物流エラーの水準とは:物流協力会社の育て方(その1)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流エラーの水準

 日本の物流品質は海外に比べて比較的に高いということを何度もお話させて来ていただいております。そのレベルはエラーの発生が30ppm程度だと言われています。これが日本における物流エラーの水準です。このppm(百万分のいくつ)の分子・分母は分子がエラーを含むオーダー数、分母が総オーダー数ということになります。

 オーダーの中には複数の商品があり、それぞれオーダー数量も異なるわけですが、この内一つでも間違いがあれば先ほどの分子に「一」とカウントされるのです。例えば一オーダーの中にA~Eの5点の商品があり、それぞれ4個ずつだとしましょう。この内Bが一個少なかったとしたらエラー一件ということになります。

 極端な話、5点の商品すべてにおいて数量が違っていてもエラーは一件となります。このようなカウントの仕方をして30ppmが日本の実力だと言われています。この値が良いのか悪いのかは皆さんそれぞれ感じ方が違うかもしれません。メーカーであれば二桁ppmは悪い値ととらえるかもしれません。

 

 しかし上記の通り当ppmは「個数率」ではなく「件数率」です。その意味でやや大きめに出ることが考えられますので、極端に悪いレベルとは言えないのではないでしょうか。特定の運送会社のレベルが2000ppmですと、1000件のオーダーの中に2件のミスが含まれるという計算になります。

 さすがにこのレベルは悪い例です。筆者もかつて中国に駐在していたことがありま...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流エラーの水準

 日本の物流品質は海外に比べて比較的に高いということを何度もお話させて来ていただいております。そのレベルはエラーの発生が30ppm程度だと言われています。これが日本における物流エラーの水準です。このppm(百万分のいくつ)の分子・分母は分子がエラーを含むオーダー数、分母が総オーダー数ということになります。

 オーダーの中には複数の商品があり、それぞれオーダー数量も異なるわけですが、この内一つでも間違いがあれば先ほどの分子に「一」とカウントされるのです。例えば一オーダーの中にA~Eの5点の商品があり、それぞれ4個ずつだとしましょう。この内Bが一個少なかったとしたらエラー一件ということになります。

 極端な話、5点の商品すべてにおいて数量が違っていてもエラーは一件となります。このようなカウントの仕方をして30ppmが日本の実力だと言われています。この値が良いのか悪いのかは皆さんそれぞれ感じ方が違うかもしれません。メーカーであれば二桁ppmは悪い値ととらえるかもしれません。

 

 しかし上記の通り当ppmは「個数率」ではなく「件数率」です。その意味でやや大きめに出ることが考えられますので、極端に悪いレベルとは言えないのではないでしょうか。特定の運送会社のレベルが2000ppmですと、1000件のオーダーの中に2件のミスが含まれるという計算になります。

 さすがにこのレベルは悪い例です。筆者もかつて中国に駐在していたことがありますがこれほどまでに悪いレベルは経験したことがありません。しかし事実として物流エラーが発生している場合、これを是正する活動を取らなければまったく改善はしません。

 ではどのようにアプローチしていくべきでしょうか。または思い切って運送会社を切り替えるべきでしょうか。この点について次回に続けたいと思います。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンのモデル化

 欠品を生じさせず、しかも在庫を少なくできるように、業務の足腰を鍛えて速度を制御する能力を磨く「熟練」もサプライチェーンの重要な法則です。この時...

 欠品を生じさせず、しかも在庫を少なくできるように、業務の足腰を鍛えて速度を制御する能力を磨く「熟練」もサプライチェーンの重要な法則です。この時...


SCM構築の必要性・目的を明確にすることの重要性 SCM最前線 (その4)

 前回のその3に続いて解説します。    3. SCM構築が進まない最大の理由:SCM構築の必要性と目的が曖昧  ...

 前回のその3に続いて解説します。    3. SCM構築が進まない最大の理由:SCM構築の必要性と目的が曖昧  ...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その5)

 前回のその4に続いて、「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」その5は、商品Noの統一、仕掛品Noの逆検索について、解説します。  ...

 前回のその4に続いて、「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」その5は、商品Noの統一、仕掛品Noの逆検索について、解説します。  ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
付加価値作業以外を見つける 物流マンの視野を広げる(その6)

   物流マンには「ここの在庫が多いのは何か変だ」、「調達の頻度に偏(かたよ)りがある」といった問題に対し、第三者ならではの気づきが必要で...

   物流マンには「ここの在庫が多いのは何か変だ」、「調達の頻度に偏(かたよ)りがある」といった問題に対し、第三者ならではの気づきが必要で...


物流の効率化とは

  1.資源の共同利用 トラック1台を走らせるコストは荷量が満載だろうと、半分しか積んでいなかろうと原則として同じです。であるならば、荷...

  1.資源の共同利用 トラック1台を走らせるコストは荷量が満載だろうと、半分しか積んでいなかろうと原則として同じです。であるならば、荷...


顧客が要求するサービスレベルの確認 物流サービス水準向上(その1)

◆ 顧客との確認を怠るな  自社内や顧客に提供する物流でも同じですが、物流サービスレベルの向上は常に追求していかなければならないと思われます。自社内...

◆ 顧客との確認を怠るな  自社内や顧客に提供する物流でも同じですが、物流サービスレベルの向上は常に追求していかなければならないと思われます。自社内...