開発者が意識したい1日のスケジューリング(午後~夜編)

更新日

投稿日

技術マネジメント

 

前回の記事では一日の業務を有意義なものにするため、就業前の朝の時間と午前中の脳がフレッシュなうちにアイデア創出やメンバーとのコミュニケーションなど、クリエイティブな仕事を意識したスケジューリングについて紹介しました。今回は、午後~夜の時間をどのようにスケジューリングしたら良いかについてです。

 

【目次】

     

    1、スケジューリングのコツ:午後のタスク

    午後は設計や実験など各自の業務に集中し、定期的な進捗会議などもこの時間を使います。午前中に練った開発アイデアを実際に実験・検証したり、部門間で調整した仕様をドキュメントにまとめる、特許出願書の作成などもこの時間を割り当てます。午後のタスクのポイントは「作業に集中する」ことです。

    もちろん作業に集中するためには段取りを押さえることが必要ですが、手順・プロセスはアイデア創出の最後にざっと決めておくと、午後の作業がすぐに始められるため、テンポよく進めることができます。特に苦手意識がある業務は、手順化しておくことで、悩まず進められる可能性が高いでしょう。

    仕事は「準備8割」と例えられますが、新規事業に取り組む研究開発者の業務は少し異なるように私は考えています。

    前例がある業務やルーチンワークであれば「準備8割」は妥当でしょうが、試行錯誤が連続する研究開発業務の中には、予定通りに進まないケースが多々あります。前例や経験がない・少ない業務は、おおまかな作業と直近の作業をリスト化して作業が進むたびに見直す方が効率的かもしれません。私の感覚では、前例なしの業務は「準備4~5割程度」で作業を始めるくらいがちょうど良いようです。

     

    2、スケジューリングのコツ:夜のタスク

    次に夜のタスクです。...

    技術マネジメント

     

    前回の記事では一日の業務を有意義なものにするため、就業前の朝の時間と午前中の脳がフレッシュなうちにアイデア創出やメンバーとのコミュニケーションなど、クリエイティブな仕事を意識したスケジューリングについて紹介しました。今回は、午後~夜の時間をどのようにスケジューリングしたら良いかについてです。

     

    【目次】

       

      1、スケジューリングのコツ:午後のタスク

      午後は設計や実験など各自の業務に集中し、定期的な進捗会議などもこの時間を使います。午前中に練った開発アイデアを実際に実験・検証したり、部門間で調整した仕様をドキュメントにまとめる、特許出願書の作成などもこの時間を割り当てます。午後のタスクのポイントは「作業に集中する」ことです。

      もちろん作業に集中するためには段取りを押さえることが必要ですが、手順・プロセスはアイデア創出の最後にざっと決めておくと、午後の作業がすぐに始められるため、テンポよく進めることができます。特に苦手意識がある業務は、手順化しておくことで、悩まず進められる可能性が高いでしょう。

      仕事は「準備8割」と例えられますが、新規事業に取り組む研究開発者の業務は少し異なるように私は考えています。

      前例がある業務やルーチンワークであれば「準備8割」は妥当でしょうが、試行錯誤が連続する研究開発業務の中には、予定通りに進まないケースが多々あります。前例や経験がない・少ない業務は、おおまかな作業と直近の作業をリスト化して作業が進むたびに見直す方が効率的かもしれません。私の感覚では、前例なしの業務は「準備4~5割程度」で作業を始めるくらいがちょうど良いようです。

       

      2、スケジューリングのコツ:夜のタスク

      次に夜のタスクです。研究開発者の中には夜型という方も多いのではないでしょうか?私も会社員時代は「定時後からが仕事だ」という同僚もいて、必然的に夜型でした。朝と夜、どちらが効率的に仕事ができるかについて、討論したこともありますが結論は出ませんでした。

      私なりの見解ですが、夜の方が仕事に集中できると感じるケースには、環境と趣味が入り混じっている可能性があります。

      環境とは予定していた会議やデザインレビューが終わり、開発の邪魔をされない、文字通り作業に集中できる時間が確保できるのが、定時後(夜)となることを指します。

      趣味とは言葉が良くないかもしれませんが、対象の研究開発が自分にとって楽しくて仕方ない・時間があったらずっと携わっていたいと思っていることを指します。夜型のみなさんは、思い当たるフシはありませんか?

      環境面については、マネジメント層が現状を振り返り、メンバーが定時内に集中できる時間を確保できるよう見直しが必要でしょう。趣味については、仕事が趣味であってもいいと思います(会社ごとの規則があると思いますので、深くは言及しません)。仕事に限らず趣味でも「夜の時間は楽しくて仕方ない・時間があったらずっと携わりたい」コトに没頭して、大いに楽しむ時間にしましょう。

       

      3、スケジューリングのコツ:一日のスケジューリング

      • 午後のタスクは、作業に集中する。午前もしくは作業前に手順を準備する
      • 夜のタスクは、趣味のように楽しくて仕方ないコトに没頭する

      ここまで2回にわたって一日のスケジューリングのコツを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?日常の業務に閉塞感や停滞感を感じているならば、ものは試しに参考となさってください。

       

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      川崎 響子

      革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

      革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


      「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      製品開発における失敗と戻り工程の考え方

          今回は新商品開発における成功度と成功しなかったときの戻り工程についてお伝えします。   まずは顧客価値創...

          今回は新商品開発における成功度と成功しなかったときの戻り工程についてお伝えします。   まずは顧客価値創...


      関係性の種類、重複とは 普通の組織をイノベーティブにする処方箋(その95)

         現在、KETICモデルの中の「知識・経験を関係性で整理する」を解説しています。今回は、下記の(4)重複(一部を共有)について解説しま...

         現在、KETICモデルの中の「知識・経験を関係性で整理する」を解説しています。今回は、下記の(4)重複(一部を共有)について解説しま...


      『価値づくり』の研究開発マネジメント (その3)

           前回は、「自社の市場と技術を目いっぱい広げ活動する」というタイトルで、解説しました。今回は、その中で、「市場」につい...

           前回は、「自社の市場と技術を目いっぱい広げ活動する」というタイトルで、解説しました。今回は、その中で、「市場」につい...


      「技術マネジメント総合」の活用事例

      もっと見る
      イノベーションのための「チーム体制」

       「最後の砦、技術力がアブナイ」では、技術者は自律性、創意工夫、挑戦意欲、変化対応力などを期待されているにもかかわらず、開発現場はそのような技術者に育てる...

       「最後の砦、技術力がアブナイ」では、技術者は自律性、創意工夫、挑戦意欲、変化対応力などを期待されているにもかかわらず、開発現場はそのような技術者に育てる...


      技術資源の有効活用: 事例紹介 (その2)

       TRM(Technology Resources Management)事例その2は、建築物の防食事業を営む企業の取り組みをご紹介いたします。   ...

       TRM(Technology Resources Management)事例その2は、建築物の防食事業を営む企業の取り組みをご紹介いたします。   ...


      設計部門とリスク管理(その3)

      【設計部門とリスク管理 連載目次】 1. リスク管理とは目標達成までのシナリオ作成 2. コンティンジェンシープランの注意事項 3. リスク管理...

      【設計部門とリスク管理 連載目次】 1. リスク管理とは目標達成までのシナリオ作成 2. コンティンジェンシープランの注意事項 3. リスク管理...