トヨタ ミライ試乗レポート 次世代エネルギー車とものづくり(その2)

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【次世代エネルギー車とものづくり 連載目次】

 

【この連載の前回へのリンク】

カーボンニュートラル対応として次世代エネルギー車のニーズが高まっています。実際にそれらを試乗するとともにその可能性と課題や、これまで取り組んできたプラスチック材料や成形加工への影響、またモノづくりトヨタ生産方式やカイゼンの視点で連載します。

 

前回の HYUNDAI(ヒョンデ)自動車の燃料電池自動車(FCEV) NEXO(ネッソ)Hyundai FCEV NEXOの試乗に続き、今回はトヨタ自動車のFCEVのミライ(初代)試乗レポートです。

 

FCEV

 

試乗は、下図のように蒲田から、湾岸経由で、金沢八景を経由して江の島までの往復、約140kmです。

 

FCEV

 

◆水素ステーションの充実が課題 

NEXO試乗の時と同様に、今回も水素充填の体験は諦めました。経路上にタイミング良く営業しているステーションが無く、かなりの遠回りが必要でした。

 

後にレポートしますが、当社の調査によると、韓国国内のFCEVの普及率は日本の10倍近くのようです。韓国の現地の方にコメントも聞いていますが、営業時間という面で水素ステーションの利便性が高いようです。日本は、一件、ステーション数は多数あるように見えますが、夜間や日曜は休止しているなど、課題が多いことを体感しました。

 

最近、電気充電スタンドにBEV車が並んで待っているシーンに出くわしますが、その点、水素は充填時間数分ですこの点はFCEVの大きなメリットです。1回の充填での走行距離が700-800kmという点も価値が高いところです。

 

(1)内装デザイン

センターコンソール上部運転席側に小さなシフトレバーが付いています。ピカピカのパネルで、撮影した携帯電話が映りこんでしまいました。

 

FCEV

 

ステアリングホールの左側に、水の排出ボタンが付いてます。排出ボタンはFCEVだからです。生成された水は適宜排出されますが、排出したくない場所に入る際には、このボタンで強制的に排出させます。NEXOはステアリングホールの右側についていました。

 

FCEV

 

センターメータです。 写真はその運転席側の計器です。上部に棒グラフで水素残量が、下部左に走行可能距離が表示されています。

 

FCEV

 

(2)水素タンクはトヨタ内製、配置設計が課題

水素タンクは2本で、トランクルーム下にバッテリと太めの水素タンク、リアシートの下に2本目が配置されています。運転席下にはFCユニットが配置されています。フロントシート下に余裕がなく、リアセンタに着座した人の足が延ばせないために、リアシートは二人掛け、乗員4人のパッケージでした。

 

後部座席付近に配置されています。その配置設計の影響もあり乗員4名となってます。がある位置です。リアから前輪側を見ています。カバーで覆われているために見ることはできません。新型ミライは、かなりの配置設計に知恵を絞り、径が同じで長さが異なるタンクを3本搭載した上で5人乗りのセダンとしました。

 

先にレポートしたSUVタイプのNEXOは同じサイズのタンクが3本搭載可能です。

 

FCEVは高圧水素タンクの配置設計が大きな課題です。使用した旧型ミライは内製タンクでした。新型ミライは最後部のタンクの製造は豊田合成です。そのような点も含めて、やはり、FW法や炭素繊維およびCFRPがウオッチングポイントでしょう。

 

(3)走行特性 

  • トヨタ自動車のFCEV ミライ(初代)
  • Hyundai FCEV NEXO

この2台と在来のエンジン駆動自動車(ICEV=Internal Combustion Engine Vehicle内燃機関駆動車)を比較します。

 

【発進特性】

FCEVも走行特性としてはモータ駆動ですので、電気自動車です。したがって、発進加速性としては、モータ駆動は圧倒的な力強さがあります。遊びなく、アクセル踏み込みとリニアに反応します。

NEXO>初代ミライ>>ICEV

NEXOの120W、ミライの115Wで、発売時期の差を考えると妥当なところです。ミライはNEXOより若干まったりした出足ですが、車両の特性というよりはレスポンスの味付け(走行特性のデザイン)かもしれません。新型ミライがどの程...

【次世代エネルギー車とものづくり 連載目次】

 

【この連載の前回へのリンク】

カーボンニュートラル対応として次世代エネルギー車のニーズが高まっています。実際にそれらを試乗するとともにその可能性と課題や、これまで取り組んできたプラスチック材料や成形加工への影響、またモノづくりトヨタ生産方式やカイゼンの視点で連載します。

 

前回の HYUNDAI(ヒョンデ)自動車の燃料電池自動車(FCEV) NEXO(ネッソ)Hyundai FCEV NEXOの試乗に続き、今回はトヨタ自動車のFCEVのミライ(初代)試乗レポートです。

 

FCEV

 

試乗は、下図のように蒲田から、湾岸経由で、金沢八景を経由して江の島までの往復、約140kmです。

 

FCEV

 

◆水素ステーションの充実が課題 

NEXO試乗の時と同様に、今回も水素充填の体験は諦めました。経路上にタイミング良く営業しているステーションが無く、かなりの遠回りが必要でした。

 

後にレポートしますが、当社の調査によると、韓国国内のFCEVの普及率は日本の10倍近くのようです。韓国の現地の方にコメントも聞いていますが、営業時間という面で水素ステーションの利便性が高いようです。日本は、一件、ステーション数は多数あるように見えますが、夜間や日曜は休止しているなど、課題が多いことを体感しました。

 

最近、電気充電スタンドにBEV車が並んで待っているシーンに出くわしますが、その点、水素は充填時間数分ですこの点はFCEVの大きなメリットです。1回の充填での走行距離が700-800kmという点も価値が高いところです。

 

(1)内装デザイン

センターコンソール上部運転席側に小さなシフトレバーが付いています。ピカピカのパネルで、撮影した携帯電話が映りこんでしまいました。

 

FCEV

 

ステアリングホールの左側に、水の排出ボタンが付いてます。排出ボタンはFCEVだからです。生成された水は適宜排出されますが、排出したくない場所に入る際には、このボタンで強制的に排出させます。NEXOはステアリングホールの右側についていました。

 

FCEV

 

センターメータです。 写真はその運転席側の計器です。上部に棒グラフで水素残量が、下部左に走行可能距離が表示されています。

 

FCEV

 

(2)水素タンクはトヨタ内製、配置設計が課題

水素タンクは2本で、トランクルーム下にバッテリと太めの水素タンク、リアシートの下に2本目が配置されています。運転席下にはFCユニットが配置されています。フロントシート下に余裕がなく、リアセンタに着座した人の足が延ばせないために、リアシートは二人掛け、乗員4人のパッケージでした。

 

後部座席付近に配置されています。その配置設計の影響もあり乗員4名となってます。がある位置です。リアから前輪側を見ています。カバーで覆われているために見ることはできません。新型ミライは、かなりの配置設計に知恵を絞り、径が同じで長さが異なるタンクを3本搭載した上で5人乗りのセダンとしました。

 

先にレポートしたSUVタイプのNEXOは同じサイズのタンクが3本搭載可能です。

 

FCEVは高圧水素タンクの配置設計が大きな課題です。使用した旧型ミライは内製タンクでした。新型ミライは最後部のタンクの製造は豊田合成です。そのような点も含めて、やはり、FW法や炭素繊維およびCFRPがウオッチングポイントでしょう。

 

(3)走行特性 

  • トヨタ自動車のFCEV ミライ(初代)
  • Hyundai FCEV NEXO

この2台と在来のエンジン駆動自動車(ICEV=Internal Combustion Engine Vehicle内燃機関駆動車)を比較します。

 

【発進特性】

FCEVも走行特性としてはモータ駆動ですので、電気自動車です。したがって、発進加速性としては、モータ駆動は圧倒的な力強さがあります。遊びなく、アクセル踏み込みとリニアに反応します。

NEXO>初代ミライ>>ICEV

NEXOの120W、ミライの115Wで、発売時期の差を考えると妥当なところです。ミライはNEXOより若干まったりした出足ですが、車両の特性というよりはレスポンスの味付け(走行特性のデザイン)かもしれません。新型ミライがどの程度か気になるところです。新型ミライの試乗を調整中ですので、近々レポートできるかもしれません。

 

【高速加速性】

時速80km程度からの加速、高速の追い抜きをイメージした加速性も比較しました。

NEXO=初代ミライ=ICEV

発進加速性から高速加速性も期待しましたが、それほどの加速特性は感じられません。BEVで一般的に言われる特性で、FCEVにもそのまま当てはまる結果でした。ICEVのクルマによっては、BEVより加速性が優れるものもあるでしょう。

 

次回は、2台の発売台数を比較します。

 

さらなる詳細や動画、最新情報は、株式会社Tech-Tのウエブサイトでご確認ください。

 

◆関連解説『自動車技術』

◆オンデマンドセミナー:~新ビジネス探索のための情報の整理整頓シリーズ~ 新エネルギー車 BEV・FCEV 現状とこれから

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この記事の著者

高原 忠良

トヨタ式の ” ち密さ ” をサムスン流の ” スピード ” で! 自動車業界 × 樹脂部品を中心に開発から製造までのコンサルティング

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