IE活用で生産現場を改善する最先端手法をインタビュー

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作業分析ソフト「OTRS」で現場の課題を見える化

 製造業で「生産性を向上させる」ことは、企業の存続という点から非常に重要であり「生産・製造現場の作業時間短縮、省力化、コスト低減」など、可能な効率化を図っていくことが日々求められています。今回は生産現場の改善を行い、業務の可視化(見える化)を推進するIE(Industrial Engineering)を活用した作業分析ソフトウェア「OTRS」を開発・販売している株式会社ブロードリーフ営業本部特販グループIOH営業部 ご担当者にお話をうかがいました。一言に「作業分析ソフト」といっても、様々な選択肢がありますが、この記事を読んでいただければ、効率的な動作分析で生産現場などにおけるムダを改善、最適化し、導入費用以上の効果獲得や生産性向上を図るうえで有効なヒントになるのではないでしょうか。

聞き手 株式会社産業革新研究所 代表取締役社長  熊坂 治


 

カメラ映像から「価値のある動作・ない動作」を分析

まず、OTRSとはどのようなソフトなのでしょうか

 ブロードリーフ社:
 OTRSは「Operation Time Research Software」の略称です。これまで製造業でOTRSが導入される前は、人の作業動作をストップウォッチで時間観測など行い、動作改善を進めていましたが、このソフトを使うことで、現状分析に多くの時間を割くことなく、より簡単により速く分析ができます。またOTRSは、カメラ映像から抽出した作業動作を比較し、分析を行った中から「価値のある動作・ない動作」がはっきりと識別しますので「作業改善に取り組まなかったどのような動きになるのか」とか「そこの(作業)部分の順番を入れ替えてみたらどのような動きになるのか」といったシミュレーションも簡単に作り出すことができる機能があり、この点が大きな特徴です。

 

開発から保守までの一貫サービス

労作分析自体は100年前の米F・Wテイラーの時代から始まっていて、業界には類似のソフトウェアも数多くあると思いますが、それらと比較した際の特徴を教えてください

 ブロードリーフ社:
 類似ソフトと比較して、OTRSの多種多様な特徴がある中で「使いやすさ」が多くのお客様から評価されています。現在、弊社では開発からメンテナンス、保守まで一貫したサービスを行っており、主要な機能で特許を取得したうえで自社開発してお客様に提供していますから、この確かな開発根拠という点が、非常に大きな強みです。また、営業マンの人数も多く、コールセンターも完備していますので、お客様に対してのフォローアップ態勢も万全です。

 

サービス業など製造業以外にも浸透

ユーザーから様々な要望があると思いますが、最近の傾向としてどのようなニーズが多いですか

 ブロードリーフ社:
 作業分析は製造業が最も進んでいるため、OTRSのニーズは製造業が中心でした。ただ、最近はコロナ禍ということもあり、製造業以外の分野でも利活用が広がっています。元々弊社も「様々な分野に使える」といった提案は続けていたのですが、それがようやく理解されてきたようで「実際に使い始められてきた」と実感できるようになりました。製造業以外では、物流業や倉庫業はじめ、サービス業、医療関係などで使っていただいています。

日本のサービス業にも素晴らしい会社はありますが、どちらかというと製造業の方が国際間競争は厳しく、そういった面からも、製造業で作り込まれてきたOTRSの手法をサービス業に展開すれば、大きな効果が期待されるということでしょうか

 ブロードリーフ社:
 製造業も今までと同じことを続けているだけかというと、そうではなく、目標や取り組みが日々変わってきていると感じます。IEで改善しようというこれまでの方針は変わらないと思いますが、OTRSの具体的な使い方は変化しています。これまでは現場作業中のどこかのタイミングで動作映像サンプルを撮影して分析し、結果を検証するといった流れで使っていただいてきました。それに対して最近はカメラを固定し、四六時中撮影しているといった状態になっています。「1日の繰り返し作業の中でどのくらいバラツキ(ムダ)があるか」という視点で、何百個も作る作業の中から様々な分析をしています。当然そうなってくると、1日中行われている作業を人が延々と分析するわけにはいきませんので、そこにAIや画像認識を絡め、それらを組み合わせて作り込むなど、OTRSを取り巻く環境が日々変わってきているという実感はあります。また、弊社もそのようなニーズに応え始めてきていますので、今までのお客様のOTRSに対する考え方とはまた違った領域に入ってくるのではないかといったところが、非常に面白いと私は感じております。

 

将来は「OTRSやって」といった共通言語に

これまで何セットくらい販売されましたか

 ブロードリーフ社:
 一昨年段階での6000ライセンスに、昨年1年間分を加算して7000ライセンス近くになるかと思います。

お話をうかがっていると、今後もライセンス数が益々(ますます)増えそうですね

 ブロードリーフ社:
 一企業に複数のライセンスが入っている企業もあれば、1ライセンスのみといったケースもありますが今後「膨大な作業データから分析する」という流れになってくると、一つや二つでは足りないという話に変わってきそうです。そうなると、お客様にも相当数が導入され、常にムダといったバラツキの部分をしっかりと分析するといった文化が育ち、精度も益々高まっていくだろうと考えています。一企業に沢山(たくさん)のOTRSが入ることで、これまで使われてきた「作業分析」という業務が「OTRSやって」という共通言語になっていくのではないかと感じています。

約7...

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作業分析ソフト「OTRS」で現場の課題を見える化

 製造業で「生産性を向上させる」ことは、企業の存続という点から非常に重要であり「生産・製造現場の作業時間短縮、省力化、コスト低減」など、可能な効率化を図っていくことが日々求められています。今回は生産現場の改善を行い、業務の可視化(見える化)を推進するIE(Industrial Engineering)を活用した作業分析ソフトウェア「OTRS」を開発・販売している株式会社ブロードリーフ営業本部特販グループIOH営業部 ご担当者にお話をうかがいました。一言に「作業分析ソフト」といっても、様々な選択肢がありますが、この記事を読んでいただければ、効率的な動作分析で生産現場などにおけるムダを改善、最適化し、導入費用以上の効果獲得や生産性向上を図るうえで有効なヒントになるのではないでしょうか。

聞き手 株式会社産業革新研究所 代表取締役社長  熊坂 治


 

カメラ映像から「価値のある動作・ない動作」を分析

まず、OTRSとはどのようなソフトなのでしょうか

 ブロードリーフ社:
 OTRSは「Operation Time Research Software」の略称です。これまで製造業でOTRSが導入される前は、人の作業動作をストップウォッチで時間観測など行い、動作改善を進めていましたが、このソフトを使うことで、現状分析に多くの時間を割くことなく、より簡単により速く分析ができます。またOTRSは、カメラ映像から抽出した作業動作を比較し、分析を行った中から「価値のある動作・ない動作」がはっきりと識別しますので「作業改善に取り組まなかったどのような動きになるのか」とか「そこの(作業)部分の順番を入れ替えてみたらどのような動きになるのか」といったシミュレーションも簡単に作り出すことができる機能があり、この点が大きな特徴です。

 

開発から保守までの一貫サービス

労作分析自体は100年前の米F・Wテイラーの時代から始まっていて、業界には類似のソフトウェアも数多くあると思いますが、それらと比較した際の特徴を教えてください

 ブロードリーフ社:
 類似ソフトと比較して、OTRSの多種多様な特徴がある中で「使いやすさ」が多くのお客様から評価されています。現在、弊社では開発からメンテナンス、保守まで一貫したサービスを行っており、主要な機能で特許を取得したうえで自社開発してお客様に提供していますから、この確かな開発根拠という点が、非常に大きな強みです。また、営業マンの人数も多く、コールセンターも完備していますので、お客様に対してのフォローアップ態勢も万全です。

 

サービス業など製造業以外にも浸透

ユーザーから様々な要望があると思いますが、最近の傾向としてどのようなニーズが多いですか

 ブロードリーフ社:
 作業分析は製造業が最も進んでいるため、OTRSのニーズは製造業が中心でした。ただ、最近はコロナ禍ということもあり、製造業以外の分野でも利活用が広がっています。元々弊社も「様々な分野に使える」といった提案は続けていたのですが、それがようやく理解されてきたようで「実際に使い始められてきた」と実感できるようになりました。製造業以外では、物流業や倉庫業はじめ、サービス業、医療関係などで使っていただいています。

日本のサービス業にも素晴らしい会社はありますが、どちらかというと製造業の方が国際間競争は厳しく、そういった面からも、製造業で作り込まれてきたOTRSの手法をサービス業に展開すれば、大きな効果が期待されるということでしょうか

 ブロードリーフ社:
 製造業も今までと同じことを続けているだけかというと、そうではなく、目標や取り組みが日々変わってきていると感じます。IEで改善しようというこれまでの方針は変わらないと思いますが、OTRSの具体的な使い方は変化しています。これまでは現場作業中のどこかのタイミングで動作映像サンプルを撮影して分析し、結果を検証するといった流れで使っていただいてきました。それに対して最近はカメラを固定し、四六時中撮影しているといった状態になっています。「1日の繰り返し作業の中でどのくらいバラツキ(ムダ)があるか」という視点で、何百個も作る作業の中から様々な分析をしています。当然そうなってくると、1日中行われている作業を人が延々と分析するわけにはいきませんので、そこにAIや画像認識を絡め、それらを組み合わせて作り込むなど、OTRSを取り巻く環境が日々変わってきているという実感はあります。また、弊社もそのようなニーズに応え始めてきていますので、今までのお客様のOTRSに対する考え方とはまた違った領域に入ってくるのではないかといったところが、非常に面白いと私は感じております。

 

将来は「OTRSやって」といった共通言語に

これまで何セットくらい販売されましたか

 ブロードリーフ社:
 一昨年段階での6000ライセンスに、昨年1年間分を加算して7000ライセンス近くになるかと思います。

お話をうかがっていると、今後もライセンス数が益々(ますます)増えそうですね

 ブロードリーフ社:
 一企業に複数のライセンスが入っている企業もあれば、1ライセンスのみといったケースもありますが今後「膨大な作業データから分析する」という流れになってくると、一つや二つでは足りないという話に変わってきそうです。そうなると、お客様にも相当数が導入され、常にムダといったバラツキの部分をしっかりと分析するといった文化が育ち、精度も益々高まっていくだろうと考えています。一企業に沢山(たくさん)のOTRSが入ることで、これまで使われてきた「作業分析」という業務が「OTRSやって」という共通言語になっていくのではないかと感じています。

約7000ライセンスの販売実績によって、ソフト自体にノウハウが蓄積されてきていると思います。またユーザーさんも10セット目、20セット目となってくると、会社としてのノウハウが積み重ねられ、効果が拡大してくると思います

 ブロードリーフ社:
 そういったノウハウ蓄積が進むと、お客様の原価管理もしっかりできてきますから、OTRSを徹底的に使い尽くしてほしいと思います。

 

生産性向上に欠かせない分析ツール

すでにOTRSを持ってらっしゃる方は十分効果を感じているようですが、一方で導入を考えている皆さんに対して一言お願いします

 ブロードリーフ社:
 絶大な効果が発揮された事例が多数報告されていますので、導入を迷われている暇はありません。現在、少人化などお考えのお客様も多くおられるかと思います。例えば、そこに対して機械化やロボット投入などといった設備投資を色々と模索されていると思いますが「どこに何を導入すれば効果が最大化されるのか」といった点でとらえた場合、その前にOTRSで必ず分析をしてから、機器の導入や改善などに役立てていただければ、導入費用以上の効果が必ず現れてきますので、本当に1秒でも早く導入していただきたいと思います。


用語解説
IoH:インターネット・オブ・ヒューマンで「ヒトのインターネット」と呼ばれ、人がインターネットと繋がるという概念。

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