生活に直結する物流:物流に関心を寄せる(その1)

 

◆なぜ日本人は物流に無関心なのか

物流になじみのない人と物流の話をすると、まず話題に上るのは「宅配物流」についてです。そのほかに出てくるワードとしてトラックや倉庫が挙げられます。そもそも物流と言う言葉がよくわからない人が大半です。それだけ物流への関心度は低いと言わざるを得ません。昨今のドライバー不足が私たちの生活に大きな影響を及ぼそうとすること自体、まったくピンと来ていないのが実態です。

 

でも一度大きな地震や大雨などの天災が起きると、道路が寸断されて生活物資が届かなくなることがあります。このような時だけ物流の大切さを認識するのでしょうが、時が経つとそんなことも忘れてしまいます。これは物流だけの話でないことは理解できます。世の中には人々が関心を寄せないことなど山ほどあります。

 

そんな中でも物流は特に生活に直結するという意味で、もっと啓蒙活動が必要であると感じることがあります。そしてそのような活動を行うべきは私たち物流に携わる人です。物流と関係ない人に物流をもっと盛り上げて欲しいということは無理があります。やはり当事者が旗を振らなければ何も始まらないのです。

 

日本人は金融リテラシーが低いと言われます。お金について話をすることは良くないことのように昔からしつけられていることが要因です。小中学校の教育の中でも金融に関する話はほとんど出てきません。結果的に日本人はリスク商品を避ける傾向にあり、元本確保型の金融商品にばかりお金を入れていくことになっています。

 

物流も似たような点があります。小中学校の教育の中で物流についての話がほとんど出てきません。将来物流業に就こうという児童は稀です。高等教育でも同様です。社会科の中で物流の話は出てきません。大学の学科も数えるほどしかありませ...

ん。

 

つまり物流について知る機会はほとんど提供されていないということです。これでは多くの国民が物流に無関心でいることは当然です。これを変えていくためには物流に対する認識を少しでも高めていく活動が欠かせないことになるのです。

 

次回に続きます。

 

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