当たり前の物流サービス 高値で売れる物流サービス(その1)

投稿日

 
  SKE
 
 日本の社会は、労働人口が減少しつつあります。このような環境下ではサービスを提供する側にとって試練の時代となります。
 
 つまり人手不足で仕事が追い付かなくなるという現象が起きるのです。労働力を確保するために条件を良くしなければならず、人件費の向上が利益を圧迫します。
 
 一方で悪いことばかりとは限りません。この人手不足によるコストアップを機に、顧客に対する値上げを実現できるからです。
 
 これを上手く使ったのが物流業界です。物流といえば今までは過当競争の下、価格は下がる一方でしたが、人材不足の時代に突入してから、値上げが浸透し利益率も改善しました。
 
 経済状況の変化にうまく対応できた優等生は物流だったのです。
 
 しかしながら、顧客は喜んで物流価格値上げに応じているわけではありません。「やむを得ず」応じたまでであって、経済の風向きが変われば顧客の対応も当然のことながら変化するでしょう。
 
 このように経済の状況によって価格は変化するもので、物流価格も不景気になれば値下げという状況が出てくる可能性もあります。
 
 私たちは当たり前の物流サービスを行っていればこの原則に当てはまってしまいます。つまり経済状況に応じて価格は上がったり下がったりするということです。
 
 ではその当たり前の物流サービスとは何でしょうか。この定義は「比較的容易にできる仕事」といったらよいかもしれません。
 
 物流サービスの中で、特別なスキルが無いとできないような仕事を除けば、あとは「比較的容易にできる仕事」ということになります。
 
 たとえば輸送サービスや保管サービスはその典型です。何もお金を取ってそのサービスを提供する物流事業者でなくてもこの類の仕事はできます。
 
 現に工場...
 
  SKE
 
 日本の社会は、労働人口が減少しつつあります。このような環境下ではサービスを提供する側にとって試練の時代となります。
 
 つまり人手不足で仕事が追い付かなくなるという現象が起きるのです。労働力を確保するために条件を良くしなければならず、人件費の向上が利益を圧迫します。
 
 一方で悪いことばかりとは限りません。この人手不足によるコストアップを機に、顧客に対する値上げを実現できるからです。
 
 これを上手く使ったのが物流業界です。物流といえば今までは過当競争の下、価格は下がる一方でしたが、人材不足の時代に突入してから、値上げが浸透し利益率も改善しました。
 
 経済状況の変化にうまく対応できた優等生は物流だったのです。
 
 しかしながら、顧客は喜んで物流価格値上げに応じているわけではありません。「やむを得ず」応じたまでであって、経済の風向きが変われば顧客の対応も当然のことながら変化するでしょう。
 
 このように経済の状況によって価格は変化するもので、物流価格も不景気になれば値下げという状況が出てくる可能性もあります。
 
 私たちは当たり前の物流サービスを行っていればこの原則に当てはまってしまいます。つまり経済状況に応じて価格は上がったり下がったりするということです。
 
 ではその当たり前の物流サービスとは何でしょうか。この定義は「比較的容易にできる仕事」といったらよいかもしれません。
 
 物流サービスの中で、特別なスキルが無いとできないような仕事を除けば、あとは「比較的容易にできる仕事」ということになります。
 
 たとえば輸送サービスや保管サービスはその典型です。何もお金を取ってそのサービスを提供する物流事業者でなくてもこの類の仕事はできます。
 
 現に工場内倉庫で保管したり自社で保有するトラックで輸送したりしている会社は山のようにあります。
 
 ですから将来的なことを考えると、景気に左右されにくい物流サービスを提供していくことが望ましいといえるでしょう。
 
 では景気に左右されにくい物流サービスにはどのような仕事があるのでしょうか。さらにできれば高値で売れる物流サービスを探したいところです。次回のその2で、続いて解説します。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
輸送改善のための工場環境整備とは 儲ける輸送改善 (その2)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


サプライチェーンマネジメントの基礎

1. サプライチェーンマネジメントの要点  サプライチェーンマネジメント(SCM)は経営における考え方で、以下3点に要約されます。   ① 消費者需要...

1. サプライチェーンマネジメントの要点  サプライチェーンマネジメント(SCM)は経営における考え方で、以下3点に要約されます。   ① 消費者需要...


ヒューマンエラーと物流品質 物流品質の向上 (その2)

1.ヒューマンエラーの類型  工場において物流品質不良が発生した場合、その要因が往々にしてヒューマンエラーによるものであることが多いようです。ではヒ...

1.ヒューマンエラーの類型  工場において物流品質不良が発生した場合、その要因が往々にしてヒューマンエラーによるものであることが多いようです。ではヒ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
調達と商品陳列の同期化 輸送機能の高度化(その3)

        輸送のタイミングで着荷主に何かしらの行動を起こさせる機能は重要です。輸送されてきたものが届けばそこからその荷を建屋内で動かすなどの行...

        輸送のタイミングで着荷主に何かしらの行動を起こさせる機能は重要です。輸送されてきたものが届けばそこからその荷を建屋内で動かすなどの行...


物流設計のできる事業者とは:真の物流事業者(その2)

  ◆物流設計のできる事業者 物流の専門家でないメーカーが、物流設計ができるのは、彼らは「物流の当事者」だからです。それを実行しなければ...

  ◆物流設計のできる事業者 物流の専門家でないメーカーが、物流設計ができるのは、彼らは「物流の当事者」だからです。それを実行しなければ...


通販物流と日本の物流実力値 私たちの物流実力値(その1)

        筆者はよくセミナーで宅配物流(通販物流)の話をします。今までではほとんどマイナーであった通信販売が当たり前となり、それを支える物流が...

        筆者はよくセミナーで宅配物流(通販物流)の話をします。今までではほとんどマイナーであった通信販売が当たり前となり、それを支える物流が...