物流作業者変更時の留意点とは:物流4M管理の重要性(その2)

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サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流作業者変更時の留意点

 人に関しては毎年個人単位にどのような分野を教えていくのかを明確にしていきましょう。そして習熟計画を作って計画的に育成していく姿勢が必要です。

 人についてもう一つ重要なことがあります。それはある作業について担当者が変わった時の留意事項をまとめておくということです。なぜならば人の変更時にミスが発生する確率が高まるからです。したがいまして担当者が変更になった時のルール決めをしておくのです。

 たとえば以下のようなルールを考えてみたとします。

 

  • 作業担当者が変更になった場合には作業開始時に監督者が標準作業書に基づき作業を教える
  • その作業について作業者から説明させ理解度を確認する
  • 何サイクルか実際にやらせてみて作業観察を行う
  • 仕事のアウトプットを確認する

 

 作業を教える際には「その作業の急所」について強調して教えることが重要でしょう。間違えると致命的なポイントを明確に教え込むことが大切なのです。実際に作業をやらせて作業観察し、その中で気づいたことをその場で作業者にフィードバックします。アウトプットをチェックし補正が必要であればそれを実施しなければなりません。

 多くの会社がこのプロセスを飛ばしてしまい不良を流出させてしまうのです。その理由に「忙しさ」を言い訳のように挙げる会社があります。ただしこの業務プロセスは監督者の重要業務です。会社としましては監督者がこのようなコア業務をしっかりとできる環境を整えてあげることが必要なのです。

 もし他の業務とかぶる場合は当業務が優先であることを意識させることも必要です。さらに監督者が一人である場合にはこのような業務を実施できるスタッフを作っておくことも求められます。作業量が大幅に増えた時や欠勤者が出た時にも別作業者や応援者に仕事を実施してもらうことがあります。

 特に普段その職場にいないスタッフが作業応援に入った時にリスクが高まります。常に人が変更になったらリスクあり、と考えておきましょう。

 次回に続きます。


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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