購買業務の要点:必要とされる購買人財とは

更新日

投稿日

 SCM私たちのビジネスは協力会社さんの協力なしには成立しません。もちろん、サプライヤーさんにとっても、私たち購買サイドが無ければやっていけないわけです。ということで、お互いにWin-Winになるような『しかけ』が必要になります。私たちは品質の良いものをより安く購入できることを目指します。
 
 サプライヤー側では、より取引額が拡大するように望むでしょう。これを共通目標と意識することでどのような活動を実施していくべきかについて、検討する必要が出てくるのです。
 
 私たちが求める品質を出してもらうためには品質目標を定め、それを達成できるように支援していくことが重要です。サプライヤーの製造現場があまりにも乱雑で、5Sができていないようであると品質不良は当然のごとく発生します。このような場合には、5Sへの正しい取り組み方を教えて、一緒に、5Sの達成目標を設定して改善に取り組むことです。
 
 よりよい価格で購入を求めているにもかかわらず、サプライヤーが材料費で四苦八苦しているのであれば、こちらから材料を支給してあげることも一つの方法です。このようにお互いのメリットのためにはお互いが汗をかく活動が必要になるのです。特に東南アジアのサプライヤーは、まだまだQDCの向上に対する取組もノウハウも不足しています。
 
 ここで日本の優れた管理技術を導入してあげると非常に効果があると思われます。東南アジアの会社はこのような技術の吸収に前向きですから、ぜひ指導してあげるとよいでしょう。もしかして、彼らに指導をしたところで言うことを聞いてくれないのではないか、と懸念を抱く人もいるかもしれません。
 
 確かに多くの会社の方が東南アジアで改善が進まずに悩まれている事実もあります。しかし、ここは指導力の問題ということで自分たちの責任と考えたら如何でしょ...
 SCM私たちのビジネスは協力会社さんの協力なしには成立しません。もちろん、サプライヤーさんにとっても、私たち購買サイドが無ければやっていけないわけです。ということで、お互いにWin-Winになるような『しかけ』が必要になります。私たちは品質の良いものをより安く購入できることを目指します。
 
 サプライヤー側では、より取引額が拡大するように望むでしょう。これを共通目標と意識することでどのような活動を実施していくべきかについて、検討する必要が出てくるのです。
 
 私たちが求める品質を出してもらうためには品質目標を定め、それを達成できるように支援していくことが重要です。サプライヤーの製造現場があまりにも乱雑で、5Sができていないようであると品質不良は当然のごとく発生します。このような場合には、5Sへの正しい取り組み方を教えて、一緒に、5Sの達成目標を設定して改善に取り組むことです。
 
 よりよい価格で購入を求めているにもかかわらず、サプライヤーが材料費で四苦八苦しているのであれば、こちらから材料を支給してあげることも一つの方法です。このようにお互いのメリットのためにはお互いが汗をかく活動が必要になるのです。特に東南アジアのサプライヤーは、まだまだQDCの向上に対する取組もノウハウも不足しています。
 
 ここで日本の優れた管理技術を導入してあげると非常に効果があると思われます。東南アジアの会社はこのような技術の吸収に前向きですから、ぜひ指導してあげるとよいでしょう。もしかして、彼らに指導をしたところで言うことを聞いてくれないのではないか、と懸念を抱く人もいるかもしれません。
 
 確かに多くの会社の方が東南アジアで改善が進まずに悩まれている事実もあります。しかし、ここは指導力の問題ということで自分たちの責任と考えたら如何でしょうか。単なる押しつけでは相手は動きません。コーチングの手法も織り交ぜながら、どうしたら相手が動いてくれるのかを研究しながら進めてみましょう。このような指導力こそが今の購買担当者には求められているのです。単なる値切り屋ではなく、トータルQDCを向上させ、サプライヤーを育成できる人こそが今後必要とされる購買人財なのです。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
配送のジャストインタイム、クロスドッキングとは

   物流は、メーカーの工場から小売店への小口配送までの間に、卸またはメーカーの物流倉庫という大口の配送・保管工程が介在するのが一般的です...

   物流は、メーカーの工場から小売店への小口配送までの間に、卸またはメーカーの物流倉庫という大口の配送・保管工程が介在するのが一般的です...


コア・コンピタンスを再定義する

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...


SCM効率を評価するKPIの新提案:最終回 SCM最前線 (その16)

   前回のその15に続いて解説します。   5. 面積原価によるSCM改革・改善の方針    これまで、面積原価...

   前回のその15に続いて解説します。   5. 面積原価によるSCM改革・改善の方針    これまで、面積原価...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
おかしな物流設計:海外物流での勘所(その1)

  ◆おかしな物流設計 メーカーの海外進出は大企業にとどまらず、中小メーカーでも一般的になりました。工場を建てて日本で培った技術をベース...

  ◆おかしな物流設計 メーカーの海外進出は大企業にとどまらず、中小メーカーでも一般的になりました。工場を建てて日本で培った技術をベース...


価格見積もりの統一性とは 物流を測定するツールを導入する(その1)

◆ 物流見積もり作成時の基準  私たち消費者は、商品やサービスを購入する時にカタログを見ます。カタログには商品と希望小売価格が提示されています。にも...

◆ 物流見積もり作成時の基準  私たち消費者は、商品やサービスを購入する時にカタログを見ます。カタログには商品と希望小売価格が提示されています。にも...


作業改善と工程改善 物流現場改善の成功のポイント(その3)

        物流現場改善の方法として、作業改善と工程改善の2点について考えていきましょう。   1. 作業改善  作業改善はその名の通...

        物流現場改善の方法として、作業改善と工程改善の2点について考えていきましょう。   1. 作業改善  作業改善はその名の通...