社風が変わる機会とは

 
某企業のトップが社内の悪しき慣習を断ち切り、風通しの良い社風へ生まれ変わろうと奮闘している報道を読みました。巨額な赤字を生み出した原因は経営判断の誤りにあると見なされているのですが、その背景には強烈過ぎたトップダウンと現場の声が伝わらない社風にあると経営層は考えているようです。
 
 経営層は、全国各地の拠点を飛び回り現場の人の声を積極的に聞き、現場の声が伝わる社風に変えていく意思を身をもって示そうとしています。アポ無し訪問も珍しく無く、対応する側の準備を控えさせる目的もあるようです。
 
 老舗系の企業に属したことがあるので良くわかりますが、社長が来ると大名行列になり、数日前から清掃を行い、お客様より上等対応じゃないかと思う事も度々ありました。ただ、視点を変えれば大掃除をする良い切っ掛けになるので悪い事ばかりじゃないとポジティブに受け止めていましたが、違和感を感じていたことは事実です。
 
 トップダウンかどうかは別として、大名系企業は風通しが悪いところが多いようです。組織が大きすぎて末端までの意見を吸い上げきれないし、吸い上げようとしない社風が出来上がってるからです。現場も、自分らの意見を伝えたくても届かないし、聞いてもくれないから意味が無いと既に諦めています。
 
 このような企業に限らず社風が会社の健康状態を左右する事実は否定出来ないと思います。数人の小さな会社なら風が通る隙間も多いですから淀む場所も無いでしょうが、社員が増えて規模が大きくなると段々遮る障害物も増えてきます。
 
 社員が100名を超えると社風は固まり、変わるのは難しいと言われます。100名でそうなのですから万単位の大企業は言うに及ばずです。一端定着した社風は変えられるのでしょうか、どうやったら可能なのでしょうか。
 
 次のような場合、社風が変わる機会があるようです。
 
   1.経営者が優れたリーダーシップを持った人にバトンタッチした 
   2.倒産に近い危機的状況に陥った 
   3.会社が買収され組織や周辺環境が一変した 
   4.社員の多くが退職もしくはリストラで大半の人材が入れ替わった
 
 留意して頂きたいのは、上記の要因で社風が変わる可能性はあるけれど、必ず変わるわけでは無いということです。1を除き、大きな危機に直面して初めて変わる可能性が生まれるということでしょうか。
 
 危機に直面した後に、その後、優れたリーダーの元で生まれ変るのが一般的な変遷かもしれません。単なるリーダーシップでは無く、強い信念を備えていることも必須要素でしょう。
 
 冒頭の企業は、個人的には一消費者としては比較的高く評価しています。以前は大手に出来ない個性的な製品で勝負する開拓者スピリッツが感じられました。
 
 成長して大手と方を並べるようになってからは納入業者に対し妙な牽制を感じました。「他の大手メーカーよりも質の悪いものを納めているんじゃないか?」と詰め寄られたのは1、2度じゃありません。 完全に被害妄想なのですが、何故そういう考えに行き着くのか不思議でした。
 
 実際にそのような対応を受けたせいかもしれませんが、何となく意固地な三流コンプレックスの社風を感じた事を思い出しました。経営層の取り組みを一消費者として応援したいと思います。
 

この記事の著者

眞名子 和義

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