物流エラーを防ぐには:倉庫改善に取り組もう(その4)

投稿日

物流改善

 

◆ 物流エラーを防ぐための改善策 

 倉庫での物流エラーを防ぐためには、前回お話したロケーション管理をしっかりとやることが重要です。そのためには5Sをきっちりと行い、在庫管理の4原則を徹底するなど社員教育を行っていくことが求められます。

 物流現場のエラーは誤品や誤数、商品破損などが多いと思います。これらの発生を防止するために5S、在庫管理の4原則、社員教育に加えて行っていくべきことがあります。

 物流改善の第一ステップは標準作業の確立です。標準作業がないと物流品質にばらつきが出ます。なぜなら作業者ごとに仕事のやり方に差が出るからです。ある作業者は丁寧に作業を行うためエラーが少ないものの、別の作業者は雑なため間違いを多発する可能性があるのです。

 第二ステップは全作業者が標準作業を実施していることを確認することです。よく標準作業を作っても、その通りに作業が行われているか確認していない会社があります。この確認作業を「作業観察」といいます。

 現場管理監督者の重要な仕事の一つがこの作業観察です。標準作業書を持って現場に立ち、作業者の作業の様子を確認して作業ミス、ヒューマンエラーを発見します。

 

 ピッキング作業では作業者が「三点照合」を行っているかどうかに注目することが多いと思います。もしこの三点照合を標準作業書に記述している場合、作業者がこのプロセスをカットすることは許されないからです。この二つのステップを確実に行っていれば、物流エラーが発生する確率は極めて低くなると考えられます。

 これら物流エラー防止のため、標準作業の中で作業者を交代して「ダブルチェック」を行うことを記述している会社があります。ただ、ダブルチェックを行っていても100%エラーが防げるかというと、そうでもなさそうです。これは何故(なぜ)でしょうか。それは同...

物流改善

 

◆ 物流エラーを防ぐための改善策 

 倉庫での物流エラーを防ぐためには、前回お話したロケーション管理をしっかりとやることが重要です。そのためには5Sをきっちりと行い、在庫管理の4原則を徹底するなど社員教育を行っていくことが求められます。

 物流現場のエラーは誤品や誤数、商品破損などが多いと思います。これらの発生を防止するために5S、在庫管理の4原則、社員教育に加えて行っていくべきことがあります。

 物流改善の第一ステップは標準作業の確立です。標準作業がないと物流品質にばらつきが出ます。なぜなら作業者ごとに仕事のやり方に差が出るからです。ある作業者は丁寧に作業を行うためエラーが少ないものの、別の作業者は雑なため間違いを多発する可能性があるのです。

 第二ステップは全作業者が標準作業を実施していることを確認することです。よく標準作業を作っても、その通りに作業が行われているか確認していない会社があります。この確認作業を「作業観察」といいます。

 現場管理監督者の重要な仕事の一つがこの作業観察です。標準作業書を持って現場に立ち、作業者の作業の様子を確認して作業ミス、ヒューマンエラーを発見します。

 

 ピッキング作業では作業者が「三点照合」を行っているかどうかに注目することが多いと思います。もしこの三点照合を標準作業書に記述している場合、作業者がこのプロセスをカットすることは許されないからです。この二つのステップを確実に行っていれば、物流エラーが発生する確率は極めて低くなると考えられます。

 これら物流エラー防止のため、標準作業の中で作業者を交代して「ダブルチェック」を行うことを記述している会社があります。ただ、ダブルチェックを行っていても100%エラーが防げるかというと、そうでもなさそうです。これは何故(なぜ)でしょうか。それは同じような作業を毎日繰り返していると、作業そのものがマンネリ化してくるからです。

 ダブルチェックはいわゆる検査業務です。しかし検査そのものにもマンネリ化は発生します。つまり検査しているつもりになってしまい、実際には見るべきポイントを見ていないということです。

 ではこの状況を改善するためには何をしたらよいでしょうか。この点につきましては次回にお話させていただきます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その10)

1.通常供給時のチェーンの速さが差別化になります    前回のその9に続いて解説します。高度成長期は在庫を保有して、そこから受注に応じた出荷...

1.通常供給時のチェーンの速さが差別化になります    前回のその9に続いて解説します。高度成長期は在庫を保有して、そこから受注に応じた出荷...


サプライチェーンマネジメントは連携の技術

 1980年代から90年代始めにかけて、ドル高による海外製品の流入、大手デスカウントストアによる価格破壊で、米国の伝統的なスーパーマーケットは大きな打撃を...

 1980年代から90年代始めにかけて、ドル高による海外製品の流入、大手デスカウントストアによる価格破壊で、米国の伝統的なスーパーマーケットは大きな打撃を...


サプライチェーンの戦略的経営モデル -人間系と情報技術(ICT)の融合-

 生産財メーカーの今後の経営モデルをサプライチェーンの原理原則からみると、熟練をベースとした人間系と情報技術(ICT)の融合といえます。「BTB(ビジネス...

 生産財メーカーの今後の経営モデルをサプライチェーンの原理原則からみると、熟練をベースとした人間系と情報技術(ICT)の融合といえます。「BTB(ビジネス...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
出荷工程の前工程とは:後工程合わせの仕事で効率化(その2)

  ◆ 出荷工程の前工程とは  エンドユーザーに対して納入遅れを発生させることは絶対に避けなければなりませんが、そのためには出荷トラック...

  ◆ 出荷工程の前工程とは  エンドユーザーに対して納入遅れを発生させることは絶対に避けなければなりませんが、そのためには出荷トラック...


物流設備投資時の注意事項:物流現状把握の重要性(その4)

  ◆ 物流設備投資時の注意事項  運搬の自動化を行うことで運搬工数を削減することは、物流作業を効率化するための投資の発生です。この時に...

  ◆ 物流設備投資時の注意事項  運搬の自動化を行うことで運搬工数を削減することは、物流作業を効率化するための投資の発生です。この時に...


倉庫内物流作業の改善とは

  1.付加価値作業 ◆ ピッキング作業の効率化:探す時間を短縮する 自社の倉庫や預け先の倉庫を問わず「倉庫内の物流作業についてもっと...

  1.付加価値作業 ◆ ピッキング作業の効率化:探す時間を短縮する 自社の倉庫や預け先の倉庫を問わず「倉庫内の物流作業についてもっと...