品質トラブルや品質不具合、業務トラブルに対し、迅速かつ的確な原因追究が求められています。なぜなぜ分析とは、問題を引き起こしている事象に対して「なぜ」を繰り返しながら、論理的に漏れなく要因を洗い出し、再発防止を実現する的確な対策を導き出す実践的な方法です。
しかし無秩序に『なぜ、なぜ』を5回繰り返しても原因に辿りつくことはできません。今回は、なぜなぜ分析の事例から分析の進め方のコツ、分析の実際の進め方を解説します。
▼さらに深く学ぶなら!
「なぜなぜ分析」に関するセミナーはこちら!
※本記事を執筆した専門家「大岡明」が提供するセミナー一覧はこちら!
1.「なぜなぜ分析」とは
なぜなぜ分析は問題解析の方法の一つとして理解されておりRoot cause analysis(RCA)手法の一つとして、製造業を初めてとしてITソフトウェア業、サービス業、医療、介護、官庁自治体など国内外のさまざまな現場でトラブルやヒューマンエラーを撲滅するためのソリューション手法として活用されています。
なぜなぜ分析という名前は、問いを複数回行うことに由来しており、トヨタ自動車の製造現場から生まれたものです。
トヨタ自動車工業(現:トヨタ自動車)の大野耐一元副社長の著書「トヨタ生産方式」の中で紹介され、トヨタ自動車、同社グループ以外にも国内外で広く活用される様になりました。
大野氏は著書のなかで改善現場での活動の一つとして「5回の「なぜ」を自問自答する」と記したことから、なぜなぜ分析は5回なぜを問うものと捉えられる面もあるが、分析を行うにあたって「なぜ」の回数が規定されているわけではなく、真因を明らかにする、有効な改善を行うことが重要であり、回数にとらわれるべきではない。
なお、なぜなぜ分析は実施する組織や現場によっては「なぜなに分析」と呼ばれることがあるが、その意味は同一のものである。
なぜなに分析は英語では一般的にFive Why(s)と表現される。
1.1「なぜなぜ分析」の目的
なぜなぜ分析の主な目的は、以下の通りです。
- 根本原因の特定:なぜなぜ分析の最も重要な目的は、表面的な原因にとらわれず、問題の背後にある根本的な原因を明らかにすることである。これにより、問題が再発しないように対策を講じることができる。
- 恒久的な解決策の策定:根本原因を正確に特定することで、問題を永続的に解決するための適切な対策を策定できる。これにより、短期的な対応ではなく長期的な問題解決が実現する。
- 再発の防止:根本原因に対する適切な対策を実施することで、同じ問題が再発するリスクを最小限に抑えることができる。
- 組織の学習:問題の原因を徹底的に追求する過程は、組織内の業務やプロセスについての理解を深化させる。これにより、組織全体が学習し、将来の問題解決能力が向上する。
- 予防的なアプローチ:なぜなぜ分析を適用することで、他の類似の問題が発生するリスクを事前に識別し、予防策を講じることができる。
なぜなぜ分析は品質管理、製造業、エンジニアリング、サービス業など、多様な分野で効果的に活用されています。問題の根本原因を特定し、恒久的な対策を策定することで、問題の再発を防ぎ、組織の学習と予防的なアプローチを促進することができます。
2.「なぜなぜ分析」を行うメリット
なぜなぜ分析を行うメリットは、主に4つのカテゴリーに分類できます。これらのカテゴリーは、「問題解決」「組織の学習」「予防的なアプローチ」「競争力の向上」です。これらのカテゴリーが、組織の成長と競争力を向上させるために重要であることは間違いありません。
メリット |
説明 |
根本原因の特定 |
表面的な原因ではなく、問題の根底にある原因を特定することで、問題の再発を防げます。 |
長期的な問題解決 |
根本原因に対処することで、短期的な対応ではなく長期的な問題解決が実現します。 |
組織の学習 |
問題の原因を徹底的に追求する過程で、組織内の業務やプロセスの理解が深まります。 |
予防的なアプローチ |
他の類似の問題が発生するリスクを事前に識別し、予防策を講じることができます。 |
競争力の向上 |
効率的な運営が可能になり、企業の競争力を向上させることができます。 |
このように、なぜなぜ分析を適用することで、問題の再発を防ぎ、組織の学習や予防的なアプローチを促進し、競争力を向上させることができます。
3.トヨタ式「なぜなぜ分析」の具体的な例
前項で触れたトヨタ自動車工業(現:トヨタ自動車)の自動車製造における現場改善方法をまとめたトヨタ生産方式という本では、なぜなぜ分析に関する例として機械が動かなくなってしまったというケースを例に、なぜなぜ分析を行う例が紹介されています。
●「なぜ」1回目:なぜ?機械は止まったか
回答1、なぜならば、オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ
●「なぜ」2回目:なぜ?オーバーロードがかかったのか
回答2、なぜならば、軸受部の潤滑が十分でないからだ
●「なぜ」3...
品質トラブルや品質不具合、業務トラブルに対し、迅速かつ的確な原因追究が求められています。なぜなぜ分析とは、問題を引き起こしている事象に対して「なぜ」を繰り返しながら、論理的に漏れなく要因を洗い出し、再発防止を実現する的確な対策を導き出す実践的な方法です。
しかし無秩序に『なぜ、なぜ』を5回繰り返しても原因に辿りつくことはできません。今回は、なぜなぜ分析の事例から分析の進め方のコツ、分析の実際の進め方を解説します。
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1.「なぜなぜ分析」とは
なぜなぜ分析は問題解析の方法の一つとして理解されておりRoot cause analysis(RCA)手法の一つとして、製造業を初めてとしてITソフトウェア業、サービス業、医療、介護、官庁自治体など国内外のさまざまな現場でトラブルやヒューマンエラーを撲滅するためのソリューション手法として活用されています。
なぜなぜ分析という名前は、問いを複数回行うことに由来しており、トヨタ自動車の製造現場から生まれたものです。
トヨタ自動車工業(現:トヨタ自動車)の大野耐一元副社長の著書「トヨタ生産方式」の中で紹介され、トヨタ自動車、同社グループ以外にも国内外で広く活用される様になりました。
大野氏は著書のなかで改善現場での活動の一つとして「5回の「なぜ」を自問自答する」と記したことから、なぜなぜ分析は5回なぜを問うものと捉えられる面もあるが、分析を行うにあたって「なぜ」の回数が規定されているわけではなく、真因を明らかにする、有効な改善を行うことが重要であり、回数にとらわれるべきではない。
なお、なぜなぜ分析は実施する組織や現場によっては「なぜなに分析」と呼ばれることがあるが、その意味は同一のものである。
なぜなに分析は英語では一般的にFive Why(s)と表現される。
1.1「なぜなぜ分析」の目的
なぜなぜ分析の主な目的は、以下の通りです。
- 根本原因の特定:なぜなぜ分析の最も重要な目的は、表面的な原因にとらわれず、問題の背後にある根本的な原因を明らかにすることである。これにより、問題が再発しないように対策を講じることができる。
- 恒久的な解決策の策定:根本原因を正確に特定することで、問題を永続的に解決するための適切な対策を策定できる。これにより、短期的な対応ではなく長期的な問題解決が実現する。
- 再発の防止:根本原因に対する適切な対策を実施することで、同じ問題が再発するリスクを最小限に抑えることができる。
- 組織の学習:問題の原因を徹底的に追求する過程は、組織内の業務やプロセスについての理解を深化させる。これにより、組織全体が学習し、将来の問題解決能力が向上する。
- 予防的なアプローチ:なぜなぜ分析を適用することで、他の類似の問題が発生するリスクを事前に識別し、予防策を講じることができる。
なぜなぜ分析は品質管理、製造業、エンジニアリング、サービス業など、多様な分野で効果的に活用されています。問題の根本原因を特定し、恒久的な対策を策定することで、問題の再発を防ぎ、組織の学習と予防的なアプローチを促進することができます。
2.「なぜなぜ分析」を行うメリット
なぜなぜ分析を行うメリットは、主に4つのカテゴリーに分類できます。これらのカテゴリーは、「問題解決」「組織の学習」「予防的なアプローチ」「競争力の向上」です。これらのカテゴリーが、組織の成長と競争力を向上させるために重要であることは間違いありません。
メリット |
説明 |
根本原因の特定 |
表面的な原因ではなく、問題の根底にある原因を特定することで、問題の再発を防げます。 |
長期的な問題解決 |
根本原因に対処することで、短期的な対応ではなく長期的な問題解決が実現します。 |
組織の学習 |
問題の原因を徹底的に追求する過程で、組織内の業務やプロセスの理解が深まります。 |
予防的なアプローチ |
他の類似の問題が発生するリスクを事前に識別し、予防策を講じることができます。 |
競争力の向上 |
効率的な運営が可能になり、企業の競争力を向上させることができます。 |
このように、なぜなぜ分析を適用することで、問題の再発を防ぎ、組織の学習や予防的なアプローチを促進し、競争力を向上させることができます。
3.トヨタ式「なぜなぜ分析」の具体的な例
前項で触れたトヨタ自動車工業(現:トヨタ自動車)の自動車製造における現場改善方法をまとめたトヨタ生産方式という本では、なぜなぜ分析に関する例として機械が動かなくなってしまったというケースを例に、なぜなぜ分析を行う例が紹介されています。
●「なぜ」1回目:なぜ?機械は止まったか
回答1、なぜならば、オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ
●「なぜ」2回目:なぜ?オーバーロードがかかったのか
回答2、なぜならば、軸受部の潤滑が十分でないからだ
●「なぜ」3回目:なぜ?十分に潤滑しないのか
回答3、なぜならば、潤滑ポンプが十分くみ上げていないからだ
●「なぜ」4回目:なぜ十分くみ上げないのか
回答4、なぜならば、ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ
●「なぜ」5回目:なぜ?摩耗したのか
回答5、なぜならば、ストレーナー(濾過器)がついていないので、切粉が入ったからだ
今回の例では5回分の回数の「なぜ」により、発生した不具合の真因に迫っていることが理解できます。
※関連解説記事 「なぜなぜ分析」で答えに詰まった時にすることは
3.「なぜなぜ分析」の進め方のコツ【良い例・悪い例】
なぜなぜ分析を実施する時のコツの一つが「なぜ」という問いには「なぜならば」を頭に回答する事があげられます。
なぜ遅刻したのか?という「なぜ」への質問の答えの例を書いてみます。
- 回答例:急いだのですが、途中に乗った電車が遅れたため遅刻しました、すみません。
-
なぜなぜ分析の目的は根本原因(真因)を明らかにすることです。謝罪や定性要素ではなく、現実、定量要素をもとに進めることでロジカル(論理的)に根本原因(真因)に到達できます。回答1は事象をロジカルに取り扱う事を難しくする要素を含んでいます。
4.1「なぜ」には「なぜならば」を頭に回答する
先ほどの回答例「急いだのですが、途中に乗った電車が遅れたため遅刻しました、すみません」 は事象をロジカルに取り扱う事を難しくする要素を含んでいることを紹介しましたが、ロジカルに取り扱う事ために回答を工夫することはできないでしょうか?
その為の一案として、「なぜならば」を頭に回答する事が挙げられます。
- 問い:なぜ遅刻したのか?
- 回答例:急いだのですが、途中に乗った電車が遅れたため遅刻しました、すみません。
- 回答を工夫した例:(なぜならば)、電車の遅延で到着が遅れました。
工夫した結果、問いと回答の間でのつながりが明瞭になった事がわかると思います。
「なぜ」の問いには「なぜならば」を頭に回答する事は、なぜなぜ分析を活用する上で大いに役立ちます。
4.2客観的・定量的に分析を行う
なぜなぜ分析は問題の「真因」を見つけることに役立つ技法です。それは、問題と回答の間の繋がりを頼りに深堀りする分析プロセスにポイントがあります。
そのポイントとは「客観的・定量的に分析を行う」事です。 客観的、定量的と書くと難しそうに感じますが、以下に、先ほどの問い「なぜ遅刻したのか」をもとにして、各ワードに主観/客観など種類分けして記してみます。
- 問い:なぜ遅刻したのか?
- 回答例:急いだのですが、途中に乗った電車が遅れたため遅刻しました、すみません。
急いだのですが(主観)、途中に乗った(途中でも最初でも変わらない)電車が遅れた(客観:事実)ため、遅刻しました(既知事項)、すみません(謝罪)
カッコ内が種類分けです。主観や感想を省くと「電車が遅れた」の一言が回答となると考えられます。
このように、回答を種類分けすることで分析プロセスがスムーズになる事がわかると思います。
なぜなぜ分析は科学的に行うことでその効果が発揮されます。このように客観的、定量的内容重視する事で、伝達性、再現性が高まり、具体的な改善実施をスムーズに行うことができるようになります。
(※注意点として、定性的内容や感情、主観が全く不要という事ではありません。経験やスキル、その場の状況など客観的、定量的に捉えて表現できる事ばかりではない事も当然です。なぜなに分析時に感情や定性的な内容を含める際はその旨を明示し、客観的、定量的内容との区別をつけて行う事も現場では行われています)
複数回のなぜに対する回答と、その回答から直接想定される解決策を併記します。
- 回答1:オーバーロード発生によりヒューズが切れた
→ヒューズ交換?
- 回答2:軸受部の潤滑が十分でないからだ
→給油をしっかり行い潤滑を十分に行う?
- 回答3:潤滑ポンプが十分くみ上げていないからだ
→ポンプ能力を強化する?
- 回答4:ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ
→軸受けを交換する?
- 回答5:ストレーナー(濾過器)がないから、切粉が入った
→濾過器を付ける。
こう記すと、回答に対する直接の解決策では根本の原因、真因解決にはつながらず、場当たり的対応となる可能性が高いことがよくわかります。
機械が止まってしまうという事象をその場しのぎの方法で対応すると、再発リスクは低減されませんし、再度の機会の停止による時間ロス、対応人員ロスなど多くのムダが発生してしまいます。
なぜなぜ分析を行うことが、その場しのぎのムダ、再発リスクの低減・撲滅につながり、結果としてムダのない改善につながります。この例で言えば、真因はストレーナー(濾過器)が無いことであることが明らかになったので、潤滑油ラインにストレーナーを取り付ける対応で再発防止を期待できます。
もし、なぜなぜ分析を行わず、直接的に対応を行ったとすれば、ヒューズ交換や給油、ポンプ強化、軸受け交換などの真因から離れたその場しのぎの対策を複数行うことも考えられ、相当なムダが発生したかもしれません。
「なぜ?」を複数回行い、回答を考える事は時として作業の手を止め、相応の時間を要する場合もありますが、その場しのぎ対応で発生するムダ、失われる時間やコストを削減できるなぜなぜ分析の活用は幅広い業種、業態で活用できます。
4.3まとめて分析しようとしない
「なぜ?」から出た回答をそのまま分析してしまうと、問題を特定する分析プロセスを通過した結果、抽象的なものだけになってしまい、真因と呼べる原因からは程遠い着地となる場合があり、適正な解決策や改善方法につながらない場合が考えられます。問いから回答の分析プロセスで発見された事象(多くの場合複数発見される)のそれぞれにフォーカスし、問題を全体化(マクロ)して解決しようとせず、問題を個別内容(ミクロ)単位で分析することで、なぜなぜ分析の活用がスムーズになります。
4.4質問する事象に関連性を持たせる
なぜなぜ分析を行う際に、質問する事象に関連性を持たせることの重要性についての説明を表を使って説明します。
重要性の要素 |
説明 |
効果的な追求 |
関連性のある質問をすることで、根本原因へと効果的に迫ることができます。 |
明確なつながり |
現象と原因のつながりを明確にし、分析の方向性を保つことができます。 |
適切な深さの解明 |
関連性を保ちながら質問を続けることで、適切な深さまで問題の解明を進めることが可能です。 |
分析の散漫化防止 |
関連性のない質問を避けることで、分析が散漫になるのを防ぎ、根本原因の特定をスムーズに行うことができます。 |
このように、質問する事象の関連性を保つことは、なぜなぜ分析を効果的に進めるための重要な要素です。関連性を保つことで、根本原因へと効果的に迫り、分析の方向性を保ち、適切な深さまで問題の解明を進めることができます。また、関連性のない質問を避けることで、分析が散漫になるのを防ぐことができます。
4.5コントロールが可能な範囲で行う
なぜなぜ分析を行う際には、コントロールが可能な範囲で行うことが重要です。この理由は、根本原因の特定後、実効性のある対策を実施できるからです。分析によって特定された根本原因がコントロール不能な範囲にある場合、その原因に対する具体的な対策が取れません。したがって、分析の結果をもとに効果的な対策を実施するためには、分析の対象範囲をコントロールが可能な範囲に限定することが有効です。
具体的には、組織の業務プロセスや運用範囲内での分析を優先すべきです。これにより、発見された原因に対する具体的なアクションが取れ、問題の解決が迅速に進むでしょう。また、範囲を明確にすることで、分析の方向性が鮮明になり、効率的に分析を進められます。このように、コントロールが可能な範囲での分析は、問題解決を実効性のあるものにするために重要です。
5.「なぜなぜ分析」の実践方法【テンプレート有り】
ここでは担当者として行う、なぜなぜ分析の実施方法について解説します。
●作業中発生した不具合事象や気づきをメモする。
基本的になぜなぜ分析のネタは作業中で発生した不具合や作業者の気づきがその対象となりますので、日報や作業者のメモが重要になります。その後、それらのメモを活用してシートに記入します。
5.1「なぜなぜ分析」テンプレート
筆者のクライアント先で実際に使われているなぜなぜ分析シートをテンプレート例として示します。なぜなに分析の練習や、職場での教育、研修、演習などの参考に活用ください。
5.2「なぜなぜ分析」のやり方(記入時のポイント)
- 分析対象の事象を具体的に明らかにする
ここで重要になるのは対象の事象を具体的に定義する事です。よく見られる悪い例は抽象的な表現(多い、少ない、良い、悪いなど)で表してしまう事です。抽象的な表現であると情報の受け手によってその評価が変わるだけでなく、何をもって課題が解決したのかを具体的に設定する事が難しく、分析の効果が生まれません。具体的な表現(○○g多い、○○秒少ない、基準をクリアしている、基準に対し○○の差が発生しているなど)を行いましょう。
- 事象の要因を明らかにする
ここで見られる悪い例は事象→要因→要因→要因などと要員のラレルになってしまう事です。重要なのは事象と要因、つかんだ要因の事象と次の要因が論理的につながってゆくことです。論理的なつながりが各要因間にある事で、事象と真因がつながり、根本解決につながります。
- 解決策を明らかにする
事象を解決するに足る要素がそろったら、事象解決の方法、解決策を明らかにします。ここでの留意点は解決策を明らかにする際には標準的内容(属人的でない、特殊な器具、道具を用いないなど)であることです。なぜなぜ分析が効果を発揮するのは現場でコントロール可能な範囲での改善です。現場での改善を進めるうえでも標準的内容で解決策を明らかにすることで、確実に、低いコストで現場改善実行につながって行くと考えます。
※関連解説記事 なぜなぜ分析~3つの分析パターン
※関連解説記事 クロスチェック付きなぜなぜ分析(三菱電機が開発したなぜなぜ分析の発展型)
6.まとめ
なぜなぜ分析は、不具合事象の解決策を明らかにしたり再発を防止したりするための分析法です。けっして不具合事象発生の人的責任追及に用いるものではない事に留意が必要です。改善活動全般に共通する事柄としてカイゼンは「人中心」であり、働きやすさを向上することでQCD向上を図るものです。
誰がミスをしたか?ではなくなぜミスが発生したかにフォーカスして、より良い仕事の実現、現場改善になぜなぜ分析をご活用ください。
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