物流改善を3現主義で検討 :物流改善(その1)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流は実際に改善を3現主義で検討する

 物流事業者はよく顧客から改善提案して欲しいと言われますが、改善を実施すると自社の売り上げが落ちる場合があります。このため多くの会社が改善の回答をできていない実態にあります。たしかにそういった現象が発生することはあるでしょうが、顧客を相手にビジネスを行っている会社の言い分としてはいかにも情けないものと思われます。

 「荷主の効率化=自社の収入減」という構図が頭の中にある以上、提案は行えない、いや行わないという結果に陥ります。荷主はこのような会社とはいずれ付き合わなくなりますのでジリ貧に陥ることは避けられないのではないでしょうか。

 

 もう一つの理由として本当に改善ネタが思い浮かばないということが挙げられるでしょう。顧客である荷主のために何とか改善案を考えたいものの改善の経験と知識に乏しくアイデアが浮かばないのかもしれません。物流改善は物流事業者が顧客向けに提供することだけがすべてではありません。むしろ物流業務に関わる全ての人が物流改善できなければならないはずです。

 どうしても物流業にはかつてより人財育成や改善への取り組みが遅れており、先に記したような実態にあることは否めません。かといってこの状態をいつまでも続けていてよいはずがありません。これを機にぜひ改善に取り組んでいきましょう。

 ではそのきっかけをどのように持てばよいでしょうか。やはり今自分たちの業務の品質を上げるためには、自分たち...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流は実際に改善を3現主義で検討する

 物流事業者はよく顧客から改善提案して欲しいと言われますが、改善を実施すると自社の売り上げが落ちる場合があります。このため多くの会社が改善の回答をできていない実態にあります。たしかにそういった現象が発生することはあるでしょうが、顧客を相手にビジネスを行っている会社の言い分としてはいかにも情けないものと思われます。

 「荷主の効率化=自社の収入減」という構図が頭の中にある以上、提案は行えない、いや行わないという結果に陥ります。荷主はこのような会社とはいずれ付き合わなくなりますのでジリ貧に陥ることは避けられないのではないでしょうか。

 

 もう一つの理由として本当に改善ネタが思い浮かばないということが挙げられるでしょう。顧客である荷主のために何とか改善案を考えたいものの改善の経験と知識に乏しくアイデアが浮かばないのかもしれません。物流改善は物流事業者が顧客向けに提供することだけがすべてではありません。むしろ物流業務に関わる全ての人が物流改善できなければならないはずです。

 どうしても物流業にはかつてより人財育成や改善への取り組みが遅れており、先に記したような実態にあることは否めません。かといってこの状態をいつまでも続けていてよいはずがありません。これを機にぜひ改善に取り組んでいきましょう。

 ではそのきっかけをどのように持てばよいでしょうか。やはり今自分たちの業務の品質を上げるためには、自分たちの業務を効率化するためには、というテーマを設け、その職場のメンバーで実際に現場を見ながら考えてみることが一番ではないかと思います。

 会議室の中で机上の論議を行うよりも現場に出て3現主義で検討する方がよいアイデアが出ることは間違いありません。ではもう少し具体的に検討していきましょう。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その11)

1.予測できない売行き    前回のその10に続いて解説します。何がいつからどのくらい売れるのか、だれも予測できません。だから欠品になるので...

1.予測できない売行き    前回のその10に続いて解説します。何がいつからどのくらい売れるのか、だれも予測できません。だから欠品になるので...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その13)

1.例えば単価10万円の商品で考えて見ましょう    前回のその12に続いて解説します。商品単価が安い商品なら品切れも欠品も、消費者にとって...

1.例えば単価10万円の商品で考えて見ましょう    前回のその12に続いて解説します。商品単価が安い商品なら品切れも欠品も、消費者にとって...


SCMの適切な評価指標 SCM最前線 (その13)

 前回のその12に続いて解説します。   4. 適切なSCM評価指標がないことで発生する製造業の問題    適切なSCM指標が...

 前回のその12に続いて解説します。   4. 適切なSCM評価指標がないことで発生する製造業の問題    適切なSCM指標が...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
日本の物流の向かう道(その2)

 前回のその1に続いて解説します。   ◆新たな視点での学問と物流人財  今後、日本の人口は確実に減少します。高齢化も加速します。このままでは日...

 前回のその1に続いて解説します。   ◆新たな視点での学問と物流人財  今後、日本の人口は確実に減少します。高齢化も加速します。このままでは日...


行動規範を作成しよう 内部統制活動に取り組む(その3)

   内部統制において、社員のコンプライアンス意識を高めることはとても重要なことです。トップから末端の社員まで統一して高い意識を持てば、そ...

   内部統制において、社員のコンプライアンス意識を高めることはとても重要なことです。トップから末端の社員まで統一して高い意識を持てば、そ...


メーカー物流改善の本質(その2)

  メーカー物流改善の本質(その1)に続けて解説します。 4. 工場内物流と荷姿 (1)効率化が物流の顧客へしわ寄せ よくメーカーで...

  メーカー物流改善の本質(その1)に続けて解説します。 4. 工場内物流と荷姿 (1)効率化が物流の顧客へしわ寄せ よくメーカーで...