コアコンピタンスを生かした開発と販売の発展とは

 
  
技術マネジメント
 
 今回は、次のような想定企業の状況で、自社の独自技術を生かした製品開発と販売方法について解説します。
 

1. 想定企業の経営状況

 従業員100名前後でアルミ系合金を主体に鋳造加工を事業とする企業で、この道40年以上の職人が多く、他社ではできない鋳造加工についても実現できる技術力があります。その高い評価を背景として、少量の試作品を中心に相応の業績を維持しています。
 
 しかしながら昔からまとまった量の取引があった大手発注元が海外へ工場を移転し、いずれ現地から調達するようになるのも時間の問題と思われます。そこで自社の高い鋳造力を使って自社ブランドを立ち上げ、全国あるいは海外に向けて販売できないものかと考えています。
 
 しかし、これまでは、長い付き合いの大手と口コミで受注していたため、本当の意味での営業マンや企画担当がいません。受注増加をどのように営業すべきか分からずに困っています。最近、採用した転職者は、鋳物のことは何一つ知らず、営業を任せるまでに時間が必要な状況です。
 

2. 自社の独自技術を生かした製品開発と販売方法の考察

 他社にできない形状のアルミ鋳造が実現できるので、十分に打ち手はあるでしょう。最大の課題は営業経験の少なさです。コアコンピタンスを生かし、弱みを補うにはWebサイト活用が有効です。
 
 新規開拓のための飛び込み営業はハードルが高すぎるので、営業経験がなくとも対応ができるようにWebサイトを活用して技術相談を獲得する作戦が良いでしょう。難しい依頼を受け難題を解決するという自分の得意なフィールドで勝負するのです。
 
 インターネットでアルミ鋳造のPRができますが、実際には予想以上に多くの人がアルミ鋳造関連の情報を探しているのです。Google(日本国内)でアルミ鋳造関連のキーワードが検索される回数は1か月間で115,250~151,110回です。(Google Adwords:キーワードプランナーで「アルミ鋳造」に関係するキーワードを2018年12月に調査。)
 
 これだけ多くの人がGoogleを使ってアルミ鋳造に関連するキーワードを検索しているのです。御社が他社にできない形状の加工ができるなら新規開拓のチャンスは十分にあるでしょう。
 
 まずはWebサイトに他社にできない形状の加工サンプル情報を掲載し、検索エンジンを活用してアルミ鋳造に関心を持つユーザーに効果的にアピールするのです。
 
 検索エンジンに上位掲載されることは決して簡単なことではありません。しかし、アルミ鋳造に特化したWebサイトであれば技術情報や加工サンプル情報をまめに更新し続けることで掲載順位も上がってくるものです。特殊な技術に専門特化したWebサイトは検索エンジンに評価されやすいのです。そして日本国内にアルミ鋳造専門のメーカーは多くありません。(一般消費財を扱う会社と比べて)そのため検索エンジン上での競争が比較的少ないのです。
 
 検索エンジンに上位掲載されWebサイトを見つけてもらえるようになったら、Webサイトを通じて技術相談や引き合いが集まるようになってきます。その相談に対応するとそれが市場開拓にもなるのです。そして、技術相談からお客様とのコラボレーション商品や自社ブランド品を開発するチャンスをつかんでいけばよいでしょう。
 

この記事の著者

宮本 栄治

製造業、特に生産財専門のWebマーケティングコンサルタント

GoogleやYahooを活用したWeb集客を中心にアクセス解析、サイト制作まで、成果につながるマーケティング提案を行います。技術情報誌の担当時代に1,000社以上の生産財企業の販促に携わった経験をベースに、業界知識に裏打ちされたコンサル…

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