保管効率と取り出し効率:物流の改善ポイント(その8)

投稿日

SCM

 

◆工場内の保管設計

営業がいつ、何を、いくつ欲しいのか、この要望に生産サイドは応えていく必要があるので、調達と生産については販売予測に基づいて実施していくことになります。販売予想は外れることもあります。市場が変化することも考えられるからです。そこで生産サイドはある程度オーダーは振れるという前提でモノづくりを考えていくことが重要です。

 

最初の営業からのオーダーで、ある製品の月間必要数を1日で生産してしまうとどうなるでしょうか。もしその製品の売れ行きが変わったとしても、作ってしまった分は在庫として残ってしまいます。ですから工場ではできるだけ生産ロットを小さくして、お客様のオーダーの振れに柔軟に対応できる体制を築いていくことが求められるのです。

 

さて工場における保管設計についてですが、先に紹介しました台車カンバン方式のように、台車の数だけ在庫を持つのであれば、工程と工程の間にその分だけ保管場所を設ければよいことになります。一方でロット生産部署であれば一定の保管場所が必要になります。プレス部門や鋳造部門などがその典型になります。

 

保管場所ではできるだけ高さを使うと保管効率が向上します。工場では在庫の積み重ね高さ基準があると思います。その基準を目いっぱいに使えると倉庫面積は縮まります。在庫保管場所は直接的に付加価値を生みませんので、できるだけコンパクトにしたいものです。保管場所では人手により在庫の出し入れも発生します。そこでその作業効率も考慮に入れる必要があります。

 

複数製品を入れた容器同士を積み重ねると保管効率は向上します。一方で取り出し効率は低下します。なぜなら今取り出したい製品の上に別の製品が載せられている可能性があるからです。このような状況を考えると、棚を活用することも考えたいものです。倉庫の中に高層ラックを設置し、複数製品を直接積み重ねないようにしま...

SCM

 

◆工場内の保管設計

営業がいつ、何を、いくつ欲しいのか、この要望に生産サイドは応えていく必要があるので、調達と生産については販売予測に基づいて実施していくことになります。販売予想は外れることもあります。市場が変化することも考えられるからです。そこで生産サイドはある程度オーダーは振れるという前提でモノづくりを考えていくことが重要です。

 

最初の営業からのオーダーで、ある製品の月間必要数を1日で生産してしまうとどうなるでしょうか。もしその製品の売れ行きが変わったとしても、作ってしまった分は在庫として残ってしまいます。ですから工場ではできるだけ生産ロットを小さくして、お客様のオーダーの振れに柔軟に対応できる体制を築いていくことが求められるのです。

 

さて工場における保管設計についてですが、先に紹介しました台車カンバン方式のように、台車の数だけ在庫を持つのであれば、工程と工程の間にその分だけ保管場所を設ければよいことになります。一方でロット生産部署であれば一定の保管場所が必要になります。プレス部門や鋳造部門などがその典型になります。

 

保管場所ではできるだけ高さを使うと保管効率が向上します。工場では在庫の積み重ね高さ基準があると思います。その基準を目いっぱいに使えると倉庫面積は縮まります。在庫保管場所は直接的に付加価値を生みませんので、できるだけコンパクトにしたいものです。保管場所では人手により在庫の出し入れも発生します。そこでその作業効率も考慮に入れる必要があります。

 

複数製品を入れた容器同士を積み重ねると保管効率は向上します。一方で取り出し効率は低下します。なぜなら今取り出したい製品の上に別の製品が載せられている可能性があるからです。このような状況を考えると、棚を活用することも考えたいものです。倉庫の中に高層ラックを設置し、複数製品を直接積み重ねないようにします。

 

もちろん、ごく少量しか出ないものについてはラックではなく、直接重ねてしまう方が保管効率は上がりますので、その方法でよいでしょう。保管設計時に考慮する作業効率には取り出しやすさの他に、とても重要なことがあります。それは「探す」「迷う」という行為の排除です。

 

次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントの背景と効果実現に向けた考え方(その1)

1. サプライチェーン・マネジメントの狙い  サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management・以下SCM)は、ITシス...

1. サプライチェーン・マネジメントの狙い  サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management・以下SCM)は、ITシス...


SCM効率を評価するKPIの新提案 SCM最前線 (その15)

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...


第3のSCM: 社会変革共創を前提とした唯一の戦略 

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流単価インフレ時代の次の一手とは

  1. 価格以外の部分を改善する ◆ 物流コストのあの部分に注目せよ ドライバーの高齢化とともに、新規の成り手がいないことで「トラッ...

  1. 価格以外の部分を改善する ◆ 物流コストのあの部分に注目せよ ドライバーの高齢化とともに、新規の成り手がいないことで「トラッ...


身につけるべき分析手法とは:物流スタッフの効果的育成法(その5)

  ◆ 物流稼働分析結果の認識 1. ピッキング作業の稼働分析  稼働分析の結果としてどのような仕事をどれくらいの比率で行っているのか...

  ◆ 物流稼働分析結果の認識 1. ピッキング作業の稼働分析  稼働分析の結果としてどのような仕事をどれくらいの比率で行っているのか...


輸送費比較と工数比較:ベンチマークで実力把握(その2)

  ◆輸送費比較と工数比較 物流で要しているコストについて比較を実施して物流ベンチマークを行いましょう。たとえば輸送コスト、荷姿コストな...

  ◆輸送費比較と工数比較 物流で要しているコストについて比較を実施して物流ベンチマークを行いましょう。たとえば輸送コスト、荷姿コストな...