人財育成のしくみ:製造業に学ぶ(その3)

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サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流人財育成のしくみづくり

人がモチベーションを上げるためには、自分の成長が目に見えるようになっているとよいでしょう。そのために頑張って仕事の質を上げれば仕事ランクが上がり、その結果として給料が上がるといった仕組みをつくっておくとよいのではないでしょうか。皆さんの会社ではどのような人材育成をされていますでしょうか。仕事の習熟度に応じて仕事ランクを設け、それが人事制度へとつなげている会社もあるかもしれません。

 

製造業では仕事ランクが明確になっています。そしてそれぞれのランクごとに、何ができなければならないのかが決まっています。物流業は製造業に学び、最初にこの基準をつくることが望ましいでしょう。たとえば仕事ランクを1~6の6つに設定したとしましょう。

 

1は新入社員レベル、2は一つの領域についてだけ自分で仕事ができるレベル、といったように定義づけをしましょう。そして今の作業者をそれぞれどのランクのレベルに該当するのかについて確認します。これがスタートポイントになります。次に、各ランクからステップアップするための教育方法を定めましょう。

 

以上が教育訓練の体系化ということになります。それぞれのランクでは各物流作業についてどの水準が望ましいか定義づけするとともに、ランクアップするための方策を決めていくのです。これは一般作業者の評価と教育になりますが、物流事業者はさらに行わなければならないことがあります。それが管理監督者の育成なのです。

 

管理監督者にステップアップさせるためには特別の教育訓練が必要になるのかもしれません。できれば2年くらいかけて、その人を管理監督者に育て上げるようなしかけを確立するとよいでしょう。管理監督者が身につけておかなければならない資質は前回お話させていただいた通りです。それを身につけるためには一定の時間がかかります。だから2年くらいの余裕を見て育てていくしかけにするので...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流人財育成のしくみづくり

人がモチベーションを上げるためには、自分の成長が目に見えるようになっているとよいでしょう。そのために頑張って仕事の質を上げれば仕事ランクが上がり、その結果として給料が上がるといった仕組みをつくっておくとよいのではないでしょうか。皆さんの会社ではどのような人材育成をされていますでしょうか。仕事の習熟度に応じて仕事ランクを設け、それが人事制度へとつなげている会社もあるかもしれません。

 

製造業では仕事ランクが明確になっています。そしてそれぞれのランクごとに、何ができなければならないのかが決まっています。物流業は製造業に学び、最初にこの基準をつくることが望ましいでしょう。たとえば仕事ランクを1~6の6つに設定したとしましょう。

 

1は新入社員レベル、2は一つの領域についてだけ自分で仕事ができるレベル、といったように定義づけをしましょう。そして今の作業者をそれぞれどのランクのレベルに該当するのかについて確認します。これがスタートポイントになります。次に、各ランクからステップアップするための教育方法を定めましょう。

 

以上が教育訓練の体系化ということになります。それぞれのランクでは各物流作業についてどの水準が望ましいか定義づけするとともに、ランクアップするための方策を決めていくのです。これは一般作業者の評価と教育になりますが、物流事業者はさらに行わなければならないことがあります。それが管理監督者の育成なのです。

 

管理監督者にステップアップさせるためには特別の教育訓練が必要になるのかもしれません。できれば2年くらいかけて、その人を管理監督者に育て上げるようなしかけを確立するとよいでしょう。管理監督者が身につけておかなければならない資質は前回お話させていただいた通りです。それを身につけるためには一定の時間がかかります。だから2年くらいの余裕を見て育てていくしかけにするのです。このあたりも製造業では管理監督者育成プログラムがきちんと確立されていますので、参考にしていくとよいでしょう。

 

いかがでしょうか。物流業が一番参考にできるのは製造業です。多岐にわたり参考になる点があります。親しい製造業にいろいろと聞いてみて、教えてもらえる点は持ち帰り、ぜひ自社のしくみとしてビルトインしていきましょう。

 

 

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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