フルコンテナをつくる:グローバルロジスティクスを考える(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆フルコンテナをつくる

グローバルロジスティクスを考える上で海上輸送コストをいかにセーブするかが大変重要となります。それはグローバルロジスティクスで一番費用が掛かる部分が海上輸送だからです。輸出地ではまずコンテナを一杯にする必要があります。一つの方法としてコンソリデーションセンターを設け、そこでコンテナ詰めを行う方法があります。

 

これがどのような効果があるのかというと、輸出地にあるサプライヤーの荷をコンソリデーションセンターに集めることで、よりフルコンテナにしやすいということが挙げられます。

 

物流効率化において荷集めをすることは原理原則ともいえるほど重要なことですが、これは国内トラック輸送でも同様なので、ご経験された方もいらっしゃると思います。では国内トラック輸送で荷を集めた際に、思っていたほど混載効果が出なかったと感じていらっしゃる方はいませんでしょうか。

 

そのような経験があるとさらにベターです。その課題を海上輸送に活かせるからです。それは「荷物どうしの積み合わせ」です。トラックの荷台でもコンテナの箱内でも同じですが、高さを有効に活用するためには荷物どうしを積み重ねる必要があります。

 

でも、もしその荷物の荷姿が異なっていたらどうなるでしょうか。そうです。荷物と荷物が積み重ねられないという現象が発生するのです。国内輸送で共同輸配送がうまくいかない大きな要因がここにあるのです。まして海上輸送という大きな物流費用の掛かる部分ではこの状況を放置しておくわけにはいきません。

 

ということで打つべき手は「コンテナにぴったりとはまる荷姿モジュール」を設定するということです。コンテナを1つの箱と見立て、それを縦に切り、横に切り、を繰り返すことで小さな小箱ができます。この小箱がグローバルロジスティクスを行う際の荷姿モジュールと...

サプライチェーンマネジメント

 

◆フルコンテナをつくる

グローバルロジスティクスを考える上で海上輸送コストをいかにセーブするかが大変重要となります。それはグローバルロジスティクスで一番費用が掛かる部分が海上輸送だからです。輸出地ではまずコンテナを一杯にする必要があります。一つの方法としてコンソリデーションセンターを設け、そこでコンテナ詰めを行う方法があります。

 

これがどのような効果があるのかというと、輸出地にあるサプライヤーの荷をコンソリデーションセンターに集めることで、よりフルコンテナにしやすいということが挙げられます。

 

物流効率化において荷集めをすることは原理原則ともいえるほど重要なことですが、これは国内トラック輸送でも同様なので、ご経験された方もいらっしゃると思います。では国内トラック輸送で荷を集めた際に、思っていたほど混載効果が出なかったと感じていらっしゃる方はいませんでしょうか。

 

そのような経験があるとさらにベターです。その課題を海上輸送に活かせるからです。それは「荷物どうしの積み合わせ」です。トラックの荷台でもコンテナの箱内でも同じですが、高さを有効に活用するためには荷物どうしを積み重ねる必要があります。

 

でも、もしその荷物の荷姿が異なっていたらどうなるでしょうか。そうです。荷物と荷物が積み重ねられないという現象が発生するのです。国内輸送で共同輸配送がうまくいかない大きな要因がここにあるのです。まして海上輸送という大きな物流費用の掛かる部分ではこの状況を放置しておくわけにはいきません。

 

ということで打つべき手は「コンテナにぴったりとはまる荷姿モジュール」を設定するということです。コンテナを1つの箱と見立て、それを縦に切り、横に切り、を繰り返すことで小さな小箱ができます。この小箱がグローバルロジスティクスを行う際の荷姿モジュールということになります。そして輸出地の各サプライヤーにはこのモジュールで部品を出荷してもらうことになるのです。

 

これによって理論的にはコンテナ内を一杯にすることができるようになりました。次にやることはちょうどピッタリになるように数量を考えるということになります。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その3)

第3回 道具2「物流設計マニュアル」   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.工場内物流設計マニュアルの要点  ...

第3回 道具2「物流設計マニュアル」   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.工場内物流設計マニュアルの要点  ...


最先端のSCMテーマ、S&OP SCM最前線 (その7)

 前回のその6に続いて解説します。   4. 事業目標管理におけるS&OPの対象領域    これまで、S&OP...

 前回のその6に続いて解説します。   4. 事業目標管理におけるS&OPの対象領域    これまで、S&OP...


サプライチェーンマネジメントにおけるベンチマーキング

 ベンチマーキングは、米国において1980年代に日本の製造業を研究するプロセスのなかでモデル化された手法です。  日本の多くの会社は自社と同じ成功事例に...

 ベンチマーキングは、米国において1980年代に日本の製造業を研究するプロセスのなかでモデル化された手法です。  日本の多くの会社は自社と同じ成功事例に...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流のイメージ:物流に関心を寄せる(その2)

    ◆官との連携で目指すべきものとは 物流に対する関心度を高め、物流をよりよくしていくことは私たち物流に携わる者が動かな...

    ◆官との連携で目指すべきものとは 物流に対する関心度を高め、物流をよりよくしていくことは私たち物流に携わる者が動かな...


設計手順・作業手順などのマニュアル 物流技術標準と物流作業標準を設定する(その2)

       1. 自社にとって倉庫が適切な仕様か判断する  物流技術標準を設定しておけば新たな拠点を設置する際に大変役立ちます。たとえばどれ...

       1. 自社にとって倉庫が適切な仕様か判断する  物流技術標準を設定しておけば新たな拠点を設置する際に大変役立ちます。たとえばどれ...


物流業務での若手育成とは

  1. コミュニケーション 力  皆さんの会社で若手の物流担当の方はいらっしゃいますでしょうか。若手と一言で申し上げてもその範囲は受け止め方によ...

  1. コミュニケーション 力  皆さんの会社で若手の物流担当の方はいらっしゃいますでしょうか。若手と一言で申し上げてもその範囲は受け止め方によ...