潜在的問題分析 意思決定のためのKT法(その5)

【目次】

 1、KT法とは

 2、状況分析

 3、問題分析

 4、決定分析

 5、潜在的問題(リスク)分析 ← 今回の解説

 

1. 潜在的問題分析(PPA)の実施手順

 潜在的問題分析(PPA)は、プロジェクトマネジメントで紹介したリスクマネジメントの内容と本質的には同じと考えてよいでしょう。リスク分析の狭義の基本プロセス、リスク分析の判断基準、コンティンジェンシープランの考え方については、プロジェクトマネジメントⅤ(リスクマネジメント)を参照してください。

 ここでは、KT法の特徴を中心に記述します。潜在的問題分析(PPA)の実行プロセスには、図1のように、フルプロセスと簡易プロセスの2通りの方法があります。フルプロセスは、実施計画書作成後、重大領域をリストアップします。想定されるリスクを表1のように列挙します。それらに対して、想定される原因と対応策、起きる可能性(P)、起きた場合の重大性(S)を判定します。そして、それらのリスクのトリガー(きっかけとなる)情報を記述していきます。

 簡易プロセスは、実施計画ステートメントだけはっきりしていればよいような小さなテーマでは、即リスクと対応策を整理してしまおうというものです。

 図1 潜在的問題分析(PPA)のプロセス

 表1 リスクのリストアップシートの例

 また、潜在的問題分析のプロセスフローとチェックポイントを表2に整理しました。

     表2 潜在的問題分析のプロセスフローとチェックポイント

 

5.2 漏れなくダブりなくリスクを抽出するには

 マイナス影響要因(リスク)をリストアップするときに、どう漏れなくダブりなく抽出するかのスキルも必要です。ここでは、ロジカルシンキングの手法として、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)という考え方がありますので、少し紹介しておきます。例えば、技術業務の場合、次のような切り口がよく使われます。 

  1. ヒト、モノ、カネ、情報、ノウハウ
  2. WHO(市場/顧客)、WHAT(機能/ニーズ)、HOW(技術/独自能力)
  3. Man(生産主体)、Materia...
l(生産対象)、Machine(生産手段)、Method(方法)
  • 設計、調達、作業
  • 導入期、成長期、成熟期、衰退期
  • 顧客、競合、自社
  • 現状、問題点、改善策
  • 財務的視点、顧客の視点、社内プロセスの視点、人材育成の視点
  •  

     リスクとなるマイナス影響要因を、表3として具体的に例示してみました。

    表3 マイナス影響要因の例

    ◆関連解説『品質マネジメントとは』

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