商品企画七つ道具:コンジョイント分析とは

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◆ 商品企画七つ道具【連載記事紹介】

 

◆単純集計とコンジョイント分析の違い

コンジョイント分析は商品企画の場面で新商品の仕様を決定する際に使います。商品コンセプトを具体的に決める分析法です。今回は、単純集計とコンジョイント分析の違いについて解説します。

 

1.カップラーメンの具体的仕様を決める:単純集計

例としてカップラーメンの具体的仕様を決めるために3人ですがアンケートを取りました。単純にするために、味、量、価格、麺としています。

【仕様】

1.味:辛い、普通

2.量:普通盛り、大盛り

3.価格:150円、200円

4.麺:生麺、乾麺

 

【具体的仕様を決める質問】:事例として単純にしてあります。

Q1 カップラーメンの味は以下のどちらを買いますか?

1.辛い
2.普通

Q2 カップラーメンの量は以下のどちらを買いますか?

1.普通盛り
2.大盛り

Q3 カップラーメンの価格は以下のどちらを買いますか?

1.150円
2.200円

Q4 カップラーメンの麺は以下のどちらを買いますか?

1.生麺
2.乾麺

 

【具体的仕様を決める質問、3人の回答】

Q1 味

1.○辛い:2人:67%
2.普通:1人:33%

Q2 量

1.普通盛り:1人:33%
2.○大盛り:2人:67%

Q3 価格

1.○150円:2人:67%
2.200円:1人:33%

Q4 麺

1.○生麺:2人:67%
2.乾麺:1人:33%

 

【単純集計の結果から具体的仕様を決める】

・辛い
・大盛り
・150円
・生麺

これが買ってもらえる比率が高いのです。

ここで一つの疑問として、個別(味、量など)の人気投票した結果を組み合わせたら、最も買ってもらえるものでしょうか?カップラーメンの仕様の組み合わせを評価してもらわないと、正確な結果はわからないと思い、全ての組み合わせを評価してもらうと、16通りの組み合わせとなります。

    味      量    価格   麺
1 辛い 大盛り 150円 生麺
2 辛い 普通盛り 150円 生麺
3 辛い 大盛り 150円 乾麺
4 辛い 普通盛り 150円 乾麺
5 普通 大盛り 150円 生麺
6 辛い 大盛り 200円 生麺
7 普通 普通盛り 150円 生麺
8 辛い 普通盛り 200円 生麺
9 普通 大盛り 150円 乾麺
10 辛い 大盛り 200円 乾麺
11 普通 普通盛り 150円 乾麺
12 辛い 普通盛り 200円 乾麺
13 普通 大盛り 200円 生麺
14 普通 普通盛り 200円 生麺
15 普通 大盛り 200円 乾麺
16 普通 普通盛り 200円 乾麺

16通り全て回答してもらうのはなかなか大変です。

 

2.カップラーメンの具体的仕様を決める:コンジョイント分析

コンジョイント分析を活用して、16通り回答してもらったのと同様で半分の8通りで済む方法があります。上記の仕様の組み合わせ案を策定してアンケート調査をしました。

買いたい度合い、5段階評価

    味      量       価格  麺  No1 No2 No3
A 辛い 普通盛り 150円 生麺 5 5 3
B 辛い 普通盛り 150円 乾麺 4 5 3
C 辛い 大盛り 200円 生麺 5 3 3
D 辛い 大盛り 200円 乾麺 5 3 3
E 普通 普通盛り 200円 生麺 3 3 4
F 普通 普通盛り 200円 乾麺 2 3 3
G 普通 大盛り 150円 生麺 4 3 4
H 普通 大盛り 150円 乾麺 4 3 4


コンジョイント分析では、味、量、価格、麺の項目を属性といいます。味のレベル、辛い、普通の項目を水準といいます。

 

商品企画

図1:コンジョイントカード

 

商品企画

図2:効用値グラフ


分析をすると、効用値が得られます。効用値は全平均値に対して、水準がどれくらいの効果があるかを値にしたものです。

・味の「辛い」は 0.292点、
・量の「大盛り」は 0.042点、
・価格の「150円」は 0.292点
・麺の「生麺」は 0.125点、効果を上げます。

また、マイナスの値は全平均値に対して効果を下げます。

 

「辛い」、「大盛り」、「150円」、「生麺」の組み合わせが、最も評価が高くなり、その買いたい度合いは4.375点になります。これを最適水準といいます。

 

効用値には数字の大小がありますので、数字が大きいほど効果を上げます。この例では、「味」、「価格」は買...

 

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◆単純集計とコンジョイント分析の違い

コンジョイント分析は商品企画の場面で新商品の仕様を決定する際に使います。商品コンセプトを具体的に決める分析法です。今回は、単純集計とコンジョイント分析の違いについて解説します。

 

1.カップラーメンの具体的仕様を決める:単純集計

例としてカップラーメンの具体的仕様を決めるために3人ですがアンケートを取りました。単純にするために、味、量、価格、麺としています。

【仕様】

1.味:辛い、普通

2.量:普通盛り、大盛り

3.価格:150円、200円

4.麺:生麺、乾麺

 

【具体的仕様を決める質問】:事例として単純にしてあります。

Q1 カップラーメンの味は以下のどちらを買いますか?

1.辛い
2.普通

Q2 カップラーメンの量は以下のどちらを買いますか?

1.普通盛り
2.大盛り

Q3 カップラーメンの価格は以下のどちらを買いますか?

1.150円
2.200円

Q4 カップラーメンの麺は以下のどちらを買いますか?

1.生麺
2.乾麺

 

【具体的仕様を決める質問、3人の回答】

Q1 味

1.○辛い:2人:67%
2.普通:1人:33%

Q2 量

1.普通盛り:1人:33%
2.○大盛り:2人:67%

Q3 価格

1.○150円:2人:67%
2.200円:1人:33%

Q4 麺

1.○生麺:2人:67%
2.乾麺:1人:33%

 

【単純集計の結果から具体的仕様を決める】

・辛い
・大盛り
・150円
・生麺

これが買ってもらえる比率が高いのです。

ここで一つの疑問として、個別(味、量など)の人気投票した結果を組み合わせたら、最も買ってもらえるものでしょうか?カップラーメンの仕様の組み合わせを評価してもらわないと、正確な結果はわからないと思い、全ての組み合わせを評価してもらうと、16通りの組み合わせとなります。

    味      量    価格   麺
1 辛い 大盛り 150円 生麺
2 辛い 普通盛り 150円 生麺
3 辛い 大盛り 150円 乾麺
4 辛い 普通盛り 150円 乾麺
5 普通 大盛り 150円 生麺
6 辛い 大盛り 200円 生麺
7 普通 普通盛り 150円 生麺
8 辛い 普通盛り 200円 生麺
9 普通 大盛り 150円 乾麺
10 辛い 大盛り 200円 乾麺
11 普通 普通盛り 150円 乾麺
12 辛い 普通盛り 200円 乾麺
13 普通 大盛り 200円 生麺
14 普通 普通盛り 200円 生麺
15 普通 大盛り 200円 乾麺
16 普通 普通盛り 200円 乾麺

16通り全て回答してもらうのはなかなか大変です。

 

2.カップラーメンの具体的仕様を決める:コンジョイント分析

コンジョイント分析を活用して、16通り回答してもらったのと同様で半分の8通りで済む方法があります。上記の仕様の組み合わせ案を策定してアンケート調査をしました。

買いたい度合い、5段階評価

    味      量       価格  麺  No1 No2 No3
A 辛い 普通盛り 150円 生麺 5 5 3
B 辛い 普通盛り 150円 乾麺 4 5 3
C 辛い 大盛り 200円 生麺 5 3 3
D 辛い 大盛り 200円 乾麺 5 3 3
E 普通 普通盛り 200円 生麺 3 3 4
F 普通 普通盛り 200円 乾麺 2 3 3
G 普通 大盛り 150円 生麺 4 3 4
H 普通 大盛り 150円 乾麺 4 3 4


コンジョイント分析では、味、量、価格、麺の項目を属性といいます。味のレベル、辛い、普通の項目を水準といいます。

 

商品企画

図1:コンジョイントカード

 

商品企画

図2:効用値グラフ


分析をすると、効用値が得られます。効用値は全平均値に対して、水準がどれくらいの効果があるかを値にしたものです。

・味の「辛い」は 0.292点、
・量の「大盛り」は 0.042点、
・価格の「150円」は 0.292点
・麺の「生麺」は 0.125点、効果を上げます。

また、マイナスの値は全平均値に対して効果を下げます。

 

「辛い」、「大盛り」、「150円」、「生麺」の組み合わせが、最も評価が高くなり、その買いたい度合いは4.375点になります。これを最適水準といいます。

 

効用値には数字の大小がありますので、数字が大きいほど効果を上げます。この例では、「味」、「価格」は買いたいに影響します。「量」はそれほど買いたいに影響しません。


全ての組み合わせの効用値

   味  量  価格  麺  効用値
1位 辛い 大盛り 150円 生麺 4.38
2位 辛い 普通盛り 150円 生麺 4.29
3位 辛い 大盛り 150円 乾麺 4.13
4位 辛い 普通盛り 150円 乾麺 4.04

味を辛く、価格を150円にすると4点以上になります。

 

商品企画

図3:全体効用の順位表

 

コンジョイント分析と単純集計の結果を比べると、最も良い組み合わせは同じ結果になりましたが、コンジョイント分析は、平均値、組み合わせ値の詳細がわかることから、単純集計の結果より、多くの情報が得られます。

 

 

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この記事の著者

石川 朋雄

日本のものづくりは品質向上に切磋琢磨し,高品質な商品を開発しました。高品質商品と顧客価値創造を融合する商品企画のシステム化を提案します。

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