特許確認と新製品

投稿日

 
  知的財産
 
 今回は、新製品が既存の特許を侵害していないか、を確認するための特許の調べ方、考え方について解説します。
 
 開発した技術が他人の特許権を侵害していないかの確認は、新商品開発では必須の項目です。貴社の開発工程は以下のどちらでしょう。
 
  1. 「技術開発」の後に、その技術を使用できる「商品」を開発。
  2. 「商品開発」を進めながら、その商品に必要な「技術」を開発。
 
 大企業では「1」あるいは混合型が多いようですが、中小企業では「2」が多いようです。「1」の場合は、技術開発から「商品の発売」まで時間的な余裕があるので、丁寧な調査が可能ですが、「2」の場合は時間的な余裕がないでしょう。製品化間際になって初めて調査をすることは、リスクを伴います。このことは、後に説明します。
 

◆ 特許調査

 特許庁で検索用のデータベースを提供しています。「特許情報プラットフォーム」(JPlatPat)で検索してアクセスしてください。このサイトで、特許、実用新案、意匠、商標の調査が可能です。
 
 しかし、「可能」ではあるものの、「自分でできる」とは考えないでいただきたいのです。
 
 キーワードを入れて検索する、という手法が初心者向けの手法ですが、特許の出願書類で、同じことを表現するために全ての出願人が同じ言葉を使うとは限りません。たとえは「磁石」ではなく「磁力」と表現する人もいるでしょう。「磁石」で検索しても「磁力」と書かれた出願はヒットしません。
 
 ですので、「自分でやる検索」は「粗より」と考えてください。加えて、検索された出願が、自社の技術とバッティングするかどうか、を判断しなければなりません。この判断には専門的な知識が必要です。
 
 したがって、自分で「粗より」はするとしても、最終的には専門家(弁理士)に依頼されることをお勧めします。調査費用は、テーマの難易度やヒットした出願の数により変動し、また基準料金もありませんがおおよその処、数万円から十数万円と考えてください。
 
 調査に要する期間は一週間から10日程度です。 
 
 裏技としては、調査をせずに特許出願を行い、早期審査を請求する、という手法もあります。
 
 出願から3~4ヶ月程度で結果が出るので、開発スケジュールに余裕があれば、選択肢に加えてください。
 
 ◆ 特許出願の早期審査・早期審理について
 
 なお、調査で検索可能な範囲は、調査時期から1年半以上前に出願されたものです。直近の1年半の間に同じ発明が出願されていても、検索することができません。
 
 これは、特許出願は、原則として出願から1年半は「秘密」とされているためです。 したがって、調査をして「大...
 
  知的財産
 
 今回は、新製品が既存の特許を侵害していないか、を確認するための特許の調べ方、考え方について解説します。
 
 開発した技術が他人の特許権を侵害していないかの確認は、新商品開発では必須の項目です。貴社の開発工程は以下のどちらでしょう。
 
  1. 「技術開発」の後に、その技術を使用できる「商品」を開発。
  2. 「商品開発」を進めながら、その商品に必要な「技術」を開発。
 
 大企業では「1」あるいは混合型が多いようですが、中小企業では「2」が多いようです。「1」の場合は、技術開発から「商品の発売」まで時間的な余裕があるので、丁寧な調査が可能ですが、「2」の場合は時間的な余裕がないでしょう。製品化間際になって初めて調査をすることは、リスクを伴います。このことは、後に説明します。
 

◆ 特許調査

 特許庁で検索用のデータベースを提供しています。「特許情報プラットフォーム」(JPlatPat)で検索してアクセスしてください。このサイトで、特許、実用新案、意匠、商標の調査が可能です。
 
 しかし、「可能」ではあるものの、「自分でできる」とは考えないでいただきたいのです。
 
 キーワードを入れて検索する、という手法が初心者向けの手法ですが、特許の出願書類で、同じことを表現するために全ての出願人が同じ言葉を使うとは限りません。たとえは「磁石」ではなく「磁力」と表現する人もいるでしょう。「磁石」で検索しても「磁力」と書かれた出願はヒットしません。
 
 ですので、「自分でやる検索」は「粗より」と考えてください。加えて、検索された出願が、自社の技術とバッティングするかどうか、を判断しなければなりません。この判断には専門的な知識が必要です。
 
 したがって、自分で「粗より」はするとしても、最終的には専門家(弁理士)に依頼されることをお勧めします。調査費用は、テーマの難易度やヒットした出願の数により変動し、また基準料金もありませんがおおよその処、数万円から十数万円と考えてください。
 
 調査に要する期間は一週間から10日程度です。 
 
 裏技としては、調査をせずに特許出願を行い、早期審査を請求する、という手法もあります。
 
 出願から3~4ヶ月程度で結果が出るので、開発スケジュールに余裕があれば、選択肢に加えてください。
 
 ◆ 特許出願の早期審査・早期審理について
 
 なお、調査で検索可能な範囲は、調査時期から1年半以上前に出願されたものです。直近の1年半の間に同じ発明が出願されていても、検索することができません。
 
 これは、特許出願は、原則として出願から1年半は「秘密」とされているためです。 したがって、調査をして「大丈夫」という結論が出ても、本当のところは安心できないことになります。これが、製品化間際に始めて調査をすることのリスクです。そこで、技術開発から商品販売まで時間に余裕のある場合は、商品販売の前に二度目の調査(1年半のブラックボックスを解消するため)を行うことが普通です。
 
 以上、特許調査について説明しましたが、「意匠調査」「商標調査」も必要になる場合があるので、留意してください。
 
 尚、特許出願の手続については、特許庁のHPに詳細な解説があるので、参照してください。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

峯 唯夫

「知的財産の町医者」として、あらゆるジャンルの相談に応じ、必要により特定分野の専門家を紹介します。

「知的財産の町医者」として、あらゆるジャンルの相談に応じ、必要により特定分野の専門家を紹介します。


「知的財産マネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
意匠と商標、ボタンの掛け違い

1. 位置の商標    商標法での保護対象に「立体」が加わったとき、意匠法の牙城が崩壊し始めました。立体的な造形を絶対権として保護するのは唯...

1. 位置の商標    商標法での保護対象に「立体」が加わったとき、意匠法の牙城が崩壊し始めました。立体的な造形を絶対権として保護するのは唯...


意匠法における「物品」の単位

 意匠法は、意匠を物品の形態であると定義し、意匠ごとに出願すべきものと規定しています。しかし、「物品」や「物品の単位」についての定義はないのです。一般には...

 意匠法は、意匠を物品の形態であると定義し、意匠ごとに出願すべきものと規定しています。しかし、「物品」や「物品の単位」についての定義はないのです。一般には...


特許法の先使用権によるノウハウ保護のポイントとは

   1. ノウハウとは  ノウハウとは「技術秘訣」と訳されることがありますが、国際商業会議所(ICC)によるノウハウ保護基準条項...

   1. ノウハウとは  ノウハウとは「技術秘訣」と訳されることがありますが、国際商業会議所(ICC)によるノウハウ保護基準条項...


「知的財産マネジメント」の活用事例

もっと見る
特許からわかることとは

    基礎研究や開発の現場において、特許を出願するということはよくあります。   私自身、ここ10年ぐらいで100件以上の特許を...

    基礎研究や開発の現場において、特許を出願するということはよくあります。   私自身、ここ10年ぐらいで100件以上の特許を...


デザインによる知的資産経営:「ブランドづくり」(その4)

 前回のその3に続いて解説します。   3.ブランドが縛りに  「ブランドが縛りになる」。これは、あまりいわれていない言葉だと思います。ルイ・ヴ...

 前回のその3に続いて解説します。   3.ブランドが縛りに  「ブランドが縛りになる」。これは、あまりいわれていない言葉だと思います。ルイ・ヴ...


知財が大切は、まことしやかな嘘

 皆さんの会社では「知財は大切」と言われていますか? この質問に、おそらく多くの人が「はい」と答えると思います。では、あなたの会社の利益率は高いですか...

 皆さんの会社では「知財は大切」と言われていますか? この質問に、おそらく多くの人が「はい」と答えると思います。では、あなたの会社の利益率は高いですか...