運送パターンとカタログ:お客様に喜ばれる物流営業(その2)

投稿日

SCM

 

◆物流カタログを作れ

運送事業者にとって営業は仕事です。時間と経費を要して潜在顧客のもとへと行くわけですから。顧客にとってみて営業に来られて、貴重な時間を割いているわけです。にもかかわらず、本来得られるべき情報を得られないのであれば、それは時間のムダに他なりません。そこで潜在顧客に迷惑がられないようにするためには、相手が欲しいと思っている情報を提供することです。それを営業の場で提示できなければなりません。

 

ではそのためにどのような準備が必要でしょうか。いろいろな業種のいろいろな顧客を訪問するわけですから、膨大な資料を考えがちです。しかしもっとシンプルに考えましょう。どの業種でも共通の項目は何でしょうか。それは「価格」です。顧客が一番気にするのは価格なのです。

 

運送価格は運ぶ距離と物流量で決まります。それ以外に荷役の方法や、荷物の価格などによっても変わってくるわけですが、まずは運送の基本的な部分について示せるようにしましょう。その方法ですが、いくつかの運送パターンを想定し、それを「基本パターン」としてカタログに示します。

 

たとえば、「4トン車利用、400km運送、車建て契約」として価格を提示するのです。こういったパターンをいくつか作って物流カタログとするのです。これは基本パターンですから、条件は運送事業者側で決めればよいのです。その条件であればこの価格ですよ、という表現で問題ありません。

 

この提示があれば顧客はそのパターンにあてはめた運送を発注するのか、別条件を運送事業者に提示するのかの判断が求められます。これによって、まず交渉の第一歩をカタログとして提示することができました。話は具体的に進み始めることでしょう。

 

カタログがなければ顧客に条件を提示してもらい、見積もりを作ることになるのでしょうが、ここまで至らないケースのほうが多いと思われます。運送事業者の方はよく考えていただきたいのですが、自分で何かを購入するときには必ずと言ってよいほどカタログを参照するはずです。

 

これを「運送は...

SCM

 

◆物流カタログを作れ

運送事業者にとって営業は仕事です。時間と経費を要して潜在顧客のもとへと行くわけですから。顧客にとってみて営業に来られて、貴重な時間を割いているわけです。にもかかわらず、本来得られるべき情報を得られないのであれば、それは時間のムダに他なりません。そこで潜在顧客に迷惑がられないようにするためには、相手が欲しいと思っている情報を提供することです。それを営業の場で提示できなければなりません。

 

ではそのためにどのような準備が必要でしょうか。いろいろな業種のいろいろな顧客を訪問するわけですから、膨大な資料を考えがちです。しかしもっとシンプルに考えましょう。どの業種でも共通の項目は何でしょうか。それは「価格」です。顧客が一番気にするのは価格なのです。

 

運送価格は運ぶ距離と物流量で決まります。それ以外に荷役の方法や、荷物の価格などによっても変わってくるわけですが、まずは運送の基本的な部分について示せるようにしましょう。その方法ですが、いくつかの運送パターンを想定し、それを「基本パターン」としてカタログに示します。

 

たとえば、「4トン車利用、400km運送、車建て契約」として価格を提示するのです。こういったパターンをいくつか作って物流カタログとするのです。これは基本パターンですから、条件は運送事業者側で決めればよいのです。その条件であればこの価格ですよ、という表現で問題ありません。

 

この提示があれば顧客はそのパターンにあてはめた運送を発注するのか、別条件を運送事業者に提示するのかの判断が求められます。これによって、まず交渉の第一歩をカタログとして提示することができました。話は具体的に進み始めることでしょう。

 

カタログがなければ顧客に条件を提示してもらい、見積もりを作ることになるのでしょうが、ここまで至らないケースのほうが多いと思われます。運送事業者の方はよく考えていただきたいのですが、自分で何かを購入するときには必ずと言ってよいほどカタログを参照するはずです。

 

これを「運送はそれぞれパターンが異なるからカタログ化は困難」と言うことは言い訳にすぎません。厳しい言い方かもしれません、手を抜いて仕事をとれるほど甘くはない、ということです。世の中のほとんどの物流事業者はまともなカタログを持っていません。だからこそ、「やったもの勝ち」の状況を作りやすいと考えるべきでしょう。

 

次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCM構築の必要性・目的を明確にすることの重要性 SCM最前線 (その4)

 前回のその3に続いて解説します。    3. SCM構築が進まない最大の理由:SCM構築の必要性と目的が曖昧  ...

 前回のその3に続いて解説します。    3. SCM構築が進まない最大の理由:SCM構築の必要性と目的が曖昧  ...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その11)

1.予測できない売行き    前回のその10に続いて解説します。何がいつからどのくらい売れるのか、だれも予測できません。だから欠品になるので...

1.予測できない売行き    前回のその10に続いて解説します。何がいつからどのくらい売れるのか、だれも予測できません。だから欠品になるので...


サプライチェーンもTビジネスからeビジネスへ

 あらゆるビジネスが、伝統的な従来の商売のやり方(トラィデショナル:Tビジネス)から、コンピュータとインターネットを使った商売のやり方(エレクトロニクス:...

 あらゆるビジネスが、伝統的な従来の商売のやり方(トラィデショナル:Tビジネス)から、コンピュータとインターネットを使った商売のやり方(エレクトロニクス:...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
ムダを隠す在庫 在庫コントロールと物流(その3)

◆ 在庫削減のコツ  在庫が悪者扱いされる二つ目の理由は「ムダを隠してしまう」ということにあります。その事例をみていきましょう。安全在庫を持つ理由と...

◆ 在庫削減のコツ  在庫が悪者扱いされる二つ目の理由は「ムダを隠してしまう」ということにあります。その事例をみていきましょう。安全在庫を持つ理由と...


物流の周辺を見渡そう 大きな視点で物流を見よう(その2)

        物流管理は、サプライチェーンマネジメントがその領域なのです。私たちが取り組むべき範囲はサプライチェーン全体です。物流はある行為の結果...

        物流管理は、サプライチェーンマネジメントがその領域なのです。私たちが取り組むべき範囲はサプライチェーン全体です。物流はある行為の結果...


輸送コスト:物流コスト改善に取り組む(その2)

  ◆ 輸送コストの構成要素 運賃が上がるあるいは下がりにくいと言って、物流コスト自体が下がらないと考えることは正しくありません。多分大...

  ◆ 輸送コストの構成要素 運賃が上がるあるいは下がりにくいと言って、物流コスト自体が下がらないと考えることは正しくありません。多分大...