物流の将来像検討とは:物流事業者との付き合い方(その2)

投稿日

SCM

 

◆ 物流の将来像検討

物流を良くするためという考えの下、物流事業者に単純に丸投げすることは控えましょう。失敗する可能性大です。物流アウトソースを成功させたければ、まず自社の物流をきちんと定義するところから始めましょう。どのような物流を目指し、どのような改善をしたいのか、それを整理することが必要です。

 

もしかしたら物流人材をゼロから育てようという考える会社もあるかもしれません。それはそれで大切だとは思いますが、それを待ってアウトソースするということは時間的に現実的ではないかもしれません。そこでアウトソースに先行してやるべきことを決めて、同時並行で進めていくことをお勧めします。つまり当面の物流の目指す姿、3年後の目指す姿くらいは決定し、そこでその一部をアウトソースすることを考えてもよいと思います。

 

もし皆さんの会社にさかんに売り込みに来ている物流事業者がいたとしたら、その物流の将来像を検討する場に参加してもらってもよいかもしれません。その狙いに「プロの意見をもらう」ということが考えられますが、それよりもむしろその物流事業者の実力を見極めることを考えるべきではないでしょうか。

 

物流アウトソースの失敗の要因として、荷主側が明確な指示を出せなかったことが挙げられます。そしてその一方で物流事業者側の実力不足があることも事実です。もし物流の将来像を検討する際に、「もっともだ」、「自分たちの気づかなかった点を指摘してくれた」などといったことが物流事業者から出てくれば、アウトソースも上手くいく可能性があるのです。

 

物流事業者はオペレーションのプロかもしれませんが、物流戦略立案のプロではありません。しかしいろいろな会社の物流業務を実行する中で、皆さんの会社に役立つ情報を持っている可能性があるのです。ですから、できれば社内の物流についての論議には加わってもらい、彼らがどのような助言をくれるか期待してみてはいかがでしょうか。

 

では物流の将来像もある程度見えてき...

SCM

 

◆ 物流の将来像検討

物流を良くするためという考えの下、物流事業者に単純に丸投げすることは控えましょう。失敗する可能性大です。物流アウトソースを成功させたければ、まず自社の物流をきちんと定義するところから始めましょう。どのような物流を目指し、どのような改善をしたいのか、それを整理することが必要です。

 

もしかしたら物流人材をゼロから育てようという考える会社もあるかもしれません。それはそれで大切だとは思いますが、それを待ってアウトソースするということは時間的に現実的ではないかもしれません。そこでアウトソースに先行してやるべきことを決めて、同時並行で進めていくことをお勧めします。つまり当面の物流の目指す姿、3年後の目指す姿くらいは決定し、そこでその一部をアウトソースすることを考えてもよいと思います。

 

もし皆さんの会社にさかんに売り込みに来ている物流事業者がいたとしたら、その物流の将来像を検討する場に参加してもらってもよいかもしれません。その狙いに「プロの意見をもらう」ということが考えられますが、それよりもむしろその物流事業者の実力を見極めることを考えるべきではないでしょうか。

 

物流アウトソースの失敗の要因として、荷主側が明確な指示を出せなかったことが挙げられます。そしてその一方で物流事業者側の実力不足があることも事実です。もし物流の将来像を検討する際に、「もっともだ」、「自分たちの気づかなかった点を指摘してくれた」などといったことが物流事業者から出てくれば、アウトソースも上手くいく可能性があるのです。

 

物流事業者はオペレーションのプロかもしれませんが、物流戦略立案のプロではありません。しかしいろいろな会社の物流業務を実行する中で、皆さんの会社に役立つ情報を持っている可能性があるのです。ですから、できれば社内の物流についての論議には加わってもらい、彼らがどのような助言をくれるか期待してみてはいかがでしょうか。

 

では物流の将来像もある程度見えてきたとしたら、次のステップはアウトソースの準備です。まず物流事業者に何をして欲しいのかを明確にしましょう。単なる点から点への輸送を頼みたいのか、物流現場の諸管理を含めて依頼したいのか、より具体的に依頼事項を検討する必要があります。そのためには依頼事項を明確にした上で、仕様書にまとめて物流事業者に提示することが求められるのです。

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その4)

「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」その4は、前回に続いて、急激な売れ行き、急激な下降の時のアクションを、解説します。今回は、前回のその3で述...

「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」その4は、前回に続いて、急激な売れ行き、急激な下降の時のアクションを、解説します。今回は、前回のその3で述...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その5)

 前回のその4に続いて、「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」その5は、商品Noの統一、仕掛品Noの逆検索について、解説します。  ...

 前回のその4に続いて、「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」その5は、商品Noの統一、仕掛品Noの逆検索について、解説します。  ...


サプライチェーンとはなにか

 工業時代の主役が技術であったことは言うまでもありません。企業の成長は最高の技術が約束し、企業の評価基準が研究開発投資であった時代が長く続きました。今は成...

 工業時代の主役が技術であったことは言うまでもありません。企業の成長は最高の技術が約束し、企業の評価基準が研究開発投資であった時代が長く続きました。今は成...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
トラック待機場、ピッキング場の物流環境 物流環境を整えよう(その2)

       1. トラック待機場とドライバー休憩室  荷主側でぜひ検討していきたいアイテムにトラック待機場とドライバー休憩室があります。トラ...

       1. トラック待機場とドライバー休憩室  荷主側でぜひ検討していきたいアイテムにトラック待機場とドライバー休憩室があります。トラ...


物流業務の中長期計画とは

  1.物流業務の考え方 物流業務はアウトソースするという傾向があります。一方で自社自ら物流業務を行う内製化パターンを取っている会社もあ...

  1.物流業務の考え方 物流業務はアウトソースするという傾向があります。一方で自社自ら物流業務を行う内製化パターンを取っている会社もあ...


荷主への申し入れ 物流側からの情報発信の重要性(その2)

 ビジネスはすべて契約ごとで成り立っていると思います。お互い合意した内容を契約書に記載します。ここに書かれていることがすべてということになります。この契約...

 ビジネスはすべて契約ごとで成り立っていると思います。お互い合意した内容を契約書に記載します。ここに書かれていることがすべてということになります。この契約...