シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

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シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

 

シリカ、シリコン、シリコーンこの単語、みなさんの生活の中で聞いたことがあるかと思います。みなさんは、この3つの違いがわかりますか?実は、これらは呼び方は似ていますが、全く異なるものです。今回は、シリカ、シリコン、シリコーンについて解説します。

【目次】

    1. シリカ(英:Silica)

    シリカは、二酸化ケイ素(SiO2)、もしくは二酸化ケイ素によって構成される物質の総称です。別名無水ケイ酸、ケイ酸、酸化シリコン呼ばれていて、構造は、SiO4を基準とした四面体構造をしています。

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

    Fig1.シリカの構造

     

    Fig1のようにSiO4四面体構造を持ったものがシリカと呼ばれています。この四面体分子が規則的な構造を持ったものを結晶性シリカで、珪石や水晶は結晶性シリカです。合成シリカは、この結晶性シリカのバラバラにして、再度不規則に組み合わせたものが非晶質シリカ(合成シリカ)で、シリカ一次粒子のまま製品にしたものはコロイダルシリカ、一次粒子同士を結合させて二次粒子を作り、粒度の調整・乾燥を行ったものが合成シリカで多孔質構造を有しています。合成シリカは、製法によってフュームドシリカ、シリカゲル、沈降性シリカに大別され、球状や破砕状の形状と粒度の制御ができます。

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

    Fig2.合成シリカの製造法

     

    このようなSiO4四面体構造を持つシリカですが、基本的にはO原子が隣り合う2個のSi原子に共有されて結合しています。Fig3に示すように、Si原子1個に対して、酸素原子は共有しているため、4×1/2個(2個)となるため一般的にはSiO2として表記されます。

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

    Fig3.SiO4骨格中における酸素原子の共有状態

     

    2. シリコン(英:Silicon)

    シリコン(Silicon)は、ケイ素のことで元素記号はSiで表されます。シリコンは岩石や土壌の主成分として自然界に存在し、地殻状で酸素に次いで多く存在するため、クラーク数は2番目となります。

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

    Fig4. 地殻構造とクラーク数

     

    通常地殻中でケイ素は、酸素との化合物、二酸化ケイ素(シリカ)の形で存在します。またシリコンは、工業的には、石英(水晶)や珪石はシリカ原料の珪石を2000℃程度で焼成還元、精留させて、ケイ素の純度を高めたものを指します。外観は暗灰色をした金属で、半導体材料やシリコーン樹脂の原料に使用されていて金属ケイ素とも呼ばれています。

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

    Fig5. シリカ(SiO2)とシリコン(Si)

     

    (1)シリコン半導体

    半導体とは、電気を良く通す金属などの「導体」と、電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」との中間の性質を持つ物質や材料のことで、シリコンがよく用いられています。また、このような半導体を材料に用いたトランジスタや集積回路(多数のトランジスタなどを作り込み配線接続した回路)も、慣用的に”半導体”と呼ばれています。半導体は情報の記憶、数値計算や論理演算などの知的な情報処理機能を持っており、電子機器や装置の頭脳部分として中心的役割を果たしています。シリコン半導体はn型、p型半導体があります。

     

    (2)n型半導体

    電子を余分に持つ(負電荷を持つ)物質の自由電子によって電気伝導が起こる半導体を「n型半導体」と呼びます。なお、マイナスの電荷を持つということから、負(negative)の頭文字を取り、n型と呼ばれています。自由電子は、電圧を掛ければ+に引き寄せられて自由に動ける(電流を流せる)状態になります(Fig1)。n型半導体には、シリコンにリン(P)やヒ素(As)、アンチモン(Sb)を加えたものがあります。

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

    Fig6. n型半導体の原理1)

     

    (3)p型半導体

    p型半導体には、n型半導体のような自由電子が存在せずに価電子帯に発生する電子の欠損部「ホール(正孔)」があります。プラス極側に隣り合う電子はホールに移動して、その移動により電気が伝わります。見た目上ホールが+極へと移動していることから、正(positive)の電荷を持つとされ、p型と呼ばれています(Fig2)。p型半導体は、シリコンにホウ素を加えたものが一般的です。

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

    Fig7. p型半導体の原理1)

     

    アメリカのシリコンバレー地区は、半導体やソフトウェア、インターネット関連のハイテク産業が集積しているため、ICチップの素材に用いられるケイ素(シリコン)をもじって俗にこのように呼ばれるようになったそうです。実は「シリコンバレー」という公的に定められた行政区画は無く、おおむね、サンフランシスコ湾南岸のサンマテオ市からサンノゼ市にかけての一体を指すそうです。2) 

     

    3. シリコーン(Silicone)

    ケイ素と酸素からなるシロキサン結合(≡Si-O-Si≡)を骨格とし、そのケイ素(Si)にメチル基(-CH3)を主体とする有機基が結合したポリマーの総称です。無機質のシロキサン結合と有機基との結び付きにより、無機と有機の特性をあわせ持った高機能ポリマ-化合物で、形状は、オイル、ワニス、ゴム、エマルション、レジン(樹脂)と多様です。化学的にも安定で、耐熱性もあるため電気・電子・自動車・建築・化学・化粧品・繊維・食品など様々な分野で使用されていて、身近なところでは、レンジ加熱できる調理器具(スチームクッカー)やお弁当の仕切りにも用いられています。

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

    Fig8. シリコーンの構造3)

     

    4. ま...

    シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

     

    シリカ、シリコン、シリコーンこの単語、みなさんの生活の中で聞いたことがあるかと思います。みなさんは、この3つの違いがわかりますか?実は、これらは呼び方は似ていますが、全く異なるものです。今回は、シリカ、シリコン、シリコーンについて解説します。

    【目次】

      1. シリカ(英:Silica)

      シリカは、二酸化ケイ素(SiO2)、もしくは二酸化ケイ素によって構成される物質の総称です。別名無水ケイ酸、ケイ酸、酸化シリコン呼ばれていて、構造は、SiO4を基準とした四面体構造をしています。

      シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

      Fig1.シリカの構造

       

      Fig1のようにSiO4四面体構造を持ったものがシリカと呼ばれています。この四面体分子が規則的な構造を持ったものを結晶性シリカで、珪石や水晶は結晶性シリカです。合成シリカは、この結晶性シリカのバラバラにして、再度不規則に組み合わせたものが非晶質シリカ(合成シリカ)で、シリカ一次粒子のまま製品にしたものはコロイダルシリカ、一次粒子同士を結合させて二次粒子を作り、粒度の調整・乾燥を行ったものが合成シリカで多孔質構造を有しています。合成シリカは、製法によってフュームドシリカ、シリカゲル、沈降性シリカに大別され、球状や破砕状の形状と粒度の制御ができます。

      シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

      Fig2.合成シリカの製造法

       

      このようなSiO4四面体構造を持つシリカですが、基本的にはO原子が隣り合う2個のSi原子に共有されて結合しています。Fig3に示すように、Si原子1個に対して、酸素原子は共有しているため、4×1/2個(2個)となるため一般的にはSiO2として表記されます。

      シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

      Fig3.SiO4骨格中における酸素原子の共有状態

       

      2. シリコン(英:Silicon)

      シリコン(Silicon)は、ケイ素のことで元素記号はSiで表されます。シリコンは岩石や土壌の主成分として自然界に存在し、地殻状で酸素に次いで多く存在するため、クラーク数は2番目となります。

      シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

      Fig4. 地殻構造とクラーク数

       

      通常地殻中でケイ素は、酸素との化合物、二酸化ケイ素(シリカ)の形で存在します。またシリコンは、工業的には、石英(水晶)や珪石はシリカ原料の珪石を2000℃程度で焼成還元、精留させて、ケイ素の純度を高めたものを指します。外観は暗灰色をした金属で、半導体材料やシリコーン樹脂の原料に使用されていて金属ケイ素とも呼ばれています。

      シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

      Fig5. シリカ(SiO2)とシリコン(Si)

       

      (1)シリコン半導体

      半導体とは、電気を良く通す金属などの「導体」と、電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」との中間の性質を持つ物質や材料のことで、シリコンがよく用いられています。また、このような半導体を材料に用いたトランジスタや集積回路(多数のトランジスタなどを作り込み配線接続した回路)も、慣用的に”半導体”と呼ばれています。半導体は情報の記憶、数値計算や論理演算などの知的な情報処理機能を持っており、電子機器や装置の頭脳部分として中心的役割を果たしています。シリコン半導体はn型、p型半導体があります。

       

      (2)n型半導体

      電子を余分に持つ(負電荷を持つ)物質の自由電子によって電気伝導が起こる半導体を「n型半導体」と呼びます。なお、マイナスの電荷を持つということから、負(negative)の頭文字を取り、n型と呼ばれています。自由電子は、電圧を掛ければ+に引き寄せられて自由に動ける(電流を流せる)状態になります(Fig1)。n型半導体には、シリコンにリン(P)やヒ素(As)、アンチモン(Sb)を加えたものがあります。

      シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

      Fig6. n型半導体の原理1)

       

      (3)p型半導体

      p型半導体には、n型半導体のような自由電子が存在せずに価電子帯に発生する電子の欠損部「ホール(正孔)」があります。プラス極側に隣り合う電子はホールに移動して、その移動により電気が伝わります。見た目上ホールが+極へと移動していることから、正(positive)の電荷を持つとされ、p型と呼ばれています(Fig2)。p型半導体は、シリコンにホウ素を加えたものが一般的です。

      シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

      Fig7. p型半導体の原理1)

       

      アメリカのシリコンバレー地区は、半導体やソフトウェア、インターネット関連のハイテク産業が集積しているため、ICチップの素材に用いられるケイ素(シリコン)をもじって俗にこのように呼ばれるようになったそうです。実は「シリコンバレー」という公的に定められた行政区画は無く、おおむね、サンフランシスコ湾南岸のサンマテオ市からサンノゼ市にかけての一体を指すそうです。2) 

       

      3. シリコーン(Silicone)

      ケイ素と酸素からなるシロキサン結合(≡Si-O-Si≡)を骨格とし、そのケイ素(Si)にメチル基(-CH3)を主体とする有機基が結合したポリマーの総称です。無機質のシロキサン結合と有機基との結び付きにより、無機と有機の特性をあわせ持った高機能ポリマ-化合物で、形状は、オイル、ワニス、ゴム、エマルション、レジン(樹脂)と多様です。化学的にも安定で、耐熱性もあるため電気・電子・自動車・建築・化学・化粧品・繊維・食品など様々な分野で使用されていて、身近なところでは、レンジ加熱できる調理器具(スチームクッカー)やお弁当の仕切りにも用いられています。

      シリカ、シリコン、シリコーンの違いをわかりやすく解説

      Fig8. シリコーンの構造3)

       

      4. まとめ

      シリカ(Silica)、シリコン(Silicon)、シリコーン(Silicone)の呼び名は似ていますが、化学的、構造的に全く異なる物質です。特に、シリコン、シリコーンは、コとンの間に長音が入るか入らないかの違い、更に、英語だと末尾にeがつくかつかないだけで、全く異なる物質となってしまうため注意が必要です。

      【参考文献】
      1) 新電元工業株式会社HPより引用、筆者一部改 https://www.shindengen.co.jp/products/semi/column/basic/semi/rectifying_action.html
      2) IT用語辞典 https://e-words.jp/
      3) ペルノックス株式会社HP https://www.pelnox.co.jp/blog/ja/word/103/

       

       

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      この記事の著者

      山田 佳之

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