工程能力の理解 (その4) Zスコアと標準化

1.Zスコアとは何か

 
 前回のその3に続いて解説します。Zスコアは、ある値xiが分布の中でどの辺りに位置するかを平均値0、標準偏差1の標準正規分布に置き換え表したものです。Zスコアは下の算出式で導く事が出来ます。
 
        
zskoa1
 
 xiが平均値と等しければZスコアは0となり、平均より高い値ならZスコアはプラスの値、低ければマイナスの値となります。このZスコアを求める式は、標準偏差の値が異なる分布を、標準正規分布に置き換えたものと考えることが出来ます。例えば上限規格値が40で、平均値30、標準偏差10の正規分布を計算すると図1の様になり、Zスコアは1となります。
 
  
zskoa2
  
 図1.標準化イメージ
 
 Zスコアを用いる利点は、平均値や標準偏差が異なる分布の値も、標準正規分布という同一分布の中の値として比較が可能な所です。例えば数学と英語の成績の良し悪しは単なる点数の比較では判断できません。同じ70点でも点数の分布の平均と標準偏差によって分布のどの辺に位置するかが異なるからです。数学の平均と標準偏差が50点と10点(分布A)で、英語の平均と標準偏差が60点と15点(分布B)だとすれば、70点の結果のZスコアは、図2のように、数学が2.0、英語は0.67となります。
 
  
zskoa3
 
図2.異なる2つの分布の標準化イメージ
 
 因みに両試験における70点を偏差値に表すと、それぞれ数学は偏差値70、英語は偏差値60相当となります。偏差値70は1000人受験者がいれば23位付近であり、60は253位付近となります。
 

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2.Zスコアの応用 偏差値

 
 学力を表す統計指標に偏差値がありますが、これもZスコアと同様に標準化指標です。偏差値は分布の平均が50となり、50<の場合は平均より成績が上位で、50>は成績が下位である事を示唆します。偏差値はZスコアを用いる事で次の式にて容易に求める事が出来ます。
 
                             
zskoa4
  
 
 数学の点数分布において、Zスコア及び偏差値をZスコア分布と共に図3に示します。また各Zスコアが上位から何%に相当するかも併せて記します。
 
        
zskoa5

         
図3.数学試験点数分布におけるZスコアと偏差値
 
 Zスコア2若しくは偏差値70は上位2.3%に入るほど成績上位という事になります。偏差値60でも25%なので1学年200人が受験していれば50位に入りますので悪くありません。
  

この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

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