. 二重袖の着用方法

(1) インナー手袋をし、その後防塵衣を着用します。
 インナー手袋を最初にする理由は、素手で防塵衣を掴まない。素手に付着している皮膚や汗、ゴミなどを防塵衣の清浄度の高い部分、つまり表面に転写させないことが目的の一つです。
(2) インナー手袋の上から内側の袖を被せます。
(3) その上にアウター手袋をします。
(4) その上から外側の袖を被せます。
 
 このように着用することで、人から発生したゴミは、いきなり袖から噴き出すことが出来ず、内側の袖から出たゴミは、アウター手袋に入り、折り返してきた場合も外側の袖に捕捉されます。こうすることで、全くゴミが外に出ないかというと完ぺきではないのですが、折り返しを作ることで、ゴミが外に出るまでの距離を長くすることになります。距離が長いことと、折り返しの動きが必要になるため、ゴミがなかなか外には出にくい状態になります。ゴミの噴き出しを極小化する考え方です。
 

4. クリーンスーツの着用と注意点

 この重ねの順番を守らず、内袖と外袖を一緒にアウター手袋の上に被せても、きちんと順番通りに着用した場合と同じに見えます。ただし、袖が一つの防塵衣と同じですので、順番通りに着用した場合に比べ発塵が多いことになります。冒頭にも書きましたが、お金をかけて、折角二重袖にしても、このような着用の仕方では、効果が期待できません。
 

5. クリーン化教育

 清浄度の高いクリーンルームは、この辺のルールも標準化されていたり、厳しい指導があると思いますが、手作業などの工程や、清浄度のあまり高くないクリーンルームで採用されているところでは、あまり指導が行き届いていないところが多いように感じます。
 
 なぜそうするのか、その目的をきちんと教えておかないと、面倒なことは省かれてしまいます。単に白い服を着て安心するということです。防塵衣の二重袖については、クリーン化教育や新入社員教育の項目にも入れ、その目的と効果を理解させることが重要です。
 

この記事の著者

清水 英範

ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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