部下の成長を促す方法とは

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人財教育

 

書籍を読んでいたら『仕事に満足していない人は7割もいる』と書いてあり、私は「えっ、本当に?」と驚きを隠せませんでした。人の心は、浮き沈みはあれど、仕事への満足度はプラス領域にあると思っていたので、マイナス領域が多いとは、本当に意外でした。仕事への満足度は、メンタルヘルス、モチベーション、協力、協調などに大きく影響し、職場の生産性を左右します。リーダーは、部下や後輩の満足度を高めるよう、成長を促す必要があるのです。今回は、業務への満足度についてのお話です。

 

1. 成長を促したい時はその心の状態を変える

心の不均衡が生じたとき、成長するチャンスが訪れます。チャンスを活かすも逃すも、本人の心構えで決まります。仕事への満足が最も高くなる心の状態はどのように生まれるでしょうか。それは、求められる仕事のレベルと自分の能力レベルが均衡している時です。

 

例えば、あなたが表計算ソフトを使った回帰分析を頼まれたとき。もし、そつなく、その仕事をやり終える能力を持っていると、あなたの業務満足度は最高に高まります。逆に、その仕事を実行できるだけの知識も技量も無ければ、仕事への満足度は下がってしまいます。

 

このように、私たちの心は、バランスを感じた時に「満足度」が高まり、アンバランスな状態が続くと「満足度」が下がるのです。リーダーは、部下の知識や技量を考慮して、業務を配分する必要があるのです。

 

しかし、このままでは 部下の成長 を促すことができません。なぜならば、既知の知識と技量のみが仕事に適用されてしまうからです。成長を後輩や部下の成長を促したいのなら、その心の状態をアドオン型に変えてあげる必要があります。

 

もしも、求められる仕事のレベルに対し、自分のレベルが不足していると、心の中に不均衡が生じます。この不均衡を感じた時、その不足する領域を補おうとする気持ち(意識)が芽生えます。すると、レベルが達していない領域への好奇心が芽生え、チャレンジ精神が湧き上がってきます。

 

このように、心のバランスをとりながら、私たちは成長のチャンスをつかむのです。この心の状態をアドオン型といいます。ただ、アドオン型のスイッチが入る人ばかりとも限りません。中には、成長のチャンスをつかまない人も存在します。そのような人は、心の中に不均衡が生じたとき、ネガティブな感情でバランスをとろうとします。

 

例えば、心の不均衡を無くすために、次の様な行動でバランスをとろうとします。

  • 愚痴を言う
  • 仕事自体を見下す
  • 周囲の邪魔をする
  • 仕事を出した人の悪口を言う

 

この状態では、好奇心もチャレンジ精神も沸き起こりません。このタイプは、アドオン型に対してデリート型と呼んでいます。

 

2. 部下の成長をコミュニケーションで促す

できれば、あなた自身も部下や後輩も、バランス型又はアドオン型のマインドセットにしておきたいものです。

 

これを実現するために、職場内では、1on1ミーティングなどを使って、バランス型・アドオン型・デリート型について対話をしてみると良いでしょう。大切...

人財教育

 

書籍を読んでいたら『仕事に満足していない人は7割もいる』と書いてあり、私は「えっ、本当に?」と驚きを隠せませんでした。人の心は、浮き沈みはあれど、仕事への満足度はプラス領域にあると思っていたので、マイナス領域が多いとは、本当に意外でした。仕事への満足度は、メンタルヘルス、モチベーション、協力、協調などに大きく影響し、職場の生産性を左右します。リーダーは、部下や後輩の満足度を高めるよう、成長を促す必要があるのです。今回は、業務への満足度についてのお話です。

 

1. 成長を促したい時はその心の状態を変える

心の不均衡が生じたとき、成長するチャンスが訪れます。チャンスを活かすも逃すも、本人の心構えで決まります。仕事への満足が最も高くなる心の状態はどのように生まれるでしょうか。それは、求められる仕事のレベルと自分の能力レベルが均衡している時です。

 

例えば、あなたが表計算ソフトを使った回帰分析を頼まれたとき。もし、そつなく、その仕事をやり終える能力を持っていると、あなたの業務満足度は最高に高まります。逆に、その仕事を実行できるだけの知識も技量も無ければ、仕事への満足度は下がってしまいます。

 

このように、私たちの心は、バランスを感じた時に「満足度」が高まり、アンバランスな状態が続くと「満足度」が下がるのです。リーダーは、部下の知識や技量を考慮して、業務を配分する必要があるのです。

 

しかし、このままでは 部下の成長 を促すことができません。なぜならば、既知の知識と技量のみが仕事に適用されてしまうからです。成長を後輩や部下の成長を促したいのなら、その心の状態をアドオン型に変えてあげる必要があります。

 

もしも、求められる仕事のレベルに対し、自分のレベルが不足していると、心の中に不均衡が生じます。この不均衡を感じた時、その不足する領域を補おうとする気持ち(意識)が芽生えます。すると、レベルが達していない領域への好奇心が芽生え、チャレンジ精神が湧き上がってきます。

 

このように、心のバランスをとりながら、私たちは成長のチャンスをつかむのです。この心の状態をアドオン型といいます。ただ、アドオン型のスイッチが入る人ばかりとも限りません。中には、成長のチャンスをつかまない人も存在します。そのような人は、心の中に不均衡が生じたとき、ネガティブな感情でバランスをとろうとします。

 

例えば、心の不均衡を無くすために、次の様な行動でバランスをとろうとします。

  • 愚痴を言う
  • 仕事自体を見下す
  • 周囲の邪魔をする
  • 仕事を出した人の悪口を言う

 

この状態では、好奇心もチャレンジ精神も沸き起こりません。このタイプは、アドオン型に対してデリート型と呼んでいます。

 

2. 部下の成長をコミュニケーションで促す

できれば、あなた自身も部下や後輩も、バランス型又はアドオン型のマインドセットにしておきたいものです。

 

これを実現するために、職場内では、1on1ミーティングなどを使って、バランス型・アドオン型・デリート型について対話をしてみると良いでしょう。大切なことは「あっ、いまデリート型マインドになってるかも?」と本人に気付かせることです。

 

また、職場内のコミュニケーションにも同じことがいえます。コミュニケーションに対する知識や技量が足りていないと、アドオン型がデリート型のどちらかに心が偏ります。できれば、職場内のコミュニケーションについても、教育訓練計画に取り入れ、アドオン型への成長を促すと良いでしょう。

 

チャンスを活かすも逃すも、本人の心構えで決まります。心の不均衡が生じたとき、部下の成長するチャンスが訪れるのです。能力均衡型とアドオン型が生まれるような、対話をしてみましょう。

 

 

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この記事の著者

坂田 和則

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

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