なぜなぜ分析ケーススタディ(その1)

なぜなぜ分析
 

◆ なぜなぜ分析の具体的な進め方:製造業の工場品質改善対策・事例解説

 次のようなQ&Aを事例にして、「なぜなぜ分析」を正しく理解し実施する方法を解説します。
 

セミナー「なぜなぜ分析2日間実践セミナー【テキスト代含む】」

9:30 ~ 16:30 

大阪・日科技連 大阪事務所

72,360円

1. 質問

 「なぜなぜ分析を正解に導けず上司の承認が得られません。私自身がなぜなぜ分析を提出した経験が無く、周囲に直ぐ相談する先輩・上司がいません。模範解答を希望致します。そこから、作業者と私で勉強させて頂きます。」
 

2. 質問の経緯

 標準作業:撹拌機の動作終了後、必要箇所を洗浄後に次製品の撹拌開始
 作業ミス:洗浄作業を行わず次製品の撹拌開始した為、異品種混入の異常発生
 次に作業者が実施した、なぜなぜ分析を表記します。
 発生した問題:撹拌機ブレード洗浄忘れによる異品種混入異常
 
●なぜ1
 なぜ標準作業を守らなかったのか。➡別作業者が手伝ってくれていたのでブレード洗浄が完了していると思い込んだ
 
●なぜ2
 設備№2の洗浄完了してない。➡引継を受けたが、設備№1と感違いした
 
●なぜ3
 勘違いした設備の洗浄[設備№1]は次班に引継いだ
 
●なぜ4
 理由にはならないが色々な事が重なり数秒の作業を怠った 
 
 このような文章力、表現力で説明不足が多々ございます。質問の切り口を変えてみたのですが、なぜ2からなぜ3、なぜ3からなぜ4の箇所がつながりません。なぜ6迄になりましたが精神的表現が多く長文になっていたので、なぜ4までに修正しました。「なぜなぜ分析」の模範解答を教えて下さい。
ーーという質問内容です。
 

3. 回答

 「作業ミス 洗浄作業を行わず次製品の撹拌開始した為、異品種混入異常」という問題に対して、作業者のミスを本人が「なぜなぜ分析」を行った結果ですね。そこから導かれるのは、「気づかなかった」「思い込んだ」「勘違いした」などのヒューマンエラーそのものを現しているだけで、一向に真の原因にたどり着きません。
 
 まず、当事者がなぜなぜ分析を行うのは間違いです。管理者が行うべきです。「気づくように」「思い込まないように」「勘違いしないような」管理方法を管理者の責任で考え、改善する必要があるのです。
 
 それには、管理者が「三現主義」で現場・現物・現実を目の当たりにして、どこに問題があるのかを突き止めなければなりません。文章力、表現力の問題ではありません。
 
 現場の状況は質問文からは十分に把握できませんが、一つのヒントとして「前工程が遅れた関係で2台同時に作業開始」とあります。なぜ、前工程が遅れたのでしょうか?また「別作業者が手伝って」とありますが、作業分担はどのようになっているのでしょうか?
 
 「前工程が遅れた」のは、工程が通常とは違う「異常状態」となっています。その時、作業標準通りの作業は守れるのでしょうか?「異常状態」となったとき、どのような方法で、ミスが起きないように切り
抜けるのでしょうか?これは全て、作業者の問題ではなく管理の問題です。管理層が自らの問題と捉えて「なぜなぜ」を行う必要があるのではないでしょうか?
 
 「なぜなぜ分析」を正しく理解し実施する方法は、次回:その2で詳しく説明します。その前に、行わなければならないのは、工程の変動によって、作業標準が守れない状況が生じていることを捉え、なぜ守れないのかを、管理者が自ら現場に行き、三現主義で原因を突き止めることが必要と思います。
  

この記事の著者

濱田 金男

製造業の現場ですぐ使える独自の品質改善技法の開発と普及活動を行っています。 「ヒューマンエラー防止対策」「簡易FMEA/FTA」「しくみを対策するなぜなぜ2段階法」

1972年OKI高崎事業所入社、設計、製造、品質部門を経験、多くの品質問題に かかわり、失敗経験も豊富、 2014年独立「中小企業」で実務ですぐ使える技法とツール開に取り組む! ●事後対策主体の品質管理から脱却 発生した問題の原因解析…

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