見積査定:購買業務の要点(その7)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆見積査定

サプライヤーから提出された見積価格が妥当なのか否かを検証する見積査定は、購買業務の中でもとりわけ重要とされます。この提出された価格の妥当性を調べる方法ですがいくつかのやり方があります。なず価格が高いかどうかをチェックする必要があります。

 

  • 【競合他社比較】:これは相見積を行うことで複数社の価格を比較する方法です。これは最も一般的かつ容易に価格の妥当性を見ることができます。
  • 【類似品実績比較】:これは同一または別サプライヤーで以前発注したことのある類似品と比較して価格の妥当性を見る方法です。
  • 【前回発注比較】:これは同じ製品をかつて発注していたのであれば、その時点からの変化を考慮し価格の妥当性を見るやり方です。
  • 【製品機能比較】:これは例えばかつて径15ミリの歯車を調達し、今回径20ミリのものを調達する場合にコアとなる径の大きさの比例分だけ価格が異なるかどうかをチェックするやり方です。
  • 【市場流通品比較】:これはマーケットリサーチや店頭販売価格、Web等で入手した価格と比較し価格の妥当性を見るやり方です。
  • 【コストテーブル比較】:これは材料費、加工費、購入部品、設備・金型・検査具の過去実績と比較して価格の妥当性を見るやり方です。

上記のような方法を実施して、提出された価格が高いか否かをチェックします。そしてさらに査定を行います。

 

査定の一つが「コストドライバー分析」と呼ばれるものです。これは価格の決定的な要素(コストドライバー)を見つけてそれと価格との相関から適切な価格を導く分析です。例えば電線を購入する場合を考えてみましょう。1mの電線、...

サプライチェーンマネジメント

 

◆見積査定

サプライヤーから提出された見積価格が妥当なのか否かを検証する見積査定は、購買業務の中でもとりわけ重要とされます。この提出された価格の妥当性を調べる方法ですがいくつかのやり方があります。なず価格が高いかどうかをチェックする必要があります。

 

  • 【競合他社比較】:これは相見積を行うことで複数社の価格を比較する方法です。これは最も一般的かつ容易に価格の妥当性を見ることができます。
  • 【類似品実績比較】:これは同一または別サプライヤーで以前発注したことのある類似品と比較して価格の妥当性を見る方法です。
  • 【前回発注比較】:これは同じ製品をかつて発注していたのであれば、その時点からの変化を考慮し価格の妥当性を見るやり方です。
  • 【製品機能比較】:これは例えばかつて径15ミリの歯車を調達し、今回径20ミリのものを調達する場合にコアとなる径の大きさの比例分だけ価格が異なるかどうかをチェックするやり方です。
  • 【市場流通品比較】:これはマーケットリサーチや店頭販売価格、Web等で入手した価格と比較し価格の妥当性を見るやり方です。
  • 【コストテーブル比較】:これは材料費、加工費、購入部品、設備・金型・検査具の過去実績と比較して価格の妥当性を見るやり方です。

上記のような方法を実施して、提出された価格が高いか否かをチェックします。そしてさらに査定を行います。

 

査定の一つが「コストドライバー分析」と呼ばれるものです。これは価格の決定的な要素(コストドライバー)を見つけてそれと価格との相関から適切な価格を導く分析です。例えば電線を購入する場合を考えてみましょう。1mの電線、2mの電線、3mの電線を調達したことがあれば2.5mの電線の価格を類推できます。このケースでは「長さ」がコストドライバーということになります。これ以外に重量や体積、面積や時間など単一の要素で価格を推定できるものに関してはこのコストドライバー分析が適しているということになるのです。

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
第3のSCM: 社会変革共創を前提とした唯一の戦略 

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...


サプライチェーンの戦略的経営モデル -人間系と情報技術(ICT)の融合-

 生産財メーカーの今後の経営モデルをサプライチェーンの原理原則からみると、熟練をベースとした人間系と情報技術(ICT)の融合といえます。「BTB(ビジネス...

 生産財メーカーの今後の経営モデルをサプライチェーンの原理原則からみると、熟練をベースとした人間系と情報技術(ICT)の融合といえます。「BTB(ビジネス...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その6)

1.JIT( Just In Time )と何が違うのか    前回のその5に続いて解説します。「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れな...

1.JIT( Just In Time )と何が違うのか    前回のその5に続いて解説します。「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れな...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
トラック稼働率 保有能力を目いっぱい使おう(その2)

       1. トラックという高価な設備の活用とは  トラックの保有する能力を目いっぱい使うことは何も積載量だけの話ではありません。トラッ...

       1. トラックという高価な設備の活用とは  トラックの保有する能力を目いっぱい使うことは何も積載量だけの話ではありません。トラッ...


物流RFPの実行:物流購買の勘所(その7)

  ◆物流RFP(Request for Proposal)の実行 物流購買では業務を発注する先を選ぶ必要があります。まずは候補会社選び...

  ◆物流RFP(Request for Proposal)の実行 物流購買では業務を発注する先を選ぶ必要があります。まずは候補会社選び...


物流という職種:物流の地位向上活動(その1)

  ◆関心が低い物流という職種 日本では不思議と物流への関心度が低いため、物流が強い立場に立つことはありません。「物流の地位は低い」と物...

  ◆関心が低い物流という職種 日本では不思議と物流への関心度が低いため、物流が強い立場に立つことはありません。「物流の地位は低い」と物...