なぜなぜ分析ケーススタディ(その1)

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なぜなぜ分析
 
 

◆ なぜなぜ分析の具体的な進め方:製造業の工場品質改善対策・事例解説

 
 次のようなQ&Aを事例にして、「なぜなぜ分析」を正しく理解し実施する方法を解説します。
 

1. 質問

 
 「なぜなぜ分析を正解に導けず上司の承認が得られません。私自身がなぜなぜ分析を提出した経験が無く、周囲に直ぐ相談する先輩・上司がいません。模範解答を希望致します。そこから、作業者と私で勉強させて頂きます。」
 

2. 質問の経緯

 
 標準作業:撹拌機の動作終了後、必要箇所を洗浄後に次製品の撹拌開始
 作業ミス:洗浄作業を行わず次製品の撹拌開始した為、異品種混入の異常発生
 次に作業者が実施した、なぜなぜ分析を表記します。
 発生した問題:撹拌機ブレード洗浄忘れによる異品種混入異常
 
●なぜ1
 なぜ標準作業を守らなかったのか。➡別作業者が手伝ってくれていたのでブレード洗浄が完了していると思い込んだ
 
●なぜ2
 設備№2の洗浄完了してない。➡引継を受けたが、設備№1と感違いした
 
●なぜ3
 勘違いした設備の洗浄[設備№1]は次班に引継いだ
 
●なぜ4
 理由にはならないが色々な事が重なり数秒の作業を怠った 
 
 このような文章力、表現力で説明不足が多々ございます。質問の切り口を変えてみたのですが、なぜ2からなぜ3、なぜ3からなぜ4の箇所がつながりません。なぜ6迄になりましたが精神的表現が多く長文になっていたので、なぜ4までに修正しました。「なぜなぜ分析」の模範解答を教えて下さい。
ーーという質問内容です。
 

3. 回答

 
 「作業ミス 洗浄作業を行わず次製品の撹拌開始した為、異品種混入異常」という問題に対して、作業者のミスを本人が「なぜなぜ分析」を行った結果ですね。そこから導かれるのは、「気づかなかった」「思い込んだ」「勘違いした」などのヒューマンエラーそのものを現しているだけで、一向に真の原因にたどり着きません。
 
 まず、当事者がなぜなぜ分析を行うのは間違いです。管理者が行うべきです。「気づくように」「思い込まないように」「勘違いしないような」管理方法を管理者の責任で考え、改善する必要があるのです。
 
 それには、管理者が「三現主義」で現場・現物・現実を目の当たりにして、どこに問題があるのかを突き止めなければなりません。文章力、表現力の問題ではありません。
 
 現場の状況は質問文からは十分に把握できませんが、一つのヒントとして「前工程が遅れた関係で2台同時に作業開始」とあります。なぜ、前工程が遅れたのでしょうか?また「別作業者が手伝って」とありますが、作業分担はどのようになっているのでしょうか?
 
 「前工程が遅れた」のは、工程が通常とは違う「異常状態」となっています。その時、作業標準通りの作業は守れるのでしょうか?「異常状態」となったとき、どのような方法で、ミスが起きないように切り
抜けるのでしょうか?これは全て、作業者の問題では...
なぜなぜ分析
 
 

◆ なぜなぜ分析の具体的な進め方:製造業の工場品質改善対策・事例解説

 
 次のようなQ&Aを事例にして、「なぜなぜ分析」を正しく理解し実施する方法を解説します。
 

1. 質問

 
 「なぜなぜ分析を正解に導けず上司の承認が得られません。私自身がなぜなぜ分析を提出した経験が無く、周囲に直ぐ相談する先輩・上司がいません。模範解答を希望致します。そこから、作業者と私で勉強させて頂きます。」
 

2. 質問の経緯

 
 標準作業:撹拌機の動作終了後、必要箇所を洗浄後に次製品の撹拌開始
 作業ミス:洗浄作業を行わず次製品の撹拌開始した為、異品種混入の異常発生
 次に作業者が実施した、なぜなぜ分析を表記します。
 発生した問題:撹拌機ブレード洗浄忘れによる異品種混入異常
 
●なぜ1
 なぜ標準作業を守らなかったのか。➡別作業者が手伝ってくれていたのでブレード洗浄が完了していると思い込んだ
 
●なぜ2
 設備№2の洗浄完了してない。➡引継を受けたが、設備№1と感違いした
 
●なぜ3
 勘違いした設備の洗浄[設備№1]は次班に引継いだ
 
●なぜ4
 理由にはならないが色々な事が重なり数秒の作業を怠った 
 
 このような文章力、表現力で説明不足が多々ございます。質問の切り口を変えてみたのですが、なぜ2からなぜ3、なぜ3からなぜ4の箇所がつながりません。なぜ6迄になりましたが精神的表現が多く長文になっていたので、なぜ4までに修正しました。「なぜなぜ分析」の模範解答を教えて下さい。
ーーという質問内容です。
 

3. 回答

 
 「作業ミス 洗浄作業を行わず次製品の撹拌開始した為、異品種混入異常」という問題に対して、作業者のミスを本人が「なぜなぜ分析」を行った結果ですね。そこから導かれるのは、「気づかなかった」「思い込んだ」「勘違いした」などのヒューマンエラーそのものを現しているだけで、一向に真の原因にたどり着きません。
 
 まず、当事者がなぜなぜ分析を行うのは間違いです。管理者が行うべきです。「気づくように」「思い込まないように」「勘違いしないような」管理方法を管理者の責任で考え、改善する必要があるのです。
 
 それには、管理者が「三現主義」で現場・現物・現実を目の当たりにして、どこに問題があるのかを突き止めなければなりません。文章力、表現力の問題ではありません。
 
 現場の状況は質問文からは十分に把握できませんが、一つのヒントとして「前工程が遅れた関係で2台同時に作業開始」とあります。なぜ、前工程が遅れたのでしょうか?また「別作業者が手伝って」とありますが、作業分担はどのようになっているのでしょうか?
 
 「前工程が遅れた」のは、工程が通常とは違う「異常状態」となっています。その時、作業標準通りの作業は守れるのでしょうか?「異常状態」となったとき、どのような方法で、ミスが起きないように切り
抜けるのでしょうか?これは全て、作業者の問題ではなく管理の問題です。管理層が自らの問題と捉えて「なぜなぜ」を行う必要があるのではないでしょうか?
 
 「なぜなぜ分析」を正しく理解し実施する方法は、次回:その2で詳しく説明します。その前に、行わなければならないのは、工程の変動によって、作業標準が守れない状況が生じていることを捉え、なぜ守れないのかを、管理者が自ら現場に行き、三現主義で原因を突き止めることが必要と思います。
 
  

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この記事の著者

濱田 金男

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

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